番外 侵入3
灰色の球形ロボットが空からすべてを監視していて、巨大な一つ目があちこちに見回す。
そして、眼球ロボットがフォルタンのそばにやってきた。
魔物とロボットはまだフォスタンイーンの生徒と教師たちを抑え込んでいる。
そしてキュクロープスも目を覚まして戦闘を続けていた。
「レオンス!相手は撤退しているが、なんだかおかしいぞ。慌てて撤退している感じじゃないし。追撃しちゃダメだぞ、きっとたくさんの魔法の罠を仕掛けていた」
「ああ!こんなにひどい目にあっても追えねえのか?今こそ追撃するべきだろう!一気にやっつけるんだぜ」
「はあ……だからあんたはバカなんだよ、本当に何もわかってないんだ。我々の部隊はもう少ないんだ。彼らを抑え込んでいるのも一時的なことだ。あんたもよく知ってるはずだろう、これはすべて6号が目覚めるまで、7号が情報を得る時間稼ぎなんだ。それに私はあんたたちの上官だぞ!従え!」
「チェ、黙れ!6号にやらせるより、自分の手でやり遂げたいんだ」 「ん?待て!レオンス、熱源が近づいてるぞ!」
突然、巨大な光粒子ビームが飛んできて、一瞬で黒い大鳥を溶かしてしまった!2号が事前にフォルタンに知らせてくれたおかげで、面倒なことにならなかった。
しかし、突然の攻撃でサストルが黒い大鳥から落ちてしまった。
「おい!マカーリオ!死ぬな」
フォルタンはゆっくりと降りてきた。地面にサストルが横たわっていて、全身泥だらけで、動かない状態になる。
フォルタンが足で蹴った後にやっと意識が戻った。
「何をやってるんだ!なんで教えてくれなかったんだ!」
「ああ、うるさい。お前が2号の警報を聞かなかっただけだろう」
そのとき、遠くで大きな音がする。それは空気中で刀が焼ける音だったか。
魔法の炎が刀身を巻きつけている。
フランドともう一人のフォスタンイーンの実力派の生徒がキュクロープスの足首を切りつけている。
灼熱で鋭利な斬撃はすぐにキュクロープスの厚い皮膚を切り裂き、足首の筋肉を破壊した。
キュクロープスは立てなくなり、すぐに倒れ込む。しかし、倒れ込んだ場所はまさに2号とあの二人がいる場所だ!
「「嘘だろ⁉」」
キュクロープスの体はあまりにも巨大で、間に合って避けることができない……
大きな振動が響き渡り、その二人はもう下に押し潰されてしまった。
「あんたたち、大丈夫か!おい!早く答えろ!」
眼球ロボットだけが避けて、倒れたキュクロープスに向かって叫びながら、焦りまくって飛び回っている。
「チッ!強化ミーノースたち、早く来て助けろ!」
2号はミーノースを呼びかけた。四匹のミーノースが超高速で2号のそばにやってきた。
そのとき、巨人の体の下から手が伸びてくる。そして、ゆっくりと出てきた。あれはフォルタンだ、しかも彼は気絶したサストルも救い出した。
「ああ!大丈夫だ……良かった」
「どこが良かったんだよ!いてぇし!マカーリオも気絶しちゃったんだぞ!」
フォルタンは2号に向かって大声で文句を言いながら、彼らの災難はまだ終わらないんだぞ。
すぐに彼らは自分たちが巨大な魔法陣に囲まれていることに気づく!そのとき2号は驚いてこの魔法陣が単純ではないことに気づいた。
「やばい!これは!」
「これは何だ?おい!2号!これが何なのか説明しろ」
サストルはそのとき目を覚まして、立ち上がるときに少しフラフラしている。
彼は周りの光景を見て信じられないだろ。
「ん?一体何があった?頭いてぇ……巨人が倒れたのは覚えて……ん?これは何の魔法陣だ?」
オエリは自分の使魔ジャスパーに乗っている。
ジャスパーは白い凶暴な飛竜で、可愛いオエリとは全然違う。
フランドが手を振るのを見てオエリはうなずいて合図した。
そして、ジャスパーが魔法陣に向かって電撃を放つ。
しかし、それはすぐに巨大な連鎖反応を引き起こした。魔法陣全体が巨大な電弧に包まれて、空気が電気分解されてパチパチと音を立てる。
巨大な電圧と電流が魔法陣中で無差別に流れる。サストルとフォルタンと2号はずっと電撃され続けている。
すぐに二人の全身が焦げ黒くなり、髪も黒く爆発した。傍にいるキュクロープスとミーノースはすでに麻痺していた。
しかし、彼らは倒れない。
ん?これはどういうことだ?この電圧なら普通の人間は意識を失ってしまうか死んでしまうはずだが、まさか彼らは電撃に免疫があるのか?
「なめるな!」
フォルタンが生徒たちに向かって大声で叫んだ。そして、必死に立ち直ろうとする。
フォスタンイーンのみんなは驚きとともに尊敬の念を抱く。
眼球ロボットは防電性があるらしく、何事もなかったように元気に飛び回っている。
「くそっ!こんなことをするとは!さあ、やり返してやるぞ!」
「お前の本体は全然電気にやられてないだろ!まあ、いいや。あれを呼べ、ここにあるものは全部ぶっ壊す」
「レオンス、安心しろよ。もうすぐ来るからさ」
2号と彼らは強い先生たちに包囲されていた。先生たちは気絶した魔物たちを処刑していて、今は目の前の惨めな敵に睨みつけている。
そのとき空から巨大な影が降りてきた。その影はどんどん大きくなっていった!
「先生たち、早く逃げてください!」
オエリが最初に気づいて先生たちに叫んだが、もう遅かった。巨大な衝撃波が先生たちを吹き飛ばして、あれはジェットエンジンから出る風だった!
すぐに巨大な機械の足が地面に着地して煙と周りの石を巻き上げて、衝撃波は津波のようにみんなを襲った。
みんな後退せざるを得ない。
フランドが顔を上げて目の前の巨大なロボットに驚いた。それは超大型ロボットだった!ダンジョンで出会った大型ロボットと違って、サイズも武器もグレードアップしていた……
それは赤と銀で交互に織り込まれた金属の鎧で、太陽の下で金属は透明感と明るさを放つ。
巨大な機体は一目で見て、威風堂々とする。太い足部の装甲は地面を踏み砕く。
フォルタンとサストルは超大型ロボットの頭部から光を浴びせられて内部に吸い込まれた!かっこいいなぁ!
彼らはコックピットのような場所に座っていた。下で運転しているのはサストルで、上で武器を操作しているのはフォルタン。
『わははは!くたばれ!!』
超大型ロボットの頭部から声が聞こえてきた。それはフォルタンの声だ。眼球ロボットは超大型ロボットの頭の近くで飛び回っている。
「おいおい!レオンス!ミサイルは節約しろよ、聖女末裔と魔女候補と戦わなきゃならないんだぞ」
『心配するなよ、ちゃんと節約してるさ。だって俺様は勤倹持家のいい男だからな!』
『よし、今こそ復讐のときだ!俺は彼らを踏み潰してやるぜ』
サストルは超大型ロボットを操ってあちこち踏みつけて、建物を一つ一つ潰していく。
すぐにフォルタンは超大型ロボットからミサイルを発射した。ミサイルは飛んでいって周りを火の海になった。
みんなは叫びながら恐怖に逃げる。人によっては叫んでいたり、隅に震えていたりする。
この光景はまるで地獄のようだ……
先生たちや生徒たちの魔法攻撃はロボットに傷をつけることができない。まるで象にハエがぶつかるようなものだ。
フランドは目の前の超大型ロボットに驚く。こんなことになるとは思ってもみなかっただろう。フォルタンは画面の前のフランドに気づいたようだ。
『わははは!やあ、元気か。さっきのミサイルはどうだった?おお!お前を知ってるぞ、金髪のガキ』
「ああ、久しぶりだな、バカモノ」
『すぐにお前を殺してやるぜ!ダンジョンで俺様の計画を邪魔したからな!俺が初めてダンジョンを爆発させようとしたときに邪魔したんだろう』
「お前が三回もやろうとするとは思わなかったよ、だから互角だろう」
眼球ロボットはそのときフランドの上に飛んできて、目からハートマークを出して、彼の周りを飛び回す。
「あんた好きよ、イケメンさん~」
「いや、勘弁してくれよ」
「ねえ!レオンス!彼を傷つけないでね、彼の死体は私が欲しいの!ロサナに頼んで最高のアンデッドにしてもらうぞ!」
「ええ!今の女の子ってこんな感じなの?そんなことしたら俺はトラウマになるよ」
「えへへ~女の子のわがまま許してね~」
しかし、これにフォルタンは不満そうだ。
『おい!2号!黙れ!お前が毎回俺に何をすべきか教えるな!』 「はあ?レオンス!私がいなかったら何もできないくせに!竜の肝と腎臓も持ってないクズ!動くのも私の生命装置に頼ってるくせに、誰が設計して作ったと思ってるんだ?感謝しろよ!バカ!」
『チッ!一番嫌いなところだ、こればっかり言うんだから。お前こそバカだ!』
「お前こそ!バカバカ!大バカ!」
敵同士が喧嘩しているとは、フォスタンイーンのみんなにとっては幸運なことだが、内容にフランドは気になるな。
レオンス・フォルタンは竜の肝と腎臓を持っていたのか?まさか彼は竜族なのか?でもそれはフランドにとってはもう重要ではなかった。
重要なのは目の前の超大型ロボットにどう対処するか……
超大型ロボットは足を上げてすべてを踏み潰そうとする。
『さようなら、金髪のガキ』




