28本当の悪役令嬢を見せる時だ
東区は政府庁舎の所在地でもあり、王女カリーナに会えるのも当然のことだった。秘密会の二人を除いて。
街には露店とかが並び始めていた。故郷は壊されでも生活は続かなければならない。
ルーナは手伝いに来たわけではなく、フランドのプレゼントボックスを持って行ってから姿を消した。だから彼女はここに何をしに来たの?
それはそれとして、今の私は公爵の息子フランド・アゴストと一緒に街を歩いている!
復興の担当者が私たちに慰め品を買ってくるように頼んだのだけど、これってデートじゃないの?
それはありえない!二人とも作業服を着ていて全身が汚れているし、どう見てもそんな関係じゃない……
しかし……フランド本当に素敵ね。よく見ると、作業服を着て汗をかいている彼はちょっとセクシーに見える……
わぁ!待って!私は痴女なの?私は淑女だよ!そうだ、私は淑女だ。頭を軽く叩いて自分を正気に戻す。
「ええと、何してんの……」
「淑女としての品を失わないように自分に気づかせてる」
「へええ~」
フランドはその時止まって、彼はもう私の後ろにいた。
そして力強く私の両肩を掴んで、顔をゆっくりと私の首に近づけた。
彼の息遣いは荒くてセクシー!
な、なに!彼は何をしようとしてるの⁉こんなところで……
「行き過ぎたよ、淑女さん」
「ええ⁉」
私たちの目的地、臨時物資調達センター。周りを見ると、行き過ぎてしまったことに気づいた。
身をひるがえしてフランドを慌てて押しのけて、彼とは一定の距離を保つ。やっぱりこの男は危険すぎる。
「ご、ごめんなさい、気づかなかった」
「かまわない」
だって、私の心にはフェリクスとお兄ちゃんの二人しかいない。
まだこの男に気をつけないといけない、ちょっと油断したら本当に好きになってしまうかもしれない。
「いらっしゃいませ、こんにちは。こちらは最新の商品ばかりです〜あ!あそこに置いてあるのは商品じゃなくて救援物資ですよ」
それは女性の店員で、入ってすぐにとても熱心に歓迎してくれた。私も持っていたリストを彼女に見せる。
「ああ、わかりました。リストに書いてあるものをお願いできますか」
「はい、かしこまりました!」
彼女はすばやくリストのものを取り出して、一つ一つ数えてくれて、責任感のある人だね。
「はい、これでリスト内のものは全部です。他に何か必要なものはありますか?」
「いえ、もう大丈夫です」
女性の店員さんは私たち二人を見て、口元が突然上がっている。
「ええ~~二人ともカップルですか?素敵ですね、こんなにイケメンな彼氏さん」
「え⁉違いますよ」
「へえ~そうなんですか」
カップルみたいですか?嫌だな~そんなこと言われて恥ずかしいし、でも、フランドは何も言わなくて、私を見ているだけだ。
え!もしかして私のこと好き?まあ、今の私はすごく優秀だからありえなくもないけど。
まあ、よく考えると、このような状況はありえないと思うけど。
それから女性の店員さんはピンク色のポーションを取り出した。
それは何?え!もしかして媚薬とか?それは違法なものじゃない?
「ああ、勘違いしないでください。これは避妊用のもので、絶対に媚薬じゃありませんよ。心配しないで」
「「そんなもの要りません!」」
信じられないよ!この店員さんはあ、あまりにも大胆すぎる……
そういうことは徐々に感情を培っていく必要があるよ。最初は手を握ることから始めて、後はキスをして……そ、それからあのようなことをすることができるのよ。
淑女として、フェリウェム家に恥をかかせるようなことは絶対にできない。
店員さんは自分が何か間違えたことに気づいたようで、私たちに一礼した。
「ああ、本当に申し訳ありません。今晩11時にはキャンプファイヤーがあるので、多くの若者たちはストレス発散したいと思うかもしれませんし、それで地元政府は避妊薬とかを提供することになりました。心配しないで、これは無料ですよ〜」
「「人の話を聞け!」」
その後フランドが私のためにたくさんのものを持ってくれた。私たちはとても気まずく臨時物資調達センターを出た。
まったく、政府は若者を何だと思ってるんだ!結局私は仕方なく受け取ってしまった。手に持っているピンク色のポーションは、午後の日差しの下でキラキラと輝いて、とてもきれいなピンク色。
避妊ポーションじゃなかったらいいのに。
今はフランドの顔を見るのも恥ずかしい。フランドの反応をちらっと見ようとしたけど、彼は私の視線に気づいて、顔を赤くしてそらした。
こっちも気まずいけど。前世では一度も経験したことがないから。
私たちは臨時の風呂場でお風呂に入ってから、スクリン市東区に再建された服屋に向かう。
官員から幼稚園で演技をするように言われたから。でも私は何を演じればいいか全然考えてなかった!
不安そうに服屋の中を歩き回っている。フランドが私の肩を叩いてきた。
「そうだ、お前にプレゼントがあるんだ。お前はまだ秘密会のメンバーじゃないのに、あのものを解くように頼んだからね。だからこれは報酬ということで」
「では、お言葉に甘えて受け取らせていただきます」
それから彼はルーナと同じようなプレゼント箱を私に渡した。私は早く開けたくて仕方なかった——中にはクラウンの衣装が入っていた……
「貴様!」
「やめろ……殴るな。胸いてぇ!」
結局仕方なく着ることにした……
鏡の前に立って、フランドがくれたクラウンの衣装を着てみると、意外と似合ってるみたい。
赤白の服に、赤いつけ鼻、大げさな帽子。
「ぷっ!」
思わず笑ってしまった。鏡の中の自分は滑稽で、子供たちはどう思うだろう。
フランドは自分もクラウンの衣装を着ると言ってたけど、私は絶対に信じなかった。きっと私をからかおうとしてるんだろう。
「レイラ、着替え終わった?」
「うん」
試着室から出ると、フランドが目に入った。まさか彼も本当にクラウンの衣装を着てる!私たちは互いを見て笑ってしまった。
ええ~フランドも本当に着てるなんて、さっきまで彼が私をからかおうとしてると思ってたのに。
でも彼は本当に魅力的だな、全然クラウンっぽくない。
「フランド、お前はクラウン感が全然ないよ、こんなに品があるクラウンなんているわけないよ」
「いや、レイラこそ、もっと可愛くなっちゃったよ」
「え⁉ええ……そうかな、ありがとう」
彼がこんなに恥ずかしいことを言ってくれるなんて、私の顔はきっと真っ赤だろう……
やっと幼稚園に着いた。女性の先生たちも出てきて私たちを迎えてくれる。
「あなたたちは政府から来た芸人さんですね、ここでは大歓迎ですよ」
ところが、私は自分が全然歓迎されていないと感じた、なぜなら先生たちはみんなフランドの周りに集まって、私は彼女たちに押し出されてしまった。
「クラウンさんはとてもハンサムですね、彼女はいますか?」
「終わった後、ちょっと話せますか?」
「キャンプファイヤーに女性の相手はいるの?」
フランドは囲まれてしまった、ここの女性の先生たちはみんな若くて、ずっと子供たちと一緒にいるから、若くてイケメンはいないんだ、そしてこんなに素敵な男性はもちろん見逃せないだろう。
「ああ、すみませんね、俺には彼女がいますよ、同伴者の方です」
「ええ⁉私の方が魅力的じゃないですか!」
「ああ、もう彼女がいるんだ……残念だけど、あの娘に何がいいんですか?」
「ええ……本当に残念ですね」
私も分かっている、あれはフランドが先生たちから逃れるための言い訳に過ぎないということだ。だから全然気にしない。
でも……どうして私をそんな風に言うの!本当にひどい!だめだ、悪役令嬢として私はこの屈辱に耐えられないわ!それで人混みの中に再び押し入って、フランドの手首を抱きしめて、先生たちに宣戦布告する。
「おうほほほ、あんたたちの悔しい顔は本当に見苦しいわね、皆さん。でもまあ、あんたたちはただ道端の緑の葉っぱに過ぎないのだから、私という花を引き立てる役割を果たしてくれているのよ!」
「何を言っているのよ!」
「本当に傲慢な娘だね……」
「今の若い人は礼儀を知らないのね!」
ふんふん〜先生たちは私に怒ってるわ、でもこの感じが最高よね。悪役令嬢らしくて。
でも、これから子供たちに芸能をするんだけど、この状況ではどうすればいいのかしら?
フランドを見て、目で合図して、今の状況を解決してくれるように頼んだ……
フランドは私の意思を理解したようで、ため息をつく。
「ごめんね、俺の彼女が悪いことを言ってしまったので、代わりに謝ります。本当にすみませんでした」
でも先生たちはかえってもっと怒ったようだった。え⁉どうして?
「あなたは何も悪くないのに、なぜ謝るの!」
「そうよ」
いけない、状況がさらに悪化した……
どうしよう!子供たちは待ってるんだよ、ごめんね、子供たち、全部私のせいだ、我慢すればよかったのに……
「私はもう謝りましたし、先生方も私の彼女に謝ってください。さっきは私の彼女を侮辱したんですから、このままでは済ませられません」
フランドの目つきがとても強くなった。とても気迫があって、人をひるませる。
先生たちは引き下がって何歩か下がった。互いに顔を見合わせて、困った様子だ。多分フランドがこうするとは思わなかったんだろう。
フランドのこの勢いに、先生たちは私に頭を下げて謝った。わあ!フランドってすごいわね。
でも、先生たちの目はフランドに対してもっと好意的になったようだ……
え⁉それはどうしてだろう。
「すみませんね、クラウンさん、さあ!こちらへどうぞ、子供たちは待ってますよ」
意外と先生たちは丁寧に話し始めて、本題に入った。
どうして最初からそうしなかったんだろう?
フランドに解決してくれたことに感謝した。本当に大変助かったよ。
「ありがとう、フランド。さっきなかったら、子供たちは芸能を見られなかっただろうから」
でも、フランドは私の頭を叩いてきた。
「痛い!何をするの!」
「バカ〜彼氏じゃん」




