表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

差出人は美女

連続投稿4話目



「あ、っきてる!」


数日前まで確かに空っぽだった瓶に手紙が入っていた。



この手紙のやりとりももう何度目か。


ネットで調べたりもしたけどいまだ向こうの書く内容がわからないので、わたしから送ることは季節のこと、料理がうまくできたこと、髪型を変えたこと、お気に入りの映画のこと、…日記のような感じで申し訳ないが、知らない人に何を書けばいいというのだ。


瓶に飛びついてドキドキする胸を落ち着かせながら開くと、また違う、甘い花の香りがした。


「…ってやっぱ読めないか」


相変わらず記号のような文字。

うーん、どこの言葉かもう少し調べてみようかな?


ちなみに、ヒントをくれそうなあの瓶をくれた占い師さんは、どれだけ探しても見つからなかった。


…というわけで、休講で時間ができたため、図書館に来た。

あまり来ないせいか独特な紙の匂いに緊張してしまう。



「えーと言語学…エジプト文字…」


すぐにお目当ての本は見つかったけど、ぶ、分厚い…


歴史やら神聖文字について解説された本を流し読みしただけでわかる。


意味がわからない。

いや、そうでなくて、全然あの手紙の文字と違う。


●と「:と+が組み合わさったような文字とか、全く見当たらない。



その後も、いくつかの言語を当たって見たけどまるでわからなかった。



意気消沈して家路につきローテーブルに手紙を広げる。


「…なんて、書いてあるんだろう。わたしの手紙は読めてるのかな?」



文字が判別できないのでわからないけど、丁寧に書かれている気がする。字が綺麗な…花の香りの手紙の差出人。


儚げなお姉さんを想像してみる。


うん、ありかも。


今更ながら、わたしの中で、手紙の差出人は儚げな美女に決定した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ