魔神フェルナンデス
ぱちり、と目を覚ましたバスター。
ぱちり、と目を覚ましたバスター。
「……。どうすればいいのかな?デビルメイは悪を尽くして死んでも転生する。際限がない。その一方、デビルメイ八王子は魔神、そう、俺の体【魔神フェルナンデス】の顕現と力を欲してる。そこで思った。俺がフェルナンデスを制御できればデビルメイはおとなしくなるのではないか?と」
開口一番、極論を言うバスターにタッチアップは。
「できるか?」
「多分」
「任せる」
「いいの?」
「ああ」
これは紛れもなく親子の会話。親子という関係は生まれや育ちなどではないのだ。信頼こそ親子関係の芯である。
「じゃあ、まずウンディーネの復活魔法で魔神を起こすけど、イフリートさん、いつでも俺が暴走したら殺してくれて構わない」
「いいのか?」
「でないと多くの被害がでるから」
「わかった」
「ウンディーネプロトコル……。エ・スエム・ク・ラブ(闇の王ここに)」
一方、デビルメイ総本山【ヨミウリキョジングン】城。
「こいつがルージュか……」
「キキー、はい」
「よし、殺せ!」
と、その時!
「ばーか! 私はこっちよー!」「ヤビーばかね! 本物の私はここよ!」「いいえ、私こそルージュよ!」
「どうなってやがる!?」
「キキー、そ、そういえば鉄槌のなんたらって三人が変身できるんでしたーすんません」
「このっ!」
「待て……、この波動は!?」
ドクン、ドクン。と、地鳴りがする。
「我らが王フェルナンデス様では?」
「おお! そうだ!」
「祭壇へ急げ!」
ドドド、デビルメイ達は祭壇へと急ぎ、取り残されたルージュと鉄槌の義賊三人、それと便座カバーではなくヤビー。
「キキー、もういいか、声出せるはずだぜ」
「ぷはー、女の真似は難しいがルージュみたいな男女は意外と楽だったぜ」
「今なんて?」
ニコニコとルージュが問う。
ルージュ達が自由の身となった頃、バスター達は魔神の力の制御について協議していた。と、言うのもバスターが魔神の力を使おうとすると心臓の鼓動がそこではないどこかから聞こえてくるからである。デビルメイ八王子達が向かった祭壇である。そこに【力】は封印されていた。