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「ねえ!ねえってば。早く起きて!」

 その時に何かが私の顔に突いて、冷たくて柔らかい感触がする。

 これは指先の触り心地なのか?次に甘いミルクの匂いがするし。

 目が覚めたときには、彼女の顔を見ることができた。

「あ、6号!」

「正解!よくやったね!」

 意識を取り戻そうと体を動かそうとしたときには、自分の手首に対魔力手錠がしっかりとと締め付けられていることに気づいた。

 でも今足も同じ動けないし。

 しかし6号に対して少し気まずいし。なぜなら、前回会った時はは激しい戦闘だったし、彼女も私を一度殺したから…

 でも、彼女はそんなことを考えていなさそうだった。まだ微笑んでいる。

「後後悔してる?今までのこと、あんたの村…」

 まだ話し終わらないけど、彼女は直接口を挟んだ。

「つまらん」

 彼女は質問に答えないばかりかその問題で態度がかなり悪化したんだ。

 まあ、そうだよね。余計な質問をした。

 でもここはどこ?自分がある実験室にいたことを覚えているけど?

 あ、思い出した、その後不死騎士に薬とかを飲まされて気を失ったんだ。

 ここは監獄みたいだね?

 ハルカはここにいるのかな、全然返事がないし、私たちは繋がりが切れてしまった。

「おい!極寒凍結。ここはお前の担当じゃないだろ、早く帰れ」

 通路から威勢のいい声が聞こえてくる、それに車椅子の金属の擦れる音だ。

 すると顔にイライラが浮かんだ男が現れる。

「レオンスか、本当にそのバカ顔を見たくなかったわよ」

「こっちのセリフだ!」

 レオンスは車椅子に座って、不死騎士に押されて入ってきた。彼は腕に点滴をつけて体も包帯で巻かれているし。

 前回爆発に巻き込まれて死ななかったのは本当に運が良かったな。

「つまらないな、じゃあまたね、レイラちゃん~」

「……」

 6号は可愛い曲を口ずさみながら楽しそうに去っていった、まるで互いに殺し合った敵ではないみたいだ。

「うざい奴がやっと消えた、さあ今度はお前ら二人にしっかり仕返ししてやるぜ!この日をどれだけ待ったと思ってるんだ!今から復讐する!」

 幸い私には解き方がある、前回王宮騎士団に捕まったときからこんな状況を考えていたんだもの。

「わぁー!な、なにが起こった…」

 まだ手錠を外していないのに、不死騎士とレオンスが巨大な雷魔法に電撃した!不死騎士が反応する前に人影が現れて倒したが、隣のレオンスも蹴り飛ばされてしまった。

 その人影がハルカだと気づいたけど、彼女は私を助け出すどころか冷たく見ているだけ。

「私のもの必ず全部を取り戻す、お前の手から奪い返す」

 言って彼女は監獄を出て行ったが、やっと手錠を外したところで、牢房の扉にも手間取った。でも今出て行けばあの子に追いつけるはず!

 牢房の扉を魔法で吹き飛ばして、走り出したときに足を止めてしまった…

 ああ!そうだ、追いついたとしてもどうなる、追いついたら何を言えばいいの?謝る?私のせいじゃないけど……

 彼女の言うとおり、この体は彼女のものだ、というかすべては本物のレイラ・フェリウェムのものだ、私は彼女のものを奪った偽物に過ぎないだけ…

「レイラ・フェリウェム待ってろ……くそ!なんであの使い魔が手錠を外せるんだ…」

「残念だけど私はレイラ・フェリウェムじゃないよ、あの子が本物…」

「はあ?お前の頭はおかしいのか?うわああ!なにするんだ!」

「ここがどこか全然わかりませんから、道とか教えてくれませんか?」

「そ…そこまで…しなくても…」

 感電させておとなしくさせて、今の私は余計な話はしたくないの。

 とにかくレオンスを連れてここから出よう、いや!ここを全部破壊しないとだめだ。

 まあ、あの子のことは後で考えるしかないね。 

 彼の足が不便だから仕方なく自分で押してやって、それに後ろから感電させるのもできるし。

 親切な案内人のおかげでここの不死者の警備に気づかれずに脱出できた、すぐに実験室みたいな場所に着く。

 大きなガラスの壺には魔物がいっぱい入っていて、封印されているみたいだ、ホワイトボードには魔物の製造図があってこの程度の魔法解析式なら読めるけど。

「ええ~ここがあなたたちの研究室か、何をしようとしてるんですか?」

 手を挙げたら彼はすぐに怖がって答える。

「なんでもないさ…ごめんなさい!ここは教団本部がロサナに割り当てた研究室だ、古代の魔物を研究してるだけだ。だって強力な魔物の製造方法も失ってしまったんだから」

「あなたは本当に親切だわね、わざわざこんなことまで教えてくれるなんて、ありがとう、案内人さん~」

「チェ…」

 つまり魔王教の連中も古代の技術を失ってしまって、再び研究と技術再現をしなければならないということか、そう考えると人族と同じだよね。

「じゃあ親しい案内人さん、制御センターとかはどこにあるのですか?」

「そんなに笑わないでよ、怖いから…前にあるさ」

 レオンスが手を石板に置いたら中の石の扉が開いた、もう一人の見覚えのある人影も現れる。

 マカーリオは左手に包帯を巻いている。つまりあの爆発でレオンスの足が不自由になったのと同じでマカーリオの腕も怪我したんだね、この二人意外と丈夫だな…

「おい!レオンス、シフト交代のことまで覚えてたのか?ん⁉お前の後ろにいるやつは⁉」

「おとなしくしろ!」

「うわああ!またこれか!」

 雷魔法の稲妻で制御センターのマカーリオを感電させて倒したが、こいつはその場で気絶しなかった…

 中は第六魔女が作ったのと全然違う、ここは他の誰かが作ったのか?

「ここは第六魔女が作ったのじゃないよ、ここはどこだ?」

「魔王ギヌが作ったダンジョン、人族はまだここを発見してない。まあ、これだけ知ってるけど」

「魔王ギヌ…」

 本によると、魔王ギヌが率いる魔物と魔族はとても強力で、めちゃ先進的な肉体強化技術を持っているという噂があるし。

 まさかここがあの奴が作った場所だとは思わなかった、邪教徒たちの研究基地になるのも納得できる。

「見てみるわ」

 操作のシステムは第六魔女と比べるととても簡素だが、バカにとっては理解しやすい。

 すぐに内部のシステムを解析した、すると監視画面が出てきて、今度は迷宮の内部か?

「ダンジョンなぜかこんなにボロボロなの?ちゃんとメンテナンスしてるの?逃げないで!」

「わああああ!ごめんなさい!」

 レオンスはこっそり逃げようとしたが、私に見つかってしまった。

 彼は電撃のせいでとても疲れている。

「残念だけど…中の魔物は俺たちの制御下にないんだ…奴らはギヌが作ったものだ。それに一部は瘴気で成長したから、全く人を認めないし…そのせいで、俺たちは下に行ってメンテナンスなんて全然できない」

「ええ~、研究室のあの魔物たちはここから捕まえたの?」

「まあ…そうだけど…」

「案内人さんは本当に親切だわね~もう用はないよ~」

「やめろ!わああああああ!!」

 レオンスは地に倒れて完全に横になった。マカーリオと一緒に何かぶつぶつ言っているけど。

 でも、制御室の中は焦げ臭いせいでめちゃ不快。

「あのね、男子たち…焦げ臭いの嫌いですから…」

「「お前のせいだろ!」」

 ダンジョンの中にもカメラが使えるみたいだ。魔力で動く目玉のような監視器。

 フォスタンイーンで見た眼球ロボットに似てるね。

 でもそこで、魔物たちに囲まれたお兄ちゃんとフェリクスと必死に彼らを守っているルーナを見た!

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