オープニング
この国はどうなってしまうのだろう?
国の抱える多額の借金、少子高齢化、そして長引く不況。
それらを解消する為、政府は地産地消の推進という大義名分の元、農業や林業といった第一次産業の活性化を推し進めることとなった。
同時に、三世帯以上の家族や、三人以上の子供がいる家庭には「いなか」と呼ばれる地方に無償で家屋を提供するという方策が設けられると、農業や林業の充実化と共に、少子化や独居老人への対策として、この国の根幹を支える事業の一環として浸透していった。
拡大の一途を辿る田畑や水田、「いなか」地方の土地の開拓は相次ぐ森林の伐採を招く事となり、当然エコ社会と呼ばれる現代において多くの人々は非難の声を上げたが、予想以上の事業の成功に、政府は高らかに成果を謳うだけでそれを黙殺する他は無かった。
そんな憂うべき時代に、政府は一つの決断を下した。
この国において、アメリカ合衆国におけるU.F.Oの如き存在、今までひた隠しにしてきた妖怪の存在を公にしたのである。
つまり、森林伐採により住む場所を失った妖怪と人間社会との共存を図ったのだ。
しかし、妖怪の世界にも貧富の差はあった。
そこで政府は、新たな制度を作り出す事となる。
それが、妖怪との共同生活を営む者に給付金を出すという「妖怪給付金制度」である。
これは、その制度利用により、カッパとの共同生活を営む事となった貧乏大学生の恐怖の物語である……。




