2話 異世界の中心で友を叫ぶ
1話目を読んでいただきありがとうございます。
2話目スタートです。
「うんと...ここは」
目が覚めると気持ちがいい風が吹く草原にいた。
とりあえず立ち上がり見渡すと
「本当になにも無いな、草原が広がってるだけだな、バックはどこだ?」
探そうとすると足元に何かが当たった。
「うん?バッグあったあった、よかった〜」
「これがないと不安でしょうがないわ。」
そんなことを思っていると、ある記憶が蘇る。
「お前モノ忘れ過ぎだろ、全く昔から変わらんな。」
ふとよくつるんでいた幼馴染の友人を思い出す。
「絶対あいつがこれ知ったら行きたがるだろうな。」
そんな幼馴染とは昨日あったばかりのせいか、他にも仲のいい友人を思い出す。
「寂しくないと言えばウソではあるがしょうがないか。後親には申し訳ないが許してくれ」
そう思いつつ過去を軽く振り返っていた。
女性?そんなモノ縁はありません。工業大学には女性なんてほぼいないから。
多少嘆く気持ちもありつつも、今後を考え始めた。
「まず自分の状況を確認しなければな、念じればでるんだっけ?」
「オープンザ プライス!!」
しょうもない某鑑定団の真似をすると
「0コール」
頭に急に流れてきた。
「おっ!?ふざけたけど考えてることがニュアンスで結果が出るのかなこれ?」
他にも試してみると
「ステータス!」
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名前 月城 明人
職業 錬金術師
スキル 合成、錬金術、付与魔法、鑑定
状態 ふつう
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「こんな感じに頭に流れるのか、次はカバンだな。」
「カバンは口を開けるか....なにも見えない。」
念じたものを取り出すのかな、試してみよう。
「これかなと....なにこれ?」
取り出してみると手紙?が出てきた。
「ラブレターか?なわけがない、封筒だった。」
「とりあえずあけるか。」
開けてみるとガブリエルからだった。
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月城 明人へ
無事ついたようでなによりだ。足りない補足をこの手紙に書いておく。
まずこの世界にはゲームのようなHP,MPのような概念はない。
血を流し過ぎるともちろん死ぬ。
スキルや魔法は魔力を使うことで使えるが、使いすぎると気絶するから注意が必要だ。
つまり勘で覚えろ。
まずスキルの合成だが素材などを合成することで新しいものが生み出せる。
そのうち新しいスキルも追加するであろうから努力してくれ。
錬金術は釜を使うことで作れるスキルだ。
新しいものを生み出し、発想で作ることが出来る。
付与魔法は使い方が2種類あり、素材や道具には普通は見えないが特性を付与すること。
これらが見えるのは錬金術師のみの特権だ。
だが人も感覚で理解できる。
例えば「この野菜はいつもより大きいかな」と理解できる。
二つ目に道具を使い属性を付与することだ。
火の能力をまとった石を使うことで一時的に属性を付与することが出来る。
鑑定は気づいているだろうが、念じたことが頭に流れてくる。
基本的にどの対象にも使えるが、意識をして鑑定を使わなければ理解できない。
意識しないと結果に不足内容が出るから気を付けてくれ。
相手に使うと名前と職業、状態だけは分かる。
素材や道具に使えば付与魔法で使う特性も理解できるぞ。
最後にアイテム類だ
バッグの中身は素材をいくらでも入れることが出来、なおかつ時間が進まない。
生きてる物は入れることが出来ない。ただ素材として入れるのであれば大丈夫だ。
魚や虫などで突っ込むなよ。倫理的に考えてくれ。
後は武器を入れといた。愛用の杖だから大事にしてくれ。
防具はない。勝手に着てくれ。
武器の強化は錬金術で行えるから、自分で理想の武器を目指せ。
今向いてる方向に3時間程度歩けば町も見えるだろう。
以上だ。
今後に期待する。
審判者ガブリエルより
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読みながら思った。
「ガブリエル手紙長いよ。昔のマニュアルじゃないかと思った。」
「電子説明書はかさばらないし、読みたいところをタッチ一つで簡単に読めたことが幸せに感じてきたよ。」
「ただ手紙を読んだ方角まで把握してるのは流石だわ。」
一通り理解したところで武器をだしてみる。
「杖はこれかな?」
取り出した杖は氷の水晶のような水色をしていた。
大きさは1メートルあるかぐらいで、先端に紫の宝玉なようなものがついている。
「なかなか好みの杖だな〜」
そんなことを思いつつ東へと歩き出した。
「さてお勧めの東へと向かいますか!」
お読みいただきありがとうございました。