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番外 侵入2

「魔物来たぞ!準備しろ!」


 学生たちは慌てずに、すでに準備万端。

 フランドの作戦は、ディランが使い魔で頑丈な石壁を作って、魔物たちを一つの入り口からしか入れないようにして、教学棟を援護にして魔物の進行を阻止するんだ。それから狭い範囲に閉じ込めて一掃するというものだ。

 教学棟に突入した魔物たちは制限手段で動きを封じられ、その後、二列目の生徒たちが高威力の魔法で攻撃する。

 この作戦はかなり成功したようで、石壁の下にはたくさんの魔物が倒れていた。

 そのせいで入り口には魔物の結晶が散らばっている、でも誰もそれらを拾おうとはしない。


「まるで魔王時代の魔物たちが城を攻めるようだな。歴史再現したんだね」

「フランド、今は感慨に浸るときじゃないだろ。他のクラスはどうなってるかわからないし、特にAクラス」

「俺が様子を見に行ってくるよ。ちょっと待て!代表と呼べ!」

「うるせぇ」


 今この二人もかなり抑えているんだ。普段ならとっくに殴り合っているだろう。


「このままなら、やつらはしばらく入ってこられないだろ。遅かれ早かれ勝利は俺たちのものだ」


 フランドが言い終わると、激しい揺れが伝わってきて、建物全体が揺れて、みんなは強烈な振動に左右に揺さぶられる。その後、大きな爆発音が聞こえてきて、石片が飛び散り、黒煙が立ち上った。


「フランド、やつらはミサイルでここを破壊して出てこさせようとしてる」

「わかってる……でもここから出たら隠れるところがなくなるぞ、これはまずいな」

「突破されるのは時間の問題だ。みんなに先に退避させ……」


 ジャクソンがそう言うと、天井に何かおかしいと気づく。

 彼はフランドを押し倒すと、天井がすぐに崩れ落ちてきた。

 二人が気づくと、巨大な影がみんなを覆っていた。それは茶色の大きな拳。

 拳はすぐに引っ込められ、砕け散った石片だけが残る。ああ、それからみんなの驚きも。


「あれは何だ……」


 フランドは驚きながらこれを見て、地面に座り込んだ。その後、茶色の拳が再びこちらに振り下ろされてくる。一発、また一発と、容赦なくすべてを破壊していった。

 建物の上部が完全に破壊されるまでやめなかった。

 ここにいた全員は石片に当たらないように逃げざるを得ず。それにみんなは巨大な拳で叩き潰されたくないからだ。


「みんな今のうちに逃げろ!」


 ディランはすぐに使い魔のロッキーに新しい石壁を作ってみんなを守った。

 天井がなくなり、空が見えるようになったとき、みんなはそれが巨人だとわかった。

 全身に鎧をまとっていて、それはダンジョンの守護者の一人――キュクロープスだ。ただし、今回は武器は持っていない。

 キュクロープスは轟音を上げて威嚇して、みんなは耳をふさがざるを得ない。だって、鼓膜が破れそうだからだ……

 その後、ジャクソンに向かって拳を振り下ろしたが、デュークに助けられた。デュークは彼を連れて空中で旋回している。

 キュクロープスは両手でジャクソンを掴もうとするが、すべてかわされた。やはり体が大きいキュクロープスは、軽快で素早いデュークには手が触れない。


 この隙に、Bクラスの十数人の学生たちは大魔法陣を準備していた、目の前のキュクロープスを一撃で倒すつもり。

 フランドの合図で、Bクラスの学生たちは雷魔法の電球を一斉にキュクロープスに放って直撃した。

 すぐにキュクロープスは倒れ込み、全身から焦げ臭い匂いがしたが、まだ死んではいない……

 その後、ジャクソンは飛び降りてBクラスの陣地に戻った。Bクラスのみんながキュクロープスをとどめを刺そうとしたとき、不可思議な歌声が聞こえてきた。その歌声のせいでみんなの動きが遅くなり、体が重く感じて魔法が使えなくなる。

 しかし、これはジャクソンにとってあまりにも馴染み深いものだ。


「どうしたんだ……体が重いぞ,まるで縛られてるみたい……」 「フランド,どうやら知り合いに会っちゃったみたいだぜ……」


 その後,速さ抜群のロボットたちが乱入してきて,魔法攻撃をすばやくかわし,それどころか足でBクラスの学生を蹴り倒し,設置されていた陣地を崩した。

 それはライブハウスで出会った戦闘ロボットだったが、外見が少し違った。

 おそらく型番が変わったのだろう。とにかく、Bクラスだけではこの陣地を守りきれない。


 やがて、戦闘ロボットの一体がフランドの前にやってきて、手に持った短刀を弾き出した。デバフによってコントロールされているため、フランドは効果的に抵抗できない。

 その危機的な瞬間、風魔法の斬撃がロボットの頭を切り落とした。

 視界を失った戦闘ロボットは短刀を乱振りし始める。

 フランドはその隙に逃げ出した。

 そのとき、美しい歌声が聞こえてきた。一瞬でBクラスの身にかかっていたデバフを解消した。それだけでなく、みんなの能力も強化される。

 やはり、その歌声は後方の屋上に立っているフェリクスからだ。彼は汗だくになりながらも必死に歌い続けて、みんなに力を与えている。


「アゴスト様!お怪我はありませんか?」

「ああ、あなたはイヴィリヤ伯爵の娘だよね。感謝する」

「いやだわ、感謝なんてしなくていいわよ~」


 Aクラスだけでなく、ほとんどのクラスも駆けつけてきた。先輩たちの攻撃の前に魔物たちは次々と敗れていく。

 やがて、この侵入を撃退して再び陣地を守りきった。今回は先生たちも手助けしてくれてきた。


「お前らは本当に手強いな。北方最優秀の学校に相応しいね。でも、俺らは勝つよ。わははは!わあははは」

「俺たちは復讐に来たんだぜ!それに俺を侮辱したフェリクス・ウルド・フォスコーロ、てめぇも逃げられねえ!あはは」


 爽やかな笑い声が空中に響いている。すぐに誰だか分かった。マカーリオ・アンブロシオ・サストルとレオンス・フォルタンだ。あの二人は黒い大鳥の上に立っていて、その後、サストルは歌い続ける。

 今度は魔物を強化する歌だ。魔物たちはさらに強大になった。

 その後、地面に倒れていたキュクロープスも立ち上がって、大声で咆哮する。

 両方は再び対峙する状況に入る。


 それだけでなく、どんどん戦闘ロボットが集まってきて、魔物と合わせるとここを守るのは難しくなる。

 そのとき、ロッキーが作った頑丈な石壁が四体のミーノースに簡単に壊されてしまった。今回のミーノースは前回よりもずっと強くて巨大だ。

 そこで、フランドはみんなに互いに援護しながら後退するように合図して、Bクラスの負傷者は後方に移されて治療を受ける。

 そのとき、ジャクソンがやってきて彼と合流した。


「おかしくねえか?あの二人は情報部に連れて行かれたはずだろ?どうしてここにいるんだ……」

「フランド、今はそんなことを考えるときじゃない。フェリウェムとレイバウェスはここにいないぞ、あの南方大国の姫もだ。誰かを派遣してあの三人を探さないと。あれは俺たちの最も重要な戦力だぞ」

「そうだな。フェリクスも魔力を消耗してるし、このままじゃここを守れないよね」


 カリーナはずっと慎重にAクラスの後ろについていた。何もトラブルは起こらなかったが、手伝うこともしなかった。彼女とフランドが目を合わせたとき、お互いに気まずく笑った。

 フランドはカリーナのところに行って、Aクラスで起こったことを聞いた後、しばらく考え込んでいる。

 彼はその場でグルグル回ったりため息をついたりする。

 フランドが迷っているのを見て、カリーナは前に出て彼の両手を握る。


「大丈夫よ、フランド。ルーナとレイラは何もないと思うわ。あの二人はフォスタンイーンの一位と二位なんだから、信じてあげなきゃ。今はこの魔物やロボットに対処してみんなを守るべきよ。それに、ここは人手が必要だ」

「そうだけど……」


 ディランはBクラスの負傷者を治療していたが、ちょうどフランドのそばを通りかかるときに彼に呼び止められる。


「あの!お兄さん」


 ディランはフランドを見て、少し驚いた表情をしたが、礼儀正しく手を振る。


「何か用か?フランド」

「お兄さん、俺たちは今の状態ではこれだけの魔物やロボットに勝てない。あの三人が必要だ。俺は彼女たちが邪教徒に分けられて合流できなくなったと思うんだ。お兄さんにルーナたち三人を探してもらえるかな?」

「え!わかった。でも、どうしてお兄さんって呼ぶんだ……」

「そこ気にするか!まあいいや。これを持って行ってくれ」

「これは?」

「じいさんからもらったお守りだ。俺にはもう必要ないし、上に強力な魔法がかかっていて、自分を傷つけから守ってくれる。お兄さんは一人であの三人を探すから何か危険に遭うかもしれないからね」

「でも、こんな大事なもの……」

「持って行てくれ。お兄さんが早くレイラたちを見つけてくれることを願ってるよ。俺もレイラたちが怪我してないか心配だし、でもここは俺が必要だから」

「うん、わかったよ」


 ディランはお守りを握りしめてすぐに現場を離れた。

 フランドは立ち上がって身についたほこりを払って、カリーナのところに行って彼女の頭をなでる。


「さあ、今度は俺たちの反撃のときだ。フォスタンイーンの生徒としての根性を見せてやろうな。みんな!よく聞いてくれ……」

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