2.目覚め
のんびり進みます^^
ふわふわと思考が漂い、なんだか気持ちが良い
人の動く気配がするけど
こちらに気を配ってくれているのか物音はしない。
ゆっくりと目を開けば白い天井
視線を動かすと天蓋付きベットの様だ
少し身体を動かすと穏やかな声が掛かる。
「お目覚めですか?」
声のする方に視線を向けると、あの部屋で私の手を取ってくれた
侍女だと気づいた。
「すい、ま…せん…」
喉が張り付く様な、酷く擦れた声が出た。
「喉が渇いておいででしょう?お飲みください。」
ベットサイドの水差しから、水を入れ差し出してくれた。
頭はスッキリしてるのに、酷くベタつく身体を起こし
それを受け取り飲み干した。
「あの…ここはどこでしょうか?」
侍女は穏やかな笑顔のままゆっくり話だす。
「ここはヨハンネル王国首都ヨハネスになります。姫様が住んでいらした世界とは違う世界になります、私どもの勝手な願いで…姫様を、こちらの世界に召喚させて頂いたのでございます。」
「違う世界……異世界…、召喚…」
あまり馴染みのない単語に呆然とした声しか出ない。
「詳しい話は他の者からさせて頂きますが、倒れられた姫様が熱を出されまして2日が経っております。湯あみの用意を致しますので、汗を流されサッパリされたらいかがでしょうか?」
確かに、身体はベタベタで不快しかない…
他の人からの説明を聞くのに、このままは駄目だろう。
彼女に頷いてみせると、部屋の外に声をかけて
1つの扉に姿を消した。
その間にゆっくり周りを見てみると私のいる天蓋のベットも
大人が余裕で3人は寝れるであろう広さがあるし
部屋もロココ調の家具が揃っていてとても広い豪華な部屋だ。
彼女が戻りお風呂に案内されると、これまた豪華なお風呂で色んな色の石鹸が数個ありシャワーもあるが…お湯を出すスイッチらしき物は1つだけ。どうやって使うのか考えて、ふと鏡を見て驚く。
若返ってる様にみえる…ペタペタと自分の顔を触りながら鏡を覗く。高校生くらいだろうか、髪も伸びて目の下の隈もなくなっている。不思議に思いながら観察していると
「姫様はまだ魔力を使えないですし
石鹸の種類もお分かりになりませんでしょう?
私にお手伝いさせて頂けませんか?」
「へっ?」
お風呂を人に手伝ってもらうとか恥ずかしすぎるけど…
お湯を必要とする度に入って来てもらうのも手間だろうし…
それに彼女には初めに見せてしまっている…うーんうーんと悩んで結局お願いした。
恥ずかしかったのは初めだけで、穏やかな彼女のおかげでリラックスしてお風呂を堪能出来た。
そして何よりビックリしたのが魔法!お風呂から上がって色の変わったタイルの上に乗り魔力を流すと、あ~らビックリ髪や身体の余分な水分がなくなりサラサラになった事だ、なんて便利なんだろう。
お風呂から上がり用意されていたドレスを差し出されて顔が引きつる。それは中世ヨーロッパの貴族が来ていた様なドレスだったから!イヤ確かに女子としては凄く凄く憧れるけれど…それを普段着で着るとか無理だと思うの。私は丁寧にお断りして他にないかお願いしてみると、とても綺麗な若草色でウェストを紐で編み上げて絞ってあるミモレ丈のワンピースを用意してくれた。
全て整いソファに落ち着くと、ノックと共にワゴンを押した侍女が入ってきて私の前のテーブルに果物や軽食を揃えて果実水を用意された。
「ありがとうございます。」
侍女を見て笑顔でお礼を言うと、侍女は目を見開き真っ赤になって首を振る。
「とっ、とんでも、ございませんっ!」
そそくさと扉のほうに控える侍女。クスクスと笑いながら初めからいる侍女が近づく。
「ずっと寝込まれて食事をされていらっしゃらないので
初めは軽い物からがよろしいかと用意させて頂きました。
どうぞ召し上がりください。」
少しづつ摘みながら果実水を飲んでいると段々気持ちも落ち着いてきた。
ずっと付いてくれてた侍女は【マーサ】さんと言って
綺麗な赤髪に薄い茶色の瞳の女性だった。
ここの王子や王女の乳母もしていた侍女頭だそうだ。
落ち着いてきたので来た時の事を思い返してみると
あの場にいた人がマントを貸してくれた事を思い出した。
「あっ…」
「姫様、どうかなさいましたか?」
「私、あの…来た時にマントをお借りしたのに
何も…お礼も言わなくて…それに誰から借りたのかも
全然覚えていなくて…
それに、姫様って言うのも辞めて頂けると…」
落ち込む様子の私にマーサさんが大丈夫と穏やかに声をかけてくれる。
「マントを貸してくださった方々にはすぐにお会い出来るでしょう。それに誰が貸したのか、私がお教え致しますから心配ありませんよ。敬称は…それでは姫様のお名前を教えて頂けますでしょうか?」
「高木 澪と言います。名前が澪です」
「ミオ様ですね、お名前を教えて頂きありがとうございます。」
私はほっとして、マーサさんに「ありがとうございます」と微笑んだ。
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