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フェリクスが入ってきて、後ろに手を振った。うん?どうしたの?外にも人がいるかな?と思ったら、次々と若い顔の人たちがこのぼろぼろの部屋に押し入ってくる。
しかもお兄ちゃんの顔も見えた。あれ?みんなフォスタンイーンの学生なの?
「レイラ、無事でよかった、実はベッドに横になっててもずっと心配してたよ。ちゃんとご飯食べて、ちゃんと寝てるかなとか」
「はああ、私もう子供じゃないんだから……ところで、お兄ちゃん、怪我は治ったの?」
「もう大丈夫だよ。スカエリヤ大使館で寝てるなんて嫌だから、無理して手伝いに来たんだ、それにみんなに申し訳ないから」
「そうなんだ」
突然背中を叩かれた。力の強さからして、あの怪力女しかいない!
「よくやったね、レイラちゃん。フィラ騎士団の奴らをそう簡単に倒したなんて。いや、部下無事で安心したよ」
「ん、ありがとう、ルーナ」
「ふふん~ちゃんと心で覚えておきな」
ルーナはそのままボタンを押して地下室の通路を開けてまるでこの家の主人みたいだ。そのせいでロランドは不機嫌そうに彼女を見ている。
「おい!ルーナ!ここはあたしの家だぞ!何しようとしてるんだ!こんなに人呼び寄せて、バレないと思ってるのか!」
「バレるからこそお前の家に来たんだけど」
「ったく……理不尽過ぎた、気をつけろよ!」
「うるさいな、年取った?」
「口答えするな、ガキめ!あたしまだ若いんだぞ!」
ロランドはルーナに色々言っているけど、効果はなさそうだ。なんかあの二人は長く知り合いだ。
みんなが高級な地下室に入ると、驚きの声が上がる。中にあるものは本当に普通じゃないからだ。
おそらくロランドも自分の家が学生たちの拠点になるとは思ってなかっただろうね。でも彼女はみんなを入れることに反対しなかった。
私の命を救ってくれた人たちだから、お兄ちゃんと一緒に助けてくれた人たちに感謝した。彼らがいなかったらもう死んでいただろう。
ルーナは生徒たちに芸術作品や彫像を一辺に片付けさせ、これにローランドは怒って足を踏み鳴らした……
それだけでなく巧みにロランドの家に黒板を出して、「救出大作戦」と書き始めていた。
その時、みんなが静かになって彼女を見つめる。
チョークの打つ音が絶えず聞こえ、その上にはすでに作戦の要点がいっぱいに書き込まれていた。
「皆さん注意して!情報によると、騎士団は学生たちを全部王都最大の監獄に送り込んだ、しかも先生たちや校長先生は処刑される予定もある。だから私達は二手に分かれて行動しなければならない。一組は校長先生と先生たちを救出し、もう一組は監獄の仲間を救出する。前に話した作戦はそのまま実行するけど、今夜中に監獄の仲間を救出しなければならない」
「え⁉なんでそんなに早いの?もっと偵察してから行動した方がいいんじゃないの?先生たちも監獄にいるはずだ、無茶しすぎるよ」
「いい質問だね、レイラ大将軍!クリリスの情報によると、王都は警備を強化しているぞ、全国の兵士を王都に集めて、彼らが王都に着いたら、仲間を救出するのはほぼ不可能。ああ、レイラ、まだ知らないかもしれないけど、先生たちや校長先生は広場に縛られ、そこは全部王宮騎士団の人だ。明日の昼には魔女を庇った罪人として処刑されると言ってた。だから兵力は監獄ではない広場に集中しているはずだ、それに不意打ちするためにもね。だからこれは時間がなくて無茶するわけじゃない」
カリーナのやつめ、本当に容赦しないわね。これは完全に罠だ、私をおびき出すために先生たちを囮に使ってるんだろう。そうすれば王宮騎士団は兵力を集中して私を包囲できるし、各地の兵士も王都の警備を保証できる。本当に時間がないんだ。
王都で最大の監獄と言えば、有名なフィラ海上監獄だ。そこでは看守が非常に厳しく、しかも大量の弓兵や魔法の罠で有名だ。 そこから脱出した者はいないし、襲撃した者もいない。だから絶望の島と呼ばれている。
お父様は伯爵の身分だから、きっとそこに送られたはずだ。そこには多くの貴族の政治犯がいるからね。
「先生たちを救出する計画はもう準備できたけど、監獄に潜入する計画はまだ決まってないから、始めようか。これは私とみんなで考えた二つの案だよ」
ルーナは監獄に潜入するメンバーに私も含まれていると書いた。しかもロランドもいるなんて……
潜入部隊は僅かな六人、まあ、それも当然だけど。
「まずは監獄の警備力だけど、今のところフィラ第七騎士団が担当してるってことしかわからない。でも監獄は毎日、現地のある運送会社に騎士団に食材や生活必需品を届けてもらってるんだ、その運送会社はバルエント家族が投資してる会社で、潜入しやすいんだ、自分を荷物箱に詰め込んで監獄内部に入ればいい。うん、あとは全部クリリスに任せて。どちらにしても彼女は私よりも内部に潜入する方法や騎士団の人と話すのを知ってるはずだからね。でも念のため言っておくけど、この案はリスクが大きくてすぐに見つかる可能性があるぞ、その時は第七騎士団と直接対決しなきゃならないから、強力な戦力がないと無理だよ」
ええ⁉全部彼女に任せるの?ちょっと無責任じゃない?クリリスは商人の娘で、小さい頃から人付き合いが得意だって聞いたけど、この案は危険だが内部に直接入れるからね。
ん?私はルーナが黒板に海底潜入と書いてるのに気づいた。これは何?
「あの、海底潜入って何?」
「王都最大の監獄は島にあるから、潜水で直接侵入することができるんだ、でも経路については臨機応変に対応しないといけない、海上の警備は強力だけどリスクは小さいいし、それも悪くない提案」
正直、この二つの案はどちらもあまり現実的ではないけど、時間がないから仕方ないよね。
もっと気になるのはルーナたちが先生たちをどうやって救出するってこと。だって、王宮騎士団に直接対峙しないといけないんだから。
突然、一人の生徒が手を挙げて、ルーナは彼に発言をさせた。
「潜水装備はここにあるよ。家から持ってきたんだ」
「よくやった」
彼は潜水装備を取り出した時、多くの人が拍手をする。
ルーナは軽く咳をしてみんなに静かにするように合図した。
「それから、監禁されている生徒たちと潜入部隊を船で迎えに行く担当は?まあ、船ならちょっと問題だね……誰か提供できる人はいないかな?」
「僕が提供するよ。ちょうど大きな漁船があるんだ。上のものを全部降ろせば大丈夫だと思うけど」
別の男子生徒が手を挙げて、みんなまた拍手した。
「確か君は漁師の息子だったよね?本当に大丈夫?」
「ああ、漁船は家にたくさんあるよ、でも変装しないといけないから、少し時間がかかるかも」
「分かった、じゃあ頼むよ。さて!でもこの潜入チームの隊長はまだ決まってないよね、私はレイラを隊長に推薦する。レイラに賛成の人は手を挙げて!」
みんなが私に向かって手を挙げてくれた、本当に感謝してるよ、ここにいるみんなに。
「だから、レイラ、どちらの案にするかは君に任せるよ、早く監禁されている仲間たちを助け出してほしい」
「任せて!絶対にみんなを救い出す!」
「うん、本当に頼むよ」
地下室は広いから会議が終わった後、みんなはここで一休みすることにした。武器や装備の調整もするし、お兄ちゃんはみんなの寝袋を準備してくれる。
ルーナはフェリクスたちと救出作戦のことを話し合っていて、私は自分の役目を果たせばいい。
この機会にロランドのところに行って、彼女がなぜ私たちを協力してくれるのか知りたいし。
「ロランド、あんたなぜ私たちを協力してくれるの?神官だよね、ちょっとまずいではない?それにここの人たちはあんたが必要だろ」
「まあね、確かに神官だけど、それより前にあたしは指名手配犯だぞ、イビリヤス人なのにここに流れ着いて……」
「え⁉もしかして詐欺で?」
「こら!言わせてもらうぜ!本当にさ、ルーナの真似をやめな?ルーナとフランドから邪教徒たちがフォスタンイーンに侵入したことを聞いたんだだけ、中に金髪ツインテールで金色の魔女の印を持つ女の子がいるっていうじゃないか。彼女に興味があって、だからお前たちを協力した」
ああ、フォスタンイーンに侵入した後、みんなでそれぞれの遭遇を話し合ったことがあった。私もルーナが女神の印に目覚めたことを知っていた。
でもロランドがなぜあの幼女体型の魔女候補に興味があるのか分からん。え⁉もしかして⁉
「ロリコン?」
「殺すぞ、ルーナの真似をしたらお前の人生は今後も全部汚点だかりぞ。ただ……」
「ただ?」
「別に……とにかく、魔女の力を使うのはやめとけ。お前も分かってるだろう、それは寿命を消耗させるものだ。そして、あたしもその結果がどうなるか知ってたから、ちゃんと覚えておけ」
彼女はビールを一気に飲み干して、目には言葉にできない感情が浮かんでいる……




