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自分史  作者: 暮葉畏啓
有限言社
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付和雷異

誰の目も見ようとしないその真っ暗な瞳に

煌めく太陽の光は入ってこないから

そいつの顔を見ていると今は深夜なのかとか気狂いしてしまう

だから俺はそいつの顔を見ないように過ごしているけれど

そいつは全くそんなことを気にしない

そいつがいつも来ている煤だらけの戦闘服は

旧日本軍が使用していた軍服に似ていたから俺もお揃いにして驚かせようと思ってネットサーフィンして買ってみた

けどそいつの服とはどうも違う


そいつの服は血と鉄の匂いがしていて

表面が煤で覆われているから手にはいつも黒い死んだ蛆虫の殻の粉末みたいな汚れた汚れが手に着くけど

どうも俺のはただのポリエステルのようだわ


そいつがいつも飯を食っているところを俺は見たことがないが

それもそのはず

そいつには舌がないからな

前に見せてもらったら


舌っぽいのは見えたけど、

根本の方だけしかなくて

あとはブツって切られてた


そいつに話を聞いたら

そいつは下を指差した


地の底で毎日理不尽な裁判を意のままにしてる閻魔でとかいう悪魔のことなんかな


よく分からんけど

次の日俺がそいつを見かけることはなかった

だって昨日のうちに俺はそいつに目をつけられて


正しい意味で真っ黒な瞳を見てしまって

本当の世界が深夜のように錯覚して

そのまま段差に気づかないまま

落ちたからな

どっかから

真っ暗でどこでおちたかわからなかったけど

それでいま俺はここにおる年

閻魔とかいう真っ赤な悪魔の御前に


でも二つだけ気づいたことがある

1つ目はさ、地獄にはあいつみたいな鉄と血の臭いが染み付いた服を着てる真っ黒な瞳の怪物が大勢いて、

2つ目は

閻魔を侮辱した文章を書いた奴も見た奴もその怪物に今週中に

エグい目に会うっていうことな


いや知らんかったわ

知らんかったから俺は今から理不尽な暗黒裁判を受けるんだけどさ

まあでもお前も誘えたし一人の心細さはないかもやけどな



ははは

今から来い


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