1話 戦場の地へはたどり着けない
はじめまして、菊乃明葉と申します。
初投稿ですが頑張っていきます。
ムーンのアトリエ ~Alchemist diary~
はじまりです。
ある寒い日、年末近くの早朝、青年は小さく呟いた。
「もうこんな時間か、電車の始発乗らないと時間が間に合わないからそろそろ行くか」
「さて、飲み物も4本買ったし、先生や他の人らの差し入れ、パン、携帯、工具類など持ったからOKだな、行こう」
「いってきます」
「冬は本当に寒いな〜さて今日一日も頑張ろう」
青年は静かに家を出かけ、呟きながら自転車で駅へと向かう。
早朝の駅には、荷物を持った人らが数十人ぐらいがすでにプラットホームで電車を待っていた。
朝から人がそれなりにいるもんだな、あの若い夫婦と子供は帰省の人だろう。
スーツのサラリーマンもちらほらいるな、年末でもお仕事とはお疲れ様です。
あなた方のおかげで世界は回っています(笑)。
「うん?、あの少年達...」
少し離れたところに少年達3人が何やら騒いでいた。
「今日は同人即売会だぜ、ドキドキしてきた」
「初めてとはいえ早すぎるだろ?イベントはこれからだぜ」
「好きなイラストレーターさんのところいくんだろう?企業ブースは任せておけ」
「企業ブースは頼むよ」
「あの少年らも俺と同じ方向か〜年々若い人が増えてるな」
小さく自分はぼやきながら、話が気になり少年らがいる後ろで待つ。
「お前まだドキドキしてるのか?会場まで大丈夫かよ」
「いや、初めてだし、人混み苦手だし」
「確かに人混みは大変だな、携帯つながらないしはぐれたら大変だな」
「そんな悩んでもしょうがないだろ、事前に時間と地図に待ち合わせ場所も書いてるんだから心配するなって」
俺もそんな時期があったな〜初めての時はカタログの存在も知らずに行ったから大変だったわ。
「まあまあ悩んだって、会場ついたらまた悩むだけだから楽しめよ」
「そうする」
少年たちを見ていると微笑ましくなるな
「♪♪〜♪ まもなく列車が参ります、危ないですから黄色の線までお下がりください」
「おっ来るな、寒いのからやっと解放だ。」
懐かしい気持ちを感じながら自分は呟いてた。
電車の光が見えてきた。
自分の目の前で少年らが携帯をしまおうとした時、少年らの一人が携帯を落とした。
「あっ携帯落ちた」
電車は徐々に近づいてくる。
少年はそれを取ろうとした時、体制を崩してホームに落ちかけた。
「うわっ」
それを見た自分は体と言葉が動いていた。
「おいっ、危ない!」
声を大きく上げながら少年の腕をつかむ、電車はあと数秒でつくところだった。
少年を引っ張った勢いで自分と入れ替わる。
あっこれ死んだな、ハッピーエンドてなかなかないよね。
せめて先生の売り子の仕事が行けなくなることだけは伝えたかったな
そのまま自分は落ちて電車を目の前に意識を失った。
「ううん、とここは?」
「お前は死んだよ、電車に轢かれてな。」
聞いたことがない渋い声に驚き目を覚ます。
目を開けると沢山の本棚とシックな事務机と椅子に座る立派な髭を生やし、葉巻を吸うおじさんがいた。
「おじさん誰だ、あとここはどこ?」
「俺は審判者のガブリエル、ここは全ての人、ひとりひとりの歴史の本がある部屋、それと審判を下す部屋だ」
ぶっきらぼうにそう言われると俺は立ち上がりおじさんを見つめる。
「見つめられても困るんだがな、とりあえず名前と年を教えてくれ」
おじさんに聞かれた自分は急いで答える
「月城 明人、21歳 工業大学三年だ」
答えるとおじさんは本棚へ行き一冊の本を取り出した。
「これだな、月城 明人 21歳 趣味はゲーム、手芸、人間性は社交的...ある意味普通だな」
「普通なのか...まあいいか。」
「ただお前さん軽いドSロングヘア―で縛られてる女...」
「それはいわんでいい!!」
「性癖を恥ずかしがるな、俺は全部知ってるからな諦めろ。」
「なんか複雑だな〜おじさんは好きなプレイあるの?」
「誘導にはかからないからな、俺は天使であるがゆえに性別はない、単純に今日はタバコが吸いたくて、似合う姿を選んだだけだ。」
「ちなみにこのタバコはいつも持ってるラッパの代わりだからな。」
「タバコがラッパて...」
タバコがラッパの代わりとなるとタロットの審判のカードのことか、確かあれの天使のモチーフはガブリエルか。
つまり審判の部屋といってることは正しい感じはするな。
くだらない会話をしているとおじさんは話を切り替えてくる。
「俺はくだらない会話は好きだが、与えられた情報で既に理解してるみたいだから、本題に入るとするか。」
「月城明人、転生しないか?」
「考えが読まれてる!?、それより転生て」
「そのままの意味ださっきの本で特に大きな罪もなく、少年を救ったそれ以上でもそれ以下でもない。」
あいかわらずぶっきらぼうに言われると次の言葉が飛んでくる。
「もし転生するのであれば多少の特典はつけてやろう好きなこといえ、最近流行りの最強だとかチートは許さん。」
「世界はファンタジーだな魔法もあれば獣人やエルフなどもいるぞ」
これはよくある、ラノベなどで出る特典みたいなもんか。チートはダメなんだね。どうするか
そう考えていると。
「最強はダメだ、絶対に堕落するだろう、努力する気持ちなど薄れるだろうしな」
「ある世界に以前、最強に転生させたらハーレムに走り、国がいくつもつぶれ、生態系とこれからの未来さえ破壊した。」
「今は地球でいうところの紀元前であり恐竜いわゆるモンスターが蔓延している世界にまで戻ってしまった。」
なんかすごいこと言ってるな、さてそれじゃあ決めたこれにしよう。
そう思い願いを話した。
「それでは種族は気にしません。後はモノづくりを出来るようなスキルなどでお任せしていいですか?」
ガブリエルは驚いた顔で言った
「それは構わんが、欲がないな、せめて理由を教えてくれ」
「モノづくりは好きなんですよ、あと色々いうと迷惑かけて申し訳ないですし」
自分は本心で返した。
「そこまで思わなくても構わんが、では錬金術師でもやるか?」
「錬金術師?」
「お前の趣味のゲームで、確か、〜アトリエとかいうゲーム、唯一トロフィーコンプリートしてただろ?」
「あ〜、かなり好きなゲームで作るのが楽しくていつの間にかコンプリートしてましたね。」
懐かしく思い出に浸ってるとガブリエルから焦ったように急に言われる。
「申し訳ないがそろそろ時間だ、簡単に必要な知識にまとめとくぞ。」
「職業は錬金術師だ、ステータスは念じれば出る。相手とアイテムなども同様だ。」
「アイテムとしてお前の転生する前のバッグに細工と多少のアイテム、食料などをいれといた。」
「なんか勝手に色々をしてくれるみたいですいません、ありがとうございます。」
お互いに申し訳ない顔をしていると
「気にするな、あとはついてから色々試してみてくれ、人生を楽しんで、またこの部屋で会えることを楽しみにしている。」
「本当に時間がない、よい旅を。」
そういわれると自分は気を失った。
読んでいただきありがとうございます。