とある少女の望むこと
いなくなるなんて、考えもしなかった。
そこにいるのが当たり前で、側にいてくれなくとも目の届く範囲にはいるものだと思ってた。
けど違った。
見ていたつもりでも、実は全く見えていなかった。
真実を見抜けていなかったのだから。
いなくなるなんて、考えもしなかった。否、考えたくなかった。
そして実際いなくなって気づいた。かけがえのない存在だったことに。嫌いになろうと必死で嘘をついていた自分にも。
遅すぎた。気づくのが遅すぎた。
もっと早く嘘を見抜いていれば、こんな結末を阻止できたかもしれないのに。
もっと早く素直になっていれば、こんな事にはならなかったのに。
後悔しか残ってない。
ねえ、今どこにいるの?
蟠りがあるままじゃいやだよ──。
もしもう一度キミに会えるなら、今度はすぐ側で見てるから。もう反らさないから。
本編に登場するヒロインのうちの誰かの心情です