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31舞踏会の招待状とダンジョンの所有者

 キャンプファイヤーはオエリちゃんと踊った後、それ以上は何もなかった。 なぜなら、お父様が今日帰ってくるから、遅く帰ると叱られるだろう。

 その後、私とオエリちゃんは家に帰ったが、庭園の門にはもう一台の馬車が止まっていた。

 えっ⁉これはお父様の馬車じゃないか?もしかしてもう帰ってきたのか?


「お嬢様、旦那様がお帰りになりましたよ」

「そうみたいね」


 やばい!お父様はきっと学校からの処分通知書を受け取ったに違いない。この数ヶ月の小遣い、さようなら……

 ドキドキしながら家の中に入ると、リリを含め数十人の使用人が二列に並んで立っていた。


「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」


 この大げさな身構え、間違いなくお父様がわざわざ用意したものだ。でも何で毎回こんなに派手なんだろう……

 オエリちゃんも慌てて列に加わったが、まだビールガールの服を着ている。

 メイド長のリリが近づいてきて、左手で私に客間へ行くように合図した。やっぱりお父様はもうソファーに座っている。


「レイラか。受け取ったよ。学校からの通知書」


 お父様はソファーに座って、手に処分通知書と施設損壊報告書を持っている。

 ゆっくりとお父様の前まで歩いて行き、苦笑しながら淑女らしい作法で挨拶する。


「あはは……すみません、お父様。あれですね。学校を爆発させちゃったんです」


 お父様はその二枚の書類を置いて立ち上がり、真剣な顔で私に近づいてきた。私の心臓ももう限界だ!

 しかし、お父様は両手で私の肩を押さえて、突然大声で笑い出して、涙が出るほど笑っている。


「ははは!お前は学校を爆発させたというのか。しかもあのフォスタンイーンだぞ。でもこれこそが俺の娘だ!これから友達と話す時に、これを自慢できる。あ!そうだ、この町中に俺の娘がどれだけすごいか知らせなくちゃな」


 ええ⁉お父様何をするつもり?こんなこと町中に知られる必要なんてないでしょ……

 まあ、お父様は家族の名声なんて気にしないし、むしろ面白がってるみたいだけど。


「あのですね、お父様、これは別に自慢するようなことじゃないと思うんですけど。それに町中に知らせる必要なんてないでしょ」

「ん?俺の娘がこんなに優秀なのに、父親として自慢しないでどうする?」

「お父様……」


 嬉しいとは言え、立派な淑女としての面目は保てなくなっちゃうなぁ。


「遠出して、娘の温もりや匂いを感じられなかったからな」

「お父様、その言い方は気持ち悪いですよ」

「あはは!そうか?じゃあこい、俺の娘よ」


 お父様は両腕を広げて、私と抱き合おうとした。しょうがないね、こんな父親。

 嬉しくてお父様の胸に飛び込んだ。お父様も私を抱きしめて何回も回る。私たち親子は回りながら笑っている。

 他人から見たら滑稽だろうけど、そう、私とお父様の仲は意外と良いのだ。その後、お父様は私を降ろして再び座った。


「でも……」

「どうしたんですか?お父様」

「三ヶ月分のお小遣いはくれないよ」

「え!そうなんですか」


 やっぱりこうなるんだ。もうお父様なんて信じない!ふん!大嫌い!

 その時玄関のドアが開く音がした。間違いなくお兄ちゃんが帰ってきたんだろう。


「お父様、お帰りになりましたか」

「ああ、ディランよ。おかえり」


 お兄ちゃんも私に笑顔で挨拶してくれた。その後お父様は服を整えて再び座った。


「ちょうどいいところで、二人に話があるんだ」

「「え?」」


 私とお兄ちゃんは顔を見合わせて、戸惑った。


「王宮で舞踏会が開かれるんだが、その時に国王がお前のスクリンでの英雄的行為を表彰するんだ。お前たち兄妹は夜会服を用意して、あとは社交ダンスの練習もしっかりやっておけ。重要な客人が来るからな。わかったか?」

「「重要な客人」」

「南方大国のカンが一人の姫を送ってくる。ちゃんと対応しないと、面倒なことになるぞ」

「カンの娘か……」


 私たち北方には元々七つの国があったけど、遊牧大帝国クイリザル・カン国の侵攻によって北方の国は四つしか残らない。

 私が住むオランスド帝国、フェリクスの国スカエリヤ帝国、それからサリック・カン国とイビリヤス帝国。

 だから残った北方の国々は軍事同盟を結んで、一国が攻撃されたら全ての国が攻撃されたものとみなすことにした。前回の大戦で北方連合が勝利したおかげで、南方大国は和平条約を結んで戦争を終わらせた。

 クイリザル・カン国の姫がわが国に舞踏会に来るなんて、お父様の言うとおり、ちゃんと対応しないと外交問題になっちゃうよね……


「安心してください、お父様。私たちはこの舞踏会をきちんとこなします」

「それは良かった。普段は好きにやってもいいけど、舞踏会ではやらかさないでね。今回は冗談じゃ済まないから」

「お父様、私を信用してないんですか……」

「そんなことないよ。私の大切な娘だから」


 やっぱりお父様は全然信用してないんだ。


「ディラン、今回はレイラの面倒をよく見ておくんだぞ。また暴走しないように」

「はい、お父様」


 お兄ちゃんは口元を隠して笑ってる。ああ、お兄ちゃんまで… お父様の顔が少し真剣になって、兄妹に語りかけた。


「聞いたことがあるかもしれないが、クイリザル・カン国には二人の姫がいるんだ。彼女たちは気性が荒くて、口が悪くて、暴力好きだという噂がある。お前らもし出会ったらまず丁寧に挨拶して、怒らせないようにすること……もちろん、会わない方がいいけどね」

「お父様、もう子供じゃありませんから、上手く対処できますよ。ね?レイラ」

「うんうん、お兄ちゃんの言う通りです」


 でも私も南方の大国の姫に挑発されたくないよ…… 戦争だって冗談じゃないもの。

 翌日学校に行ってからまた秘密会の部室に向かう。


「おお!ようこそようこそ、レイラちゃん。さあ座って」


 フェリクスはもう椅子に座ってて、みんなにお菓子を勧めてた。

 まさかフェリクス本当に美しく優しい聖女様が世界を救うために正義の仲間たちを集めて邪教徒を倒す大会に参加するとは思わなかったよ。


「ありがとう、フェリクス兄ちゃん」


 ポテトチップス意外と美味しいよ、さっぱりしたキュウリ味だね。


「おはよう、みんな来てたんだね」

「フランド君!おはよう」

「おはよう、フェリクス」


 フランドもコートを脱いでポテトチップスを食べ始めたけど、一口食べて止まった。


「何でキュウリ味なんだよ……ったく。あ!そうだ!レイラ。解析終わった?」

「終わったよ。意外と簡単だけど」

「え……そうなんだ。じゃあ中身は何?」

「中身は戦闘用ロボットの設計図だよ。あのダンジョンで出会ったあのロボット達の」

「なるほど。レオンス・フォルタンが欲しがってたのはこれか」


 私は元々現代人だし、しかもコンピュータ科学の卒業生だから、このくらいの魔法ロックは簡単だよ。

 それで私は変な三角錐を持ち上げてテーブルに置いて、少し魔力を三角錐に注入した。

 すぐに三角錐が光り始めて、上に動画が映し出された。


『ヤホー!これを見てる人はすごいんだね。第六魔女がかけた魔法ロックを解析できるなんてさすがだよ~残念だけど、これは戦闘用ロボットの設計図だけだよ。あ!そうそう!オイスムちゃんには内緒だね、私が彼女のケーキを食べちゃったんだ。へへ~』


 そう言って動画も消えた。

 あの二人は呆然としている。まあ、私も最初見た時はそうだったけど。

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