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お前を迎えに来たぞ
今日もいつもの平和な1日が訪れるはずだった。
「なんで魔法を使わないんだよ!」
「だから使わないんじゃなくて使えないのよー!」
俺達は家のリビングに出たゴキブリ一匹にドタバタと暴れ回っていた。
その瞬間窓から何かが飛び込んできた。
「よぉ雨村!元気にしてるか?」
そこに現れたのは身長が1mも満たない子供の姿だった。
「誰だ?おま「何しに来たの!」
俺の言葉を遮って叫んだのは雨村だった。
「お前を迎えに来たぞ」
「私は帰らないわ」
「そんなろくに魔法も使えないのにか?」
「いざと言う時には使えるもん!」
そこで俺はこの得体の知れない男に乗っかることにした。
「どうぞ連れて帰ってください!」
「ちょっとなに言ってるのよ!」
「じゃあ遠慮なく連れて帰るわ」
こうして俺の平穏な日々が戻ってくるはずだった…