4話 チャンスは必ずくる。その時は迷わず、馬車に乗れ
3話目も楽しんでいただきありがとうございます。
それでは4話始まりです。
「ふう~ようやくついた。近くで改めてみると城壁は大きいんだな~」
街の入口手前、自分は初めての構造物に感動していた。
「素材は赤茶色だから煉瓦造りかな?となると日本と違って地震の心配はいらないかな」
初めての異世界の街をみて、つい日本と比べてしまった。
そんな時、目の前に門番と思われる30代くらいの兵士が声をかけてきた。
「おいそこのやつ、どこの者だ?」
そう声をかけられるとっさに言葉を返した。
「田舎から来たのですけど、迷ってしまって、街を見かけましたのでこっちへ来ました。」
「田舎?、出稼ぎ労働者か」
「そんなところです。」
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鑑定結果
名前:ダン
状態:月城を疑っている
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笑顔で答えながら内心焦っていた
こういう時て通行するのにお金いるような気がする。
上手く話さないと捕まるぞ
そんなことを思っていたら兵士に慈悲はなかった。
「とりあえず青年、通行税はもらおうか」
「申し訳ないのですが、路銀が無くてですね」
「金がないのか?じゃあ入れることは出来ない、帰れ」
非情な言葉と態度が急に変わった。
「えっ」
「えっじゃない、こっちも忙しいんだ帰った帰った」
そういうと後ろにおいやられ、仕事を全うしに、他の人へと向かっていた。
「もう夕方だけど、これは野宿か?嫌だな~」
夕方の日に照らされ、黄昏ていると、隣で馬車が止まり、声をかけられた。
「そこに立っていると危ないぞ、退いたほうがいい」
声の主は40代後半くらいの男性でそれなりに身なりがよかった。
隣には護衛と思われる30代の男女が二人と馬車には沢山の荷物があり、自分は商人と判断した。
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名前:ピカード
職業:商人
状態:心配してる
名前:アイン
職業:傭兵
状態:変わった目で見ている
名前:クロエ
職業:傭兵
状態:考え事をしている
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「すみませんでした、商人の方ですか?」
謝りながら聞くと相手は答える。
「その通りだ。行商人でね、品をこれから卸に行くんだ」
「そうなんですね、あのお願いしたいことが一つあるのですが」
自分はチャンスはこれしかないと考えた。
「なんだね、話は聞こう」
「あのですね、田舎からこの街へ出稼ぎに着たのですが、路銀がなくて入れないんです」
「もしよろしければ素材の買い取りをしてもらえませんか?」
そう自分が話すと、商人は少し考えながら話を返してきた。
「なるほど、出稼ぎか~いいだろう素材の買い取りは構わない」
「だが、買い取る前に俺の元で働いてみないか?」
その言葉に自分は驚いていた。
まさか雇ってくれるとは思わなかったのだから。
そして商人は話を続ける。
「ちょうど手伝いをしてくれそうな人を探していたのだ、この護衛らは傭兵なのでね」
そうおどけながら答えると護衛の男が話しかけてきた。
「君はラッキーだね、この商人さん...ピカードというんだけど金払いがいいから期待していい」
それに続けて女性も声をかけてくる。
「それは確かだわ。そういえば、君の名前は?」
「私はクロエ、隣の男の傭兵はアインよ、よろしく~」
クロエと呼ばれる女性は明るい人のようだ、アインは親切そうな人だなと思った。
「俺は月城明人、一応錬金術師ではある...半人前だけどね」
「そうか明人というのか、よろしく頼む、私は行商人のピカード」
「ピカードと呼んでくれて構わない」
自分が自己紹介をすると、ピカードという商人が自己紹介をした。
「皆さんよろしくお願いいたします」
そう自分は挨拶するとピカードさんが大きな声でこういった。
「さてそろそろ夜も近づいてきた、中に入って宿をとるぞ」
「そうだね。流石に疲れたよ」
そう言いながらアインは気を抜いていた。
「青年君?今後街や村に入る時は気を付けたほうがいいわよ、よそ者には厳しいからね」
クロエはアドバイスをくれる。
「わざわざ教えていただき、ありがとうございます。」
自分はそう答えると三人は門へ向かい自分も追って、街の中へ入っていた。
お読みいただきありがとうございます。
5話は25日アップ予定です。