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 なんで彼女なんだよ……


「さあ、作戦通りに動こう」


 Aクラスのみんなは教室で防衛線を作り、ここを守る方法を考える。もちろん先生たちも一緒に、罠の作り方を教えてくれる。

 次はみんなで協力して戦うだけだ。こんな規模の侵入に対抗するには、みんなの力を合わせるしかない。

 フェリクスは彼女のそばに立ち、ルーナは計画通りにみんなに指示を出す。すべてが順調に進んでいる。

 彼女のほうが私よりずっと向いているのかもしれない、Aクラスのリーダーになるのは。

 この侵入について、私にはある考えがあって、そこで小走りでルーナを探して、彼女を隠れた角に引っ張って、小声で話した。


「ルーナ、この侵入はきっと私たちのために来たんだ……一網打尽にしようとしている」

「私もそう思っていた。でも邪教の勢力がこんなに大きくなっているとは思わなかった。王宮だけじゃなくて、多くの優秀な教師や天才的な生徒がいるフォスタンイーンまで侵入するなんて……」

「でも今回はしっかり反撃しなきゃだめだよね」

「そうだね」


 しかし敵は私たちに準備する時間をくれない。次々と火球が私たちのいる建物に突入してきて、熱い火球が壁や窓を破壊する。

 みんなは魔法の盾で必死に防いでいる。

 外を見ると、魔物だけじゃなくて、大量のロボットもいるし。あのロボットはダンジョンで見たのと同じで、豪華な魔法鎧や色々な武器を持つ。

 まずい!邪教徒はロボットで私たちの隠れる建物を全部壊そうとしているんだ。一度建物が失われたら、私たちは完全にさらされてしまう、敵の火力が私たちを覆い尽くすだろう。

 今の廊下は火災が起きて、割れた窓や破片があちこちに散らばっていた。人々の叫び声はミサイルや火球にかき消された。


「ルーナ!このままじゃ防衛線どころか、隠れる教室棟さえ……」

「わかってる!」


 仕方なく私は下に行ってロボットを片付けようとしたが、ルーナが飛び降りようとした私を引き止めた。


「あほか!下には魔物の群れがいるんだぞ。あいつらは私たちが下に来るのを待ってるかもしれない」


 その時、特殊なミサイルが飛んできて、さっきのミサイルと違って、これらのミサイルには催眠ガスが入っていた!毒ガスならまだしも、解毒できるけど、催眠ガスなら一口吸ったら完全に抵抗できなくなる。

 すぐに催眠ガスが教室や廊下に充満した。幸いルーナが私のそばで浄化し続けてくれたおかげで、眠ってしまうところだった。

 ミサイルの攻撃がようやく止んだ。と終わったと思ったら、別の攻撃の始まりだ。

 その時私の周りの時空が歪んだ。これは空間魔法か?すぐに私は別の場所に転送された。こんなことは全然予想していなかった……

 邪教徒は準備がしっかりしていた。私たちは完全に受け身の状態だ。


 突然、窓からたくさんの不死暗殺者が飛び込んできて襲いかかってきた!でも簡単に避けた。

 すぐに高速詠唱を使って、光魔法であいつらを縛る。そして炎剣を出して、不死者たちを一人一人斬り殺した。不死暗殺者たちは黒い灰になって廊下に消える。

 これは誰がやったのかもうわかった。あいつの実力とずるさを考えると、これだけじゃないはずだ……

 考えているうちに、急速に近づく強い気配を感じた!背後だ!

 案の定大剣が振り下ろされて私を真っ二つにしようとしたが、事前に準備した光魔法で相手を縛った。

 でもすぐに光魔法の縛りは解かれた。

 壊れた壁から出た煙が視界を遮る。しばらくしてやっと誰が襲ってきたのか見えた。


 煙が晴れると、騎士の格好をした不死者が現れる。さっきの不死暗殺者よりもずっと強そうだ。だって、この奴の魔力反応は目立ちすぎる。

 尖ったトゲがいっぱいついた漆黒の鎧を身にまとい、盾と大剣を持っている。真っ黒な眼窩から赤い光が出ている。あいつは危険だ。

 私も戦闘の準備をした。戦争女神の加護、大地の盾、身体強化、魔力強化、鉄壁、魔力鎧などの強化魔法を使った。


 不死騎士は私に突進してきて、白兵戦になって、一瞬にして火花が散った。

 熱い炎剣が周りの壁を溶かして、お互いの剣風が建物全体に衝撃を与える。

 廊下のガラスは剣風で全部壊れてしまって、衝撃波で建物から飛び出した。そのせいで壁はバラバラになっていた。

 これを払うとしたらどれくらいかかるんだろう?でも払うつもりはないよ。相手のせいだと言えばいいんだから。

 ところで彼は強すぎるんじゃないか?あの好色不死者よりもずっとだ。

 すぐに彼の連続攻撃に耐えきれなくなった。私はルーナみたいに接近戦が得意じゃないんだから。

 彼はチャンスを見て大剣で私を刺そうとして、攻撃を避けるためにバランスを崩した。


「やばい!」


 雷光が降り注いで不死騎士は盾で雷魔法の攻撃を防いだが、数メートル後退させられ。


「ふふ!レイラ、あたしの登場はタイミングよかっただろ」


 この声は誰だかわかる。傲慢で自信満々なクソガキの口調だ。


「グルサン!」


 彼女も戦闘の準備をしていた。今なら私たち二人で協力すれば、この不死騎士はすぐに倒せるはずだ。

 しかし彼女はまず私と一緒にあの不死騎士に向かわなかった。代わりに走ってきて私を抱きしめた。


「褒めて褒めて!」

「あはは、グルサン、よくやったよ……」

「えへへ~」


 不死騎士は再び剣を振り回し、私たち二人に殺気を向ける。冷や汗が出るほどだ。

 不思議なことにあの好色不死者と違って、不死騎士は他の感情がなさそうだ。感情の変化が全然ない。

 こんなことならあの好色不死者のほうがまだましだかもしれないね。

 でも、彼は私を侮辱したけど。今の状況では一つしか対処法がない。


「グルサン、一緒に行こう!」

「うん!行こうぜ、あたしの戦友よ!」


 左右から連携して不死騎士に攻撃を続ける。不死騎士は後退するしかない。

 とはいえ、この奴には隙がないなぁ、防御も完璧で、死角なし。 しかし私たちは彼の実力を過小評価していた。

 不死騎士は距離をとって、とても大きな魔力で赤黒い剣風を作り出して、剣風が通ったところはすべて灰になる。

 グルサンと一緒に魔法の盾を使って強引に防ごうとしたが、簡単に破られてしまった。

 私たちは飛ばされて、廊下のゆかで数十メートル転がった……

 うわあ!痛いよ、全身の骨が痛いし。手を見ると、血だらけだ。やばい、意識もぼやけてきた……

 ん?この血は私のじゃないよね?


「グルサン!大丈夫か!え?」


 グルサンは血を吐いた。やばいこのままだと彼女は死んじゃう!あの不死騎士を無視して、彼女を治療する。


「くそ……油断した……」

「今話すな」


 幸い彼女の体内は軽傷だけど、外傷は今治療する時間がない。

 不死騎士はゆっくりと私たちに近づいてきて、急がなくてもいいという自信に満ちている。

 グルサンを守りながら戦うなんてできないよ。でも一対一なら勝てるかも。

 立ち上がって再び炎剣を使る。この奴を早く倒さなきゃ。


 しかし私の背後にも同じくらい強い不死者の気配が出現した。目の前の不死騎士と同じだ……

 振り返ると、もう一人の不死騎士が私たちの後ろの廊下の奥から現れる。同じようにゆっくりと歩いてきて、手に持つ大剣は不吉な魔力で満ちている……

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