20.浄化
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本日は、血や痛い表現があります。
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***~***を飛ばしてもOKです!
森へ出立の朝、王と王妃へ挨拶へ向かうと何故かエリザベータも浄化に同行すると王から通達された。聞かされた皆は困惑するばかりだ。
「パラム王、発言をお許し願いますでしょうか?」
「どうしたジーク?」
「森の浄化は魔獣も出現する為、とても危険が伴います。限られた騎士達で王女を守りながら戦う事がどれだけ大変か。寛大なパラム王ならば理解して頂けると思います」
「嫌よ、わたしくは浄化する所を見たいのです。騎士が乙女を守って戦うのだもの、わたくし一人が増えた所で同じではありませんか!お父様が良いと言ったのです、わたくしが行く事は決定しているのですわ」
結局、ジークが食い下がるものの…王は騎士の数を増やせば問題あるまいと、王女の同行を再度許可したのだ。その為、数日前から決められていた騎士の編成などの変更を余儀なくされ、バタバタと出立する事になったのである。
パラム側の瘴気の森へは、城から1日ちょっとで到着出来るものの。丁度良い経由の町がない為野営となっていた。しかし、王女は長い馬車で疲れたと休憩を取らせ道端では汚いと騒ぎ…お茶もないと文句を言い、飽きたと言ってジークの馬に相乗りをしてもらい、野営では硬くて痛くて寝られないと騒いだ。
周りはこれ以上の我儘で日程が崩されない様に黙々と作業するしかなかった。私も横目で見てやりながら、テオやアルンと共に団員達を手伝い食事の用意などした。
結局、森へ到着したのは城を出立して2日目の昼過ぎで、その頃には王女の我儘で騎士達はぐったりし疲労していた。
森の手前で野営を広げ、この場所で王女に留守番するようにジークが説得を続けているが思う様に行かない。前の浄化と同様に、先発で渦の場所を確認しつつ…次発で私が渦を浄化して行く事となる。
森を進んで行く間も乗馬服とブーツを履いて歩く私とは違い、豪華なドレスを纏い歩ける訳のない王女を騎士達が交代で横抱きして移動している。少しづつ森の奥に進むと徐々に渦も見つかり浄化していく。初めて浄化を見たパラムの騎士達は、驚きそして称賛してくれたが、エリザベータは「乙女なんだから、浄化して当たり前でしょ」と睨みつける。
***
当初の目的の浄化を見たのだから、今からでも野営に戻るようにジークが再度説得するが言う事を聞かないエリザベータ。絶対に勝手に動かない事を約束させて、先へ先へと進む。何度か浄化し、魔獣とも戦闘したが王女は帰ろうとしない。
浄化も終わりに近づいた時…私の左隣にいたエリザベータが、ふいに騎士の腕から降りミオの前を通り抜けて走って行く。
「ジークお兄様見てみて、見た事のない花が――」
「――っ!」
その行動が危ないと声を出そうとした瞬間、王女の奥から魔獣が現れる。咄嗟に動く身体、腰を抜かし震え固まるエリザベータの横に立ち光の防御盾を作る。
「―――ミオっ!!」
巨大な熊の様な魔獣の片手の攻撃は防げたが、急に作った防御盾は範囲が足りず…二人を覆う程の大きさにはならなかった。もう片方の腕を振り下ろし、魔獣の爪がミオの肩から腕を切り裂き血が舞い上がる。
「っっっ!!」
すぐにテオとアルン様が魔獣を倒すが、燃える様な痛みにその場を動けなくなる。霞む視界、腕を滴る血液の感触に顔が歪む。
「治癒師をこちらにっ!早くっ!!」
駆け寄り指示を出すジークに抱えられ、ミオは身体に力を入れて痛みをやり過ごす。急いで来た治癒師に治療をされ包帯で固定されるが、血の気を失い…意識は朦朧としている。
***
「ミオ…」
「う、渦…の、残りの…渦は…」
「少し先に、残りは1つだ」ミオの傍に膝を付き頭を撫でながらテオが答える。
「残りを…浄化、します…」
「ミオっ、戻ろう。1つの浄化でも消耗するのに、このケガでは無理だ」
ジークは血の気の無いミオの頬を片手で包み視線を合わせ説得する。不快な汗の感覚がして息も荒くなるミオは、それでも浄化するときかない。
「ジーク…お願いが、あります…私を、さ、最後まで…支えていてくれませんか?」
ミオの気持ちを汲み取ったジークは静かに頷き、傷を避けて抱き抱え歩く。力の使えるギリギリで降ろしてもらい地面に座る。横からジークが腰に腕を回し抱き支える。浄化を始めるが、ケガのせいか浄化に時間が掛かっているようだ。額には汗が滲み、息も荒い…なんとか浄化が終わったと同時に、ミオは力なく倒れた。
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