23.穏やかなる日々
評価・ブクマありがとうございます!
次の話と上手く区切れなくて、少しだけ短めです。
傷を負って3週間が経ちました。ずっと安静でベットから出るのはトイレだけという逆に身体が悲鳴を上げそうな所で、やっと軽い散歩などの許可が出ました。
本当なら2週間位で痛みも軽くなったので、リハビリに動こうとしたらジークが許可をくれませんでした。今回のケガでジークが、すっかり過保護の様になってしまい、さすがにトイレまで抱きかかえて行こうとしたのは断固としてお断りさせて頂きました。
絶対安静が解かれ、真っ先に部屋に飛び込んで来たのは号泣したマリーリア様でした。「バカな従妹がごめんなさい」「同じ王族として恥ずかしい」と何度も謝られ、苦笑するしかなかった。
次にテオとアルンが来て心配と説教を貰った。
「あんなに素早く動けたのかよ、まぁ…そう言えば普通の令嬢じゃなかったな」
「咄嗟の防御盾を発動する時の、範囲が甘かったです。特訓が必要ですね」
相変わらずの二人に笑うしかなかった。
ジークは、忙しいのに時間を作って1日に数回顔を見せてくれている。その手には、いつも小さな可愛い花束を持って。顔が見られるのが嬉しいし、私を想って持ってきてくれる花束に心が温かくなる。
***
その日はジークと共に、リハビリを兼ねて王宮奥の小さな庭に来ていた。前回来た時には、可愛らしい白い花に囲まれた東屋だったが…今は綺麗な黄色の花に囲まれていた。
「やっぱりここは可愛い、凄く落ち着けて好きです」
「好きになってくれて嬉しい、この世界でこれからも沢山の好きを見つけて欲しいな」
視線を合わせ微笑み合っていると、侍女達が東屋にお茶を用意してくれた。
「久しぶりに歩いたから疲れただろう、お茶にしよう」
そう言って二人並んで、軽いお菓子を食べながらお茶を飲んでいると…緊張した面持ちのジークがジャケットの胸からベルベットの箱を出した。
「パラムの晩餐会で…本当は私がミオの全てを用意したかった。テオの色を全身に纏う君を見て、不甲斐ない自分に落ち込んだよ」
テオの色と言われて思い返すと、確かに…そうなってしまっていたが意識してやった訳ではないと口を開こうとするとジークに止められた。
「責めている訳ではないんだ、只テオに先を越されて悔しかっただけ。それで、これを受け取って欲しいんだ」
差し出されたそれは、プラチナの華奢なチェーンにトップが可愛い小花の形で花びらが藍色の石が埋まっているペンダントだった。
「……可愛い、嬉しいです。本当に嬉しい、ずっと大事に着けますね」
「私が着けてもいいかな?その石は魔石になっていて、上限いっぱい私の魔力を注いだから…お守りみたいなものだよ」
席を立ち、私の背後に回って…ペンダントを持った手をゆっくり広げ、項にジークの手が触れ心臓が壊れてしまいそうだ。次の瞬間、項に柔らかいものが触れた気配に「ひゃっ」と声が出た。
「ごめんごめん、つい可愛くて」って悪戯っ子の顔で笑うジークに、顔を真っ赤にして俯くしかなかった。
***
毎日の治癒師さんの治療のおかげで、傷の痛みもなくなって城内や中庭で散歩を日課にしているのだが…前に絡んでいた令嬢達がいなくなったのに、新しい令嬢が目の前を立ちふさがっている。勿論名前は知らない。
「乙女だからって全てを許される訳ではなくってよ―」
「浄化の際にケガをして、ジーク様達に迷惑をかけるなんて―」
何でもかんでも許して貰おうとは思っていないし…この間は心配も迷惑もかけたけど、彼女達に言われる事じゃない…けど貴族の令嬢だしなぁ、と困惑して黙っていると。
「ミオっ、ここにいたのか!」
「テオドール様っ!」
「ごきげんよう、テオドール様!」
「あぁ。なぁ、ミオ結構歩けるようになったんだろ?ちょっと行くぞ」
令嬢に「あぁ」の一言で済ませたテオは、すぐに私に向き直り話を進めていく。念の為、令嬢に「お先に失礼します」と礼をして後にした。
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