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色で得意とする武器が決まる

20191003改稿。

 色で得意とする武器が決まる。

 葵色ならば青系。つまり弓を得意とするキャラクターだ。

 もっとも、さっきの戦闘では武器がなかったので殴る蹴るしかできなかったんだけど。

 もしも弓武器があればもっと一方的な戦闘になっていただろう。


 僕が創り出した葵の君が目の前にいる。

 こうして実物を見てしまえば、これ以上しっくりくる葵の君というのは存在しない。これこそ唯一無二、最高レアリティの機巧姫に相応しい。

 思っていたよりも人間的だけど、むしろそれがいいとも言えた。


「ここって――」


 話しかけようとした瞬間、ぴくりと頭の下の太ももが緊張したのがわかった。


「どうしたの?」

「……申し訳ございません。無粋な者が覗いていたものですから」


 動物とか? まさか魔物?

 ゲーム内には魔物討伐のイベントもある。

この世界がゲームと同じならば魔物も存在する可能性は高い。

 だったらこんなところでいつまでも寝転んでいてはまずい。


「くっ……起き上れ……ない……」


 プルプルと腹筋あたりが痙攣をするけど、上体を起こすことすらできなかった。身体の力が思うように入らない。

 熱をもっているのか全身がだるかった。風邪を引いたときの症状に似ている。そう思うと関節も痛いような気がしてきた。


「ご安心ください。なにものが来ようとも主様は必ずお守りいたしますから。それに先ほどの者はすでに離れていったようです」

「そっか。なら……安心なのかな」


 しかし、どうして立てないんだ。そんなに疲れていたっけ?

 この世界にやってくるまでにはいろいろあって、肉体的にも精神的にも疲弊していたのは事実だけど。

 だからって起き上がれないぐらい消耗するなんて経験がない。


 もしかしたら機巧武者になって戦うと体力を著しく消耗するのだろうか。

 あー、うん。ここがゲームをベースにしているのならば、それはありえそうだ。

 ゲームでいえば体力とか魔力とかそういうやつが枯渇した状態だと言えばいいか。

 なにがしか行動をするごとに数値を消費していき、時間が経過することによって回復するアレだ。場合によってはアイテムで回復させることもできる。

 それが機巧武者として戦うことで著しく減少していると考えられないだろうか。


「ゲーム的な疲労まで再現とはよくできてるよな、まったく……」


 連続してプレイしたければ回復アイテムを使用することで行動が可能になるわけだけど、果たして今の僕の場合はどうしたらいいのだろう。

 時間の経過で体力なり魔力なりが回復すれば動けるようになるのなら、このまま寝ていてもいいんだけど。


 課金の導線として疲労回復アイテムの購入はそれなりに太い。

 もっとも、一番課金されるところはランダム型アイテム提供方式――ガチャなんだけど。

 っていうかほぼこれと言っても問題ないレベルだったりする。

 みんな好きだよね。僕も好きだけどさ。


 やっぱり気に入った新しいキャラは誰しも入手したいと思う。それでしか手に入らないのならぶっこむしかない。

 僕は作り手側だけど、そこの気持ちはよくわかる。

 だからこそ魅力的なキャラを毎回投入したいと思っている。それはクリエイターの義務と言ってもいい。


「いっそのこと、これが本当の夢であってくれたらいろいろと楽なのに。僕が不便だと思うところは夢の力で即座に修正が入るみたいな」

「夢ではありません。主様は間違いなくここにいらっしゃるのですから」


 陽だまりのような微笑みを向けられて、自分の頬が熱くなるのがわかった。

 まさか照れているとか? 人形相手に?


 たしかに葵は美人だ。

 人形を美人という表現が適切でないのなら美形だと言い直してもいい。


 すっと刷毛で引いたような優しいラインの眉に、大きな瞳をした目尻が気持ち垂れているようで愛嬌がある。細く通った鼻筋に小さな口。薄めの唇はまるでグロスを塗っているかのように艶があった。

 色鮮やかで様々な模様のついた和服に袴をはいている。

 そのせいでスタイルがよくわからないのが少し残念だ。


「……夢じゃないとして、じゃあ、これからどうしたらいいの?」

「主様の好きなようになさればよろしいかと。どこまでも吾はお付き合いいたします」

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