15.砦の町マウラ
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後1話は午後に投稿します^^
到着した次の日に砦の隊長オリバーさんに状況を聞き、現在確認されている渦の場所の把握。国境までの森の地図を細かく区分けして、区ごとに渦の探索・確認し次の区に移動…次の区を探索してる間に、私が見つかった渦を浄化する。その繰り返しで先を進む事になる。
今日は第1騎士団と砦の1小隊が先発で探索と確認の為、私は砦の中で渦の影響を受けてる人を浄化する。砦の中の浄化が早く終わったので、ジークとテオそして隊長さんにお願いし町に行く事にする。
砦の町の教会は、祈るだけの教会で王都の様に人を預かる事はしていなかった。瘴気の影響がある人達は、それぞれの家族が面倒を見る状態で浄化するには各家庭を訪れるしかなかった。また砦ではそれを把握しておらず途方に暮れる。
突然くぅーっと鳴ったお腹を押さえる。
「ミオ、腹減ったのか?」テオが後ろでケラケラ笑う。
「そういえばお昼は、まだでしたね?オリバー隊長どこか良い所はありませんか?」
「旨い店はあるにはありますが…本当に庶民の店になるので、大丈夫でしょうか?」
オリバー様が困惑しながら確認する。それもそうだ…この国の第2王子に騎士団副団長だもんね。
「私は王族だが野営で慣れている、ミオはどうしたい?」
「行きたいですっ!」
晩餐も美味しいけど、王都の露店で食べた串焼きも美味しかった。砦に住む隊長さんのおすすめなら絶対美味しいはず行かないという選択肢はないのだ。
***
「いらっしゃいっ!空いてる席にどうぞー」
ざわざわと活気あふれるお店に入ると元気な声で招いてくれる。席に座って、店のおすすめを頼んでキョロキョロしていると、くるくるテーブルの間を歩きながら注文を聞き食事を運ぶそばかすが浮かぶ女の子。14歳位だろうか元気に良く働いて偉いなと見ていると、左手が不自由なようだ。ここのテーブルに料理を運び終わった所で声を掛けてみた。
「あの…少しいいですか?」
「はい?追加注文ですか?」
「追加じゃないんだけど、あなたの左手は生まれつきなの?」
「あー、これは瘴気ですよ。ここの砦は渦に近いから影響が出る人も多いんです、そこのおじさんも手が動かないし…あっちのおじさんは急に左耳が聞こえなくなったって。昔話で浄化出来る乙女が現れるって言ってるけど、そんな人いるわけない。小さい頃は、いつか現れてくれるって思った時もあったけど…もういいの、聞き手じゃないから生活する分に不自由はしないから」
「そうなのね…少しだけ触ってもいいかな?」
「いいけど、気持ち悪くないの?瘴気だよ?」
「うん、大丈夫。ちょっと見せてね」
彼女の手をそっと触れ、光の粒子を出していく。彼女が息を飲んだ気配がする。やっぱり瘴気が蠢いてる、範囲も小さいし大丈夫。いつも通り瘴気を小さくし消し去る。そっと目を開けると、涙いっぱいの彼女と視線が合う。
「どうかな?」
手を放し様子を見るように伺うと、「異界の乙女はいたんだ…」と涙が零れた彼女は、動かなかった左手を握ったり開いたりしている。一息ついて微笑む。離れた所から様子を見ていた彼女の両親だろう、走ってきて彼女を抱き締め泣きながらお礼を言う。
静まりかえっていた店内も大騒ぎになる。「私もどうにかなりませんか?」と先程彼女が教えてくれたおじさん達もこちらにやって来た。「大丈夫ですよ」と微笑み、同じ様に浄化した。
「この砦の町で瘴気の影響を受けている人は、砦の詰め所まで名前と住む場所を教えておいて欲しいんだ。周りの知人や町の人達に、この話を広めて欲しい。数日後にお触れを出すので、それを見て広場に集まって来てくれ。」
少し騒ぎの落ち着いた店内でジークが、周りの人達に声を掛けた。私はこれから森の渦を浄化しなきゃいけないから、すぐ町の人の浄化は出来ない。渦の浄化している間に、瘴気の影響のある人達を把握出来たら時間を作って浄化してあげたい。
そんな私の気持ちに寄り添い、先に行動してくれるジークに感謝し視線を送り微笑むと、ジークも優しい視線で返してくれた。
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