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Who I am?  作者: エリ美
第一部
7/8

6

あの事件から1ヶ月がたち、情報収集もある程度終わった。私たちは巳波禽みなみとり村からでて、妃羅巳きらみ村へときていた。


「そういえば、多重人格ってことはアルヴィト以外にも人格あるのかな?」

「僕にはイェーガーしかいないけど、どうだろう。アルヴィトさんは高度魔法も使えてたし。」


私が奥に引っ込み、アルヴィトが主導権を握った。それと共に金髪のイェーガーが、顔をだしてきた。


「『いる。この状態になればあと何百人かは。』」

「百単位?!それってアレだろ?“略奪ワスターティオー”ってやつ。」

「『そうだけど?かけようか?』」

「おいおい…。それお前が言うと冗談じゃなくなるぞ…。」

「『冗談じゃない。』」

「おまっ!ヤンデレだとしてもそれはない!」

「『詰まらないやつ。』」


そしてまた表に出される感じがした。イェーガーも光希に戻っている。


「…ははは。」

「“略奪ワスターティオー”かあ。人格を奪うのかな?」

「そうみたいだね。文献には性格、容姿、特性を奪うって書いてあった。」

「奪われた人はどうなるんだろう。」

「自我が、薄くなる。なくなる訳じゃないけど。あとは、副作用で仮死状態に陥る。」

「仮死状態って、死なないの?」

「死ぬ方が多い。」


私はその時初めてアルヴィトに恐怖を覚えた。


『ごめん。』


アルヴィトが謝ったけど、私は何も返事ができなかった。




その夜、私は寝れなくて月を見にテントの外にでた。少し涼んで頭を冷やそうと思ったのだ。しかし、木の辺りに不穏な影が動いた。


「誰?」


その影は少しずつ私に迫ってきていた。その手の辺りにはキラリと光るモノが。私は知らず生唾を飲み込んでしまっていた。その影はどんどん私に近づいてくる。

  

「コウキヲ、イェーガーヲ、カエセ」


金属音を隠そうともしなくなったソレは、機械的な声で言った。


「あなたは巳波禽村の人?」

「…」

「っ!じゃ、じゃあ誰なの?」


何も話そうとしない不気味さと、月明かりで見えるようになった能面のような顔が、私に生理的嫌悪感を与えていた。私は思わず後ずさりをしてしまった。


「ナゼ、ニゲル?」


ソレはもっと近づいてきた。ソレには目がなかった。


「あ…あああ…ああ…いや…。」


私の生理的嫌悪感の我慢の限界を超えた。それと共に私が奥に引っ込まれた。


「『光希は返さない。残念ね。』」

「ニクイ!ニクイ!ニクイ!ニクイ!!愚者イディオ!コロス!コロス!コロス!!」


ソレは短剣を私に向けて走ってきた。


「『破壊デーストルークティオー』」


刹那、ソレは内側・・から爆発した。



「夏希?」


轟音で光希が起きてきた。爆発したソレを見ると目を見張った。


「…アヤメ!アヤメ!」 

「知ってるの?」

「…刺客だよ。巳波禽村の。本名は…光太。」

「まさか…」

「僕の弟だ。」

ここまでお読み頂きありがとうございます。

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