12.力の制御
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事件後、私の回復を待って魔術の勉強が始まった。仲良くなれるか心配だったアルン様はいい意味で期待を裏切ってくれた。彼は只の研究バ…研究熱心で色々頭で思案してる為無表情である事。魔術に関しては饒舌である事。
「この世界では生きとし生けるもの全てに魔力があります。その辺に生息している虫や草花にも微量にはなりますが魔力があります。そして人間は、各属性が1つは授かるのです。極めて稀に属性を2つ所有する者もおりますが、本当に稀な事だと理解してください。火・水・風・土・光の5属性があり、騎士や魔術師などは攻撃魔法として使いますが…一般的には火を持つ者は鍛冶屋や調理室のかまど番があります。各自が持つ魔力量も個人差があるので、高い魔力や量を持つ者は大半が騎士団か魔術団預かりとなります。」
「は…はい」
怒涛の説明を無表情で一気に話され、何とか理解したけど―
「特に5属性の中で特殊なのが、光属性で攻撃などでは使えず光を発生させ周りを照らす事と治療を行う事がメインとなります。とはいえミオ様の光の力とは異なり、人間が元々持つ自己治癒力を高める事で治療を行うものであると理解されているかと思います。それではまずミオ様の光の力を見せて頂けますか?」
どんどん話を続けていくアルン様、最後には無表情の中にも目だけは好奇心の色が見える。私が光の粒子を出すと、手を顎に当てブツブツ話している。
「通常の光と、報告にあった目くらましの光が同じ物とするならば…その質量や形を変える事も可能ではないだろうか…質量や形が変えられるなら、硬度も上がるのでわ…」
完全に一人の世界に入ってしまっているアルン様の横で、1人色々な形をイメージして光を出してみる。丸や四角、長方形や正方形…やってみると中々面白い。掌の上で小さな光を丸いトレイの様に広げていく。結構集中しないと難しい。
「ミオ様っ!それをそのまま維持出来ますか?」
「えっ?は、はい」
言われたまま維持してみると、アルン様が傍まで来て光の粒子を触る。
「ふむ…。これを触るとスカスカな感じがするのが分かりますか?それでは、この光と光を集めて隙間を無くすイメージでやってみてください―――」
こんな感じで光の粒子で出来る事を勉強というか研究?実験?して、私の光の力は簡単な防御位なら出来る様になった。ただ咄嗟にするのが難しくて練習が必要なのだけど、自分の身を守る物が1つでもあるなら使えるように努力は続けようと思う。
***
ある日のアルン様との勉強で、いつもの修練場ではなく場所を移動するとの事で王宮の騎士様達の詰め所がある棟に来ていた。
とある部屋に案内されて入ると、ベットがいくつか置かれた場所で数人横になっている人達がいる。
「ここにいる者たちは騎士団に所属している騎士ですが、瘴気に当てられて身体に不調を出している者たちです。瘴気は渦になれば人の目で確認出来る様になりますが、只の瘴気では肉眼で確認する事は難しく…瘴気に当てられるのを防ぐのは現段階では出来ません。瘴気の影響を受ける者達に規則性はないので、こればかりは運としか言いようがないのが現状です。」
「瘴気の影響とは、どの様なものなのですか?」
「症状も様々で、身体のどこかの部位が段々動かなくなる者もいれば…酷い息苦しさなどで動く事も難しい者もいます。一番酷くて意識がない状態で寝たきりの者もいると報告は受けています」
「そうなんですね…」
「そこでミオ様の浄化が必要となりますが、まだ浄化をされた事がないということなので…この部屋の騎士達が協力してくれますので、色々試してみようと思います」
そう言って、アルン様と騎士様の傍に行く。
「彼は利き腕が瘴気の影響を受けたようです」
「初めまして、澪と言います。ご協力ありがとうございます。まだ分からない事だらけなので色々試す事になりますが、よろしくお願いします」
丁寧に頭をさげると、騎士様は慌てて
「とんでもないです!大丈夫ですから、自分に気にせず進めてください」
軽く笑ってくれたので、「失礼します」と手をかざす。光の粒子を出し傷を治す時の様に光で包む。ふと嫌な違和感を感じる…
「ミオ様、どうですか?前回傷などを治した時と何か変わった事はありますか?」
「なんて説明したらいいのか…傷を治した時とは違うものは感じます。光で包んでる腕の中に嫌な違和感があります、これが瘴気なのかもしれません」
その違和感に集中すると、とても何かがグニャグニャ蠢いていて気持ち悪い。
「そうですか…。ミオ様の力はイメージに引っ張られる傾向にあるので、ミオ様がその嫌な違和感を無くす為にはどうしたらいいと思われますか?」
「そうですねぇ…。瘴気で悪い物だから拡散させるより、消した方がいいですよね…んーそうすると段々小さくして消した方がいいのかな…」
独り言を言いながら集中していく、蠢くものを圧縮して小さく小さく…
「ふぅ…嫌なのは、少し小さくなったと思うんですけど…また全部は消えてなくて、体感で何か違ったりしますか?」
大きく息を吐きながら騎士様に問いかける。騎士様は腕をゆっくり動かし自分なりに確認しているようだ。
「凄いです!肘が動く様になってます。ミオ様に会う前は手も肘も動かなかったんです。手はそのままですが、肘は動きます!」
「そうですか、いきなり全部って訳にはいかないですね」
苦笑いを浮かべる私に騎士様は「とんでもないですっ!」ってまた笑った。
「先程言った様に、ミオ様の光の力はイメージが重要ですので…今後どのようにイメージすればいいのか、具体的なイメージを作れるようにするのがいいのかもしれませんね。勿論、身体の中で力を循環させるのも大事ですよ」
この部屋にいた残りの3人の騎士様を全員見せて頂いて、出来るだけ瘴気のうねりを小さくして今日は部屋を後にした。
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