42退院
「レイラ!」
突然、声が私を呼び起こした!急いで起き上がると、周りは病院の病室だった。
「レイラ、本当に良かった」
お兄ちゃんがもう私のそばにいて、私の手をしっかりと握っているのに気づいた。
「お兄ちゃん。もう何もないよ、見て!元気に生きてるじゃない」
「うん、わかってるよ…」
お兄ちゃんはやっと安心した笑顔を見せて、私を抱きしめる。
どれくらい兄妹で抱き合っていたのか分からない。最後に私たちは手を離した。
「お兄ちゃん!どれくらい寝てたの。ルーナは!みんなはどうなったの!」
「みんな大丈夫だよ。それに、君は三日間寝てたんだよ。医者ももう体に大きな問題はないって言ってたし、こんなに元気なら今夜は家に帰れるんじゃないかな」
「そうなの……私も家に帰りたいな、オエリちゃんの作ったご飯をたくさん食べて、リリのマッサージを受けて」
「うん、でも一番感謝すべきはハルカだよ。あの子が最初に君とルーナを治療してくれなかったら、恐らく……」
「うん」
ハルカはもう私の体内に戻っていた。今回は珍しく大人しくしている。もしかしたらこの事件で彼女も成長したのかもしれない。
「実はお父様も一日中君のそばにいてくれたんだよ。それにアゴストやフェリクスやジャクソンたちもみんな君に会いに来てくれたんだ」
「うん」
お兄ちゃんは私の頭を撫でて、目が少し赤くなっているのに気づいた。
泣いたのかな?それとも夜通し私の看病をしてくれたせいかな?
その時、外から誰かが入ってきた。オエリちゃん!彼は私を見るとすぐに泣き出した……
「お嬢様、本当に良かったです……」
「大丈夫だよ!オエリちゃん、もう大丈夫だから」
ああ、彼はもう言葉が出てこないほど泣いてしまっている。今度は私が泣き崩れるオエリちゃんを慰めてあげることになった。
あれ?私が患者じゃなかったっけ?
本当に温かい家族だな、だから私はもう簡単に死ねないんだ。そうしたら彼ら二人に申し訳なさすぎる。もちろんお父様や他の人たちにもね。
オエリちゃんの頭が私の太ももの上に乗っていて、私も彼の髪を撫でて落ち着かせてあげる。
お兄ちゃんはその時立ち上がって私の病室を出て行った。私の退院手続きをしてくれると言っていた。
あの夜の後、みんなはどうなったんだろう。
「オエリちゃん、みんなの様子は知ってる?ルーナとか」
オエリちゃんはやっと気持ちを取り戻して椅子から立ち上がった。
「ああ、レイバウェスさんはお引越しになりましたよ。それと剣術の達人の隠れ家に行ったらしいです」
「え⁉そうなの?」
「僕もディラン様から聞いただけです」
多分同じ聖女末裔である7号があんなに強かいのを見て、落ち着いていられないんだろう。
敵がいつまた襲ってくるか分からないし、でも一人で行動する方が危険だと思うけど。
この事件で邪教の強さを思い知っていた。あの連中は前にダンジョンで出会ったやつらとは違う。
この事件で私も警戒心を持つようになる。まさかルーナはこんな危険な組織に対抗してきたんだから、私は温室の花のように暮らしている……
自分の顔を叩いて、自分を冷静にさせる。本当にこれではダメだ!もうぼんやりと生きていられないわ!
「あ!お嬢様、お弁当を用意しました。忘れるところだった」
「食べる!」
うん、この話は明日にしよう。今日はゆっくり休もう。
「お嬢様、あの、ディラン様はお話ししませんでしたか?」
「え?何のこと?」
オエリちゃんは身から鏡を取り出して私に渡して、これには私も不思議に思って。
「え、どうしたの?なんで鏡をくれるの?自分の可愛い顔が見えなくて心配してくれるから?」
「お嬢様……後でディラン様に言っておきますが、もう少し退院を遅らせてください。もしかしたら脳にまだ検査が必要かもしれません」
「ええ~ひどいよ、オエリちゃん」
オエリちゃんにはどうしようもないな。仕方なく鏡で自分の顔を見てみる。やっぱり前と同じく可愛くて魅力的だ。
「え⁉これは……」
「僕たちもわからないんです、お嬢様が発見された時から、お顔にそれがありました。すぐに消えることもできませんでした。でも医者はそれが魔力の痕跡だと言っていました。時間が経てば消えるかもしれません」
「え、そうなの?」
鏡の中の私はあの夜に見た黒髪の美女とそっくりだ。
私の顔にも彼女と同じ印がついている……
え?これはどういうことだろう?でもいいか、こんな私も神秘的だね!やっぱり飽きないわ、この顔!
「わああ、ソファーが気持ちいいな、病床よりずっといい」
思わず私は甘えてしまった……
こんなに強大な敵に遭遇したのに、しかも顔にこんな印がついたのに、まだこんなに気楽に考えていられるなんて、私は本当に楽観的だな。
この印は魔法で隠せるけど消せないらしい。だから家に帰る前に魔法で印を隠した。
だってこんな顔で学校に行けないでしょ。
家に着くと私は待ちきれずにふかふかのソファーに飛び込んだ。
「お嬢様、寝てる姿が見苦しいですよ」
「自分の家の匂いを感じさせてよ、病院の消毒液の匂いは本当に嫌だったんだから」
「はは、分かりますよ」
オエリちゃんは飲み物を持ってきてくれた。これでやっとゆっくり休める。
その時、ドアベルが鳴った。ソファーでぐったりしていた私は仕方なく起き上がってドアを開けた。
「レイラちゃん良かった、みんな心配してたよ」
「レイラ、体はどう?」
ドアの前に立っているのはフェリクスとフランドだ。後ろにはシスネロスとルーナもいる。
みんな来てくれたんだ。驚いたけど、すぐに道を開けてみんなを中に入れる。
「レイラ。私も会いに来たよ」
「あ!カリーナ!」
馴染みのある声と馴染みのある姿。
私の本当の姉妹――カリーナだ。
カリーナのそばには背が高くて成熟した、真っ黒なワンピースを着た女性がいる。
王宮で彼女を見たことがある。彼女は私たちの国の情報官で、前にグルサンと衝突した理由を尋問してきた人だった。
「こんにちは、フェリウェムさん。退院したばかりで申し訳ありません。カリーナ様からお招きを受けてお邪魔しました。同時に情報部からも皆さんと話し合うことがあります」
そして彼女は帽子を脱いで私に敬礼する。




