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光のベールに包まれて  作者: 瀬廣 真
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9.魔獣出現

評価・ブクマありがとうございます。

少しだけ子供の痛い表現があります。

苦手な方はバックお願いします。

***~***を飛ばしてもOKです。

その日もテオと街に出ていた。街中で孤児院の子供達と会い一緒に街を見ながら、子供達の用事を終わらせる。すると遠くから馬に乗った騎士の方がこちらに来るのが見えた。


「副団長っ!」


「何があった?」


「北の街はずれに魔獣が現れ街人を襲ったようです、巡回中の騎士が応戦。現在1隊が向かっております」


「分かった、俺も向かう。お前はミオと子供達を教会へ、お前は俺と来い」


「「はっ!」」


騎士の方の報告を受けて、指示を出していくテオ。不安で見つめていると…


「大丈夫、心配するな。王都付近の魔獣はそこまで強くはないから。ミオは、こいつと子供達を安全な教会に連れていくんだ。出来るな?」


身体を少し屈めて視線を合わせ、私にも指示を出してくれる。


「はい、分かりました。テオ…気を付けて…」


「おうっ」と頭をくしゃっとひと撫でして駆けていくテオを見つめた。


「ミオ様…」


「うん、大丈夫だろうけど一緒に安全な教会に戻ろうね」


護衛の人に声を掛けられ、ふと微笑み子供達に言ってきかせる。


教会に到着して、神官様に子供達を渡し様子を伺うと…一人子供が戻ってきていないと言う。先日一緒に鬼ごっこした時に一番元気だったジャンだ。まだ6~7歳位だ、怖くなって動けないのかもしれない。護衛の人と一緒に探し走る。


「ジャン~?」


キョロキョロ辺りを見回しながら足を進める。ある店を通り過ぎる時に声をかけられた。


「孤児院のジャンを探しているの?北の街はずれの薬草取りに行くって会った時に聞いたわよ?まだ帰ってきてないの?北って魔獣出た辺りでしょう、大丈夫かしら」


声を掛けてくれたおばさんの話を聞いて、血の気が引くのを感じる。何も無ければいい…怖くて動けないだけならいい…大丈夫大丈夫。心の中で呟くように北に向けて足を進める。


     ***


街はずれのそこは、街と森を分けるように大きな石垣があったのだろう…すっかり壊され付近の家の柵も壊され事が切れてる魔獣一体と、よく見るとテオと騎士達が象よりも大きな魔獣一体と対峙していた。こんな場面テレビとかでしか見た事がない…こんな事が現実として起こるなんて…どんどん手足から冷たくなって行くのが分かる。

それでも賢明に周りを見回してみると、魔獣から離れた場所にケガをした騎士や街の人達の姿があった。急いで駆け寄り見てみると一際小さな姿を見つけた。


「!?っ」


思わず駆け寄り身体の状態を見る。

孤児院で鬼ごっこして笑ってた欠片も見当たらない、真っ青な血の気が引いた顔をして…肩から胸に掛けて大きく傷ついているジャンの姿だった。


どうしよう…ここは救急車もない…高度の医療が有る訳じゃない…何も出来ない…何も出来る事がない…。異界の乙女と言われても何の力もなく、ただこんな小さな子供の命を見ている事しか出来ないなんて…。


歯を食い縛り、涙が溢れて止まらない。泣いても傷が治る訳じゃない…分かってるのに、涙が止まらない。


((助けたいっ…傷付いた人を助けたいっ…))


流れる涙そのままに、ジャンの小さな手を祈る様に握る。


((女神様…どうか、どうか、いらっしゃるなら…ジャンを助けてっ))


目を閉じ祈っていると自分の胸の奥が熱を持ち溢れる様な感覚を覚える。目を開き自分の胸を見つめながら手を当てる。無意識にその熱を手に集めるような意識を向けると、手のひらに光の粒子の様なものが集まっていく。その光を集めるようにしてジャンにかざすと…光のベールの様な物が現れて、ジャンの傷口を包んでいく。光が一層輝き出すと、ゆっくり傷が癒えていく。呆然と見つめていると、段々光が収まり…頬に赤みがさしたジャンの穏やかな顔があった。


     ***


討伐が終わり傍で様子を見ていたテオが

驚きながらもジャンに近づき様子を見る。

「もう大丈夫、寝ているだけだよ」と私の肩に手を置いた。


皆が正気に戻り「奇跡だっ、奇跡が起きたぞ!」「信じられない…」「『異界の乙女』が降臨された!」と騒ぎ出す。私も自分の手を見つめて呆然としていたが、はっと周りを見回して傷を負った人達の傍にかけよる。


今起きた事のイメージを忘れない様に再現し、同じように傷の治療をしていく。全員の治療を終えた頃には頭がぼーっとし思考が定まらない。治した方々からお礼をいわれ笑顔で答えていたが、ついに足に力が入らなくて崩れそうになるがその前にテオに支えられ、さっと横抱きにされる。


「?!。だっ…大丈夫だからっ…」


「いや、今転びそうになっただろ?初めて力を使ったんだ、きっと身体も気持ちも疲れているだろう。このまま休んでおけ」


と危なげない足取りで、ずんずん馬車が待つであろう場所まで歩き出す。

抱き抱えられたテオの体温と、ゆらゆらと揺れる振動で…疲れ切っていた私はそのまま眠ってしまったのである。



お読み下さり、ありがとうございます!

感想・評価頂けたら励みになるので

どうぞ、よろしくお願いします。

場所は、最新部分の本文・後書きの下にあります。



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