表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/159

絶望の島 3

『でも、お前らを竜の餌にするのも悪くないな』


 ロランドは戦力ではないので、仕方なくオエリの後ろに隠れている。

 黄金弓は先手を取って再び竜の目に矢を放つが、紫水晶竜は二度と同じ失敗をせず、その目には硬い紫水晶が覆われていて、魔力矢のダメージを防いだ。

 紫水晶竜は亜竜でありながらトカゲ族に属するが、一般の亜竜と比べて戦闘力はかなり高い。

 それは工場の中に飛び込んで巨大な竜の爪に紫水晶をまとわせて、黄金弓に向かって強烈に叩きつける。

 竜の爪は地面に衝突すると同時に、大量の紫水晶のとげが現れた。

 黄金弓は王宮騎士団の人であるだけに、この程度は避けられる。

 しかし、ロランドとオエリは必死になって工場の中の紫水晶のとげを避けている。


「ロランドさん!」


 オエリはロランドを抱えて工場から飛び出して二人は地面にぶつかってしまうが、攻撃はかわせた。

 しかし、周囲にはアンデッドの気配が増えている。

 そのアンデッドたちは剣と斧を振り回して二人に襲いかかってくる。ロランドは救急箱で斧をかわしながら、オエリに叫ぶ。


「オエリ!助けてくれ!死ぬよ!」

「ロランドさん、少しお待ちください!」

「待てないわよ!もう少しで頭が真っ二つにされちゃう!」


 オエリはアンデッドたちと戦っているが、彼の近接戦闘はあまり得意ではないし、二、三人の低級アンデッドの攻撃に押されて後退してしまって、ロランドを助ける余裕はない。

 そのとき、飛び道具のようなものがアンデッドたちの頭に当たったおかげて何も切れない。

 そのうちにオエリはやっとのことで後退して詠唱を唱えて、周囲のアンデッドたちを風魔法で吹き飛ばして引き裂く。


「あ!モグラさん!本当に助かりました」

「やっぱり死んでなかった、助かったよ~」


 飛び道具がロランドに向かって飛んでくるが、彼女は救急箱でキャッチした!ナイスキャッチ!


「お前の頭が真っ二つにされるべきだぜ」

「あはは……仲間同士じゃないか」

「ふん!お前たちが死んだら、あたしも逃げ出せないしな」


 モグラは全身に大きな怪我はないようだが、腕に少し血が流れているだけだ。ロランドも自分が悪かったと分かっていて、急いでモグラの傷を診てやる。


「触るな!さっき死にそうになったんだぞ、お前のせいでな!」

「だから傷を診てやってるじゃん」


 二人はさっきのことで言い争っているが、普通の人なら今はそんなときではないと分かるだろう。オエリが二人を引き離してやっと口論が止また。

 しかし、工場は崩壊し始めて三人は後退せざるを得ない。

 中に紫水晶竜との戦いはまだ続いているが、ロランドは亜竜は一人では倒せないと分かっている。しかも黄金弓は傷ついている。

 近くのアンデッドの気配はどんどん増えている。四人はすでに包囲されていた。

 上級アンデッドがいつ飛び出してくるか分からない。

 このとき紫水晶竜は黄金弓に尾を振ったが、彼は防御姿勢をとっていたが、力がついていかずに直接吹き飛ばされ、別の建物にぶつかった。

 紫水晶竜はその建物に直接飛び込んで、黄金弓を完全に終わらせようとしたようだ。


「とにかくあの建物に行こう!彼が死んだら、あたしたちも生きられない」


 しかし、アンデッドたちは彼女たちがそう簡単に行かせるつもりはなかった。モグラは仕方なく足元に煙幕弾を使って、三人は必死に建物の中に走っていった。

 オエリはドアを閉めて、名前も知らない機械でドア口をふさぎ、

 あの奴らが入ってくるのを防いだが、それはもう後戻りできないということでもあった。

 紫水晶竜は攻撃を展開することなく黄金弓を見つめているだけ。

 なぜ攻撃を続けなかったのだろうか?

 よく見ると、中はたくさんの機械設備で、アンデッド工員たちは一人ずつ奇妙な機械の中に入っていき、中の魔法陣が一瞬光ると、やつらは黒い灰になって消えていく。

 とても不思議だ。最高点は操作室のようなところだった。


「ここはどこなんですか?なぜ不死者を作っては殺すんの?」

「オエリ、それはいいとして、まずあの竜をなんとかしよう」


 このとき、あの男の声が聞こえる。


「おや、まだ生きているのか。本当に驚いたよ」


 あの奴がみんなの前に現れるまで、彼は操作室の中にいて、そばには四人の大きな不死騎士がいる。

 話す者の顔は人間の男性の外見だったが、身体からは不死者の気配を隠さず、死の匂いをまき散らしていた。

 彼は魔導士の服を着て、メガネをかけて、骸骨の杖を持つ。

 四人はやむを得ずゆっくりと集まって、相手に警戒している。紫水晶竜とこの五人に対処するのは本当に難しい。


「お前ら死んだら、囚人の新しい舌でロサナ様の美足を味わえるんだからよ!あはは」

「……」

「お前ら、なんだその目が!」

「キモい!」

「お前らの魂は私が使わせてもらうぞ!でも、まずは舌は先に抜いておく!」


 その変態アンデッドは魔法で四人の不死騎士を強化し、彼らは今まで以上に強くなった。

 しかし、黄金弓は時間を無駄にしたくなかったようだ。主犯が姿を現したのだから、彼の全身から光が放たれ、顔には奇妙な五本の線が現れる。

 線は竜のように見えるけど、すぐに全身に広がった。

 その変態アンデッドは眉をひそめ、真剣になったようだ。


「竜咒病の持ち主か。ならば、ロサナ様の高級な替え玉にしてやる必要があるな、そうしないともったいない」


 言うと、四人の不死騎士が操作室から飛び出し、ガラスも割れて落ちる。

 黄金弓は弓を出して、不死騎士たちに矢を放った。巨大で強力な金色の光が途中のものをすべて貫いた。しかし、不死騎士たちは避けても、高速で追いついた黄金弓に双刃で攻撃される。

 二人の不死騎士が前後から挟んだが、黄金弓は華麗に跳び上がって避け、回転しながら双刃で不死騎士の頭を切り落とした。

 一瞬で不死騎士たちは視界を失った。

 地面に降りた黄金弓は、あっという間に二人の不死騎士を始末した。

 紫水晶竜は竜爪で攻撃したが、黄金弓の突進を阻止できなかった。

 彼は紫水晶竜ともめるよりも、あの奴のところに行くことを決めた。

 この光景を見て、その変態アンデッドは飛び降りて、黄金弓に魔法をかけたが、すべて素早く避けられた。

 二人の不死騎士が彼を守っても、一瞬で黄金弓は彼の首を切り落とした。頭が地面に落ちても、まだ話せる。


「さすがは竜咒の力だ。でも、ここまでだ」


 彼の体はすぐに不死騎士たちを飲み込み、頭も吸収して一瞬で巨大な双剣を持つ不死騎士に変わった。


「これが愛しいロサナ様から授かった力だ。えっ⁉」


 黄金弓は相手に話す時間を与えず双刃で彼の左腕を切り落とした。彼の右腕は大剣を振り回したが、当たらずに黄金弓に利用された。彼は飛び乗って双刃で彼の両目を突き破った。


「くそっ!卑劣な生き物め!」


 彼の胸から血まみれの腕が出てきて、黄金弓を掴んだが、突然の風刃で切り落とされた。あれはオエリだった。

 黄金弓はその隙に双刃で彼にとどめを刺した。彼は黒い砂になっていく。


「すまん、ロサナ様。お望みに添えなくて……」


 紫水晶竜は頭痛のようにもがきながら、最終的にはここから飛び出した。そのおかげでみんなはほっと息をついた。

 しかし、黄金弓は力尽きて倒れてしまった。三人も駆け寄って様子を見てきた、ただ眠っているだけのようだ。

 ロランドは再び彼に治療を施した。

 モグラは横にある奇妙な機械と魔法陣を見て、何かを思い出したようだが、何も言わなかった。


「どうしたんだ?モグラ、あれは何だ?」

「なんでもないさ……」


 この「旧友」は何かを隠しているか?

 モグラは一瞥しただけで操作室を入って、すぐに解析を始める。やっとこの島の仕組みを理解した。


「お前ら、他にも潜入者がいるのか。どうやら一緒に捕まってるみたいだな」

「じゃ、なぜ彼らを殺さなかったんだ?あのさ、モグラ。お前は何か知ってるだろ」


 モグラはシステムのようなものを操作している。そのシステムはまるで第六魔女が作ったものとそっくりだ。


「ロランド、物事には代償があるんだよ。そうだ、あたしを帰してくれるお礼として、お前らが探してるあの小娘はもう魔王教の奴らに連れ去られたぞ。おまけに、ここには転送門もあるけど、あたしには解析できないぞ。じゃあな、さようなら~」


 そう言って、モグラは操作室を出て、すぐに姿を消してしまった。


「ロランドさん!」


 ロランドは旧友に構わずに状況を確認、それは転送門の起動装置だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ