5話 俺の耳はエルフの耳、宿の店主の耳は?
4話も楽しめましたか?
アトリエノートという設定集も追加しましたのでわからなくなりましたらお読みください。
5話目スタートです
街へ入った月城達は宿を目指していた。
「この街は大きいですね~、エルフに猫耳の獣人、ハンマー持ってるのはドワーフかな」
自分は素直にそう思った。それに対しピカードさんは説明し始めた。
「これでもアルトラッド王国の城下町だからな、どうしても歴史の関係上、よそ者に厳しいところはあるが...」
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鑑定結果
アルトラッド王国
食物資源が豊富であり、国土の5割が農業地帯であり、森や草原など狩りなども活発である。
周りの敵国が穀倉地帯を狙われ、戦争になったため、出自が怪しいものや敵国の兵などに対して厳しく当たる時がある。国民の間はとても仲が良く、団結力が高い。差別意識は低いが他国の事情が入ると、とたんに好戦的になる。
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「ここは王国なのですね、はじめて知りましたよ」
自分はそう話すとアインが質問してくる。
「確か月城は田舎から来たのだっけ?どの辺りから来たんだ?」
「えーと」
転生して草原にいました~なんていえるわけもないしな。
なんて答えようか....
悩んでいるとクロエは急に言い出した。
「月城は耳が特徴的なエルフだから森でしょ?」
「うん?」
聞きなれない言葉が聞こえたが...
自分の耳がエルフ?嫌まさか!?
そう思い、自分の耳を慌てて触るといつもの耳ではなかった。
「えっ嘘、変わってる」
小さく呟きながら自分自身を改めて調べた。
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鑑定結果
名前:月城明人
種族:エルフ
スキル:合成、錬金術、付与魔法、鑑定
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確かに耳なんて見れないから気づかなかったけど。
意識もしてないから余計な鑑定結果が入らないのが仇となった。
「月城?どうしたんだ」
アインは心配そうに声をかける。
「大丈夫だよ。きっと大丈夫だよ!!」
「きっとてなんだ?確かにエルフなら森だな。」
そうアインが笑いながら話をしているとふとピカードさんがいないことに気付いた。
「それよりピカードさんは、どこへ行ったんですが、さっきまでいたと思うんですが....」
自分が質問するとクロエは返してくれた。
「ピカードさんね、今宿に話をつけに行ってるよ、目の前のオブジェ辺りで待っていてだってさ。」
「分かりました。クロエさんありがとうございます。」
「いえいえ、そろそろ戻ってくるんじゃない?ほら」
頭をかきながらピカードさんは戻ってきた。
「いや、悪い待たせた、もう話は取り付けたからいくぞ。傭兵の二人もそこで契約書にサインするから来てくれ」
「宿代は全員すべて持つからな、気にしなくていい」
ピカードさんは言った。
「ふとっぱら~よしこれで宿代は酒代に回せる」
とアインは喜んでいた。
「飲みすぎるんじゃないわよ」
「分かっているて」
「月城いくぞ、俺らは明日以降の働くことについて取り決めなければならないからな」
「はい」
と答えて夜のとばりが迫る中、一行は宿へと向かった。
ピカードさんについていき、本日の宿に到着した。
「スコッティの宿り木?」
「そう、今日がここの宿だ。傭兵の二人は契約書を出してくれサインをする。」
「サインよろしく~」
「明日に傭兵ギルドに持っていくか」
「そうね」
「宿は私の名前をだせば部屋を準備してくれる手はずになってる。」
「はい、わかりました。先に宿で待ってますね。」
「そうしてくれ、俺は宿の裏に回って馬と荷物を片付けてくる。」
ピカードさんはそう言ってその場を離れた。
「とりあえずいきましょ」
「そうだな」
傭兵の2人はドアを開け入っていく。
自分も後から追って入るとそこには。
リスの耳としっぽを生やした獣人がいた。
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6話は明日午前6時に投稿予定です