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22チートみたいな戦闘力、まさか転生者?

「ハルカちょっと嫌だよ…」

「わかるよ、ハルカ」


 そう、ゲームのヒロインみたいに、攻略対象のキャラたちが集まって、まるで花に群がる蜜蜂みたいだ。

 その後お兄ちゃんは彼女を背負って一行はダンジョンの奥へと進んでいった。

 でも私はもう立派な大人だよ。身体の年齢は14歳だけど、心の年齢はとっくに30歳を超えてる。だって二つの全く違う人生を経験したんだもの。

 それで私は確かにもっと成熟して落ち着いてる。そう、こんな程度じゃ私の心を乱すことはないよ。


「ハルカ、後でダンジョンのモンスターとかを出しておいてね」

「ハルカ、了解した!」


 そう、私は冷静だよ、冷静だよ。

 あとで魔物たちの攻撃対象を設定して、できるだけお兄ちゃんたちを攻撃しないようにするだけ。

 ごめんね、あなたが何か聖女の末裔でも、ヒロインでも、私にとってはお兄ちゃんとフェリクスが一番大切な人なんだ。他の人に邪魔されたくないから。

 魔物たちの攻撃対象を設定し終えて、ハルカに罠のスイッチを任せた。

 これは私たち二人が初めてこんなに協力したことだ。思えば私たち二人を密接に結びつけたのは共通の敵だとは……


 -画面の中の光景-


『これからピラミッドの中心に行くんだ。やつらが一体何を企んでるか見てみよう』

『ジャクソンの言う通りだね。僕とルーナもそこに行くつもりだったんだ。ねえ、ルーナ、ん?ルーナ?』


 あの女はまさか幸せそうにお兄ちゃんの肩に頭を乗せてるの?

 しかもお兄ちゃんの匂いを嗅いでるなんて!許せない!こんな恥知らずなこと……

 いかんいかん!私の考えがどんどん極端になってる。怒りに任せて、彼らをどうやって引き離すか忘れちゃった。

 淑女としては、風格と冷静さを保つことが必要だよね。まずダンジョンにいる少し強い魔物を数匹出して、彼らを分断しよう。


「ハルカはあの女を火で焼いてやりたい……」

「分かってるけど、私たちは立派な淑女だからね。そのことは後で考えよう」


 すぐに彼ら四人は大扉に入ってしまった。大扉は闘技場へと続く場所だけど、そこはもう私が制圧してしまったから、道中の罠や魔物に頼るしかない。

 でも、魔物たちはやっぱり弱すぎる。シスネロス一人で全部倒せちゃうし、罠も簡単で、一目で見破れる……

 犬くらいの大きさのクモや石像の魔物じゃ彼らを止められないよ、やっぱりもっと強い魔物が必要だ。

 でも、強い魔物はもう私が倒しちゃったんだよね、どうしようかな? 思いついた!

 ロボットがいるじゃない。なぜかシステムはロボットたちをピラミッドの中に入れないけど、制限を解除すればいいんだ。

 すぐに制限を解除して、ロボットたちに闘技場に向かうように命令する。


「おうほほほ、これからはとても楽しみですわね、ルーナ・ルーナ、おうほほほ」

「お前ますます変になっていると思う……」


 あらかじめ闘技場の扉を開けておいて、彼らが入りやすくした。フェリクスは先に闘技場に入って、興奮している。


 -画面の中の光景-


『おおおお~すごいな、ここは。でもなんで焦げ臭いんだろう?』

『フェリクス、油断しないで!ここは戦闘があった跡だぞ。おそらく強い魔物がいるかもしれない』


 シスネロスは相変わらず警戒していた。でもここの魔物はもう私が倒しちゃったんだ。残ってるのはただの好色不死者の騎士だけ。


『ん?みんな何か音がしないか?この音、すごく聞き覚えがあるんだけど…』

『フェリクス、あれが何かわかるよ…みんな戦闘態勢に入れ!』 シスネロスは剣で入り口の大扉を向けた。あの女もやっとお兄ちゃんの体から離れた。みんな警戒していた。

『侵入者発見!速やかに排除する!』


 ロボットたちが警報音を鳴らした。

 闘技場に10体のロボットを送り込んだ。この数なら十分だろう。


『くそっ!この数だと……ディラン、俺たちは先頭に出る。フェリクス君は援護してくれ。ルーナさん、戦えないなら先に退避してください』

『特別な対象を発見!目標は、強制的に服を脱がせる必要がある!』


 ロボットたちはあの女をじっと見つめ、他の人々は困惑の表情を浮かべている。


『え?これは一体どういうことなの?ちょっと下品な感じがするよね』


 フェリクスはルーナ・ルーナをちらっと見て、すぐに他の方を見た。

 わざとロボットたちに危険すぎる攻撃をしないように命令した。彼ら三人が疲れ果てて倒れるだけでいいんだ。ルーナ・ルーナ、これからはみんなの前で恥をかく姿を楽しんであげるわ。


「なんて完璧な計画ですわ、おうほほほ!」

「やっぱりお前が脳神経科医に診てもらった方がいいと思うよ……」

『ルーナを守れ!』


 シスネロスは同じ男性の二人を見て、三人は頷き合った。


『そんな必要はないわよ、みんな。出てきて、イリヤ』


 あの女は自分の使い魔を呼び出した。やばい!イリヤはすごく強い使い魔だ。

 仕方ない、ロボットたちにミサイルを発射させる。イリヤが浄化者の剣に変身する前に戦闘を終わらせなきゃ。

 ロボットたちは私の命令を受けて、両腕を上げて、あの女を狙って一斉にミサイルを発射した。

 でも命中しなかった。ルーナは空中に跳んで、ミサイルをかわした。

 そして彼女の使い魔は細くてかっこいい長剣に姿を変えて彼女の手に飛んだ。

 その剣からは白い巨大な光束が放たれた。ルーナは空中で回転しながら、ロボットたちを次々と斬り裂いた。


『やつら弱すぎる……』


 かっこよく着地した後、手に持っていた剣は白い光の粒子になって消えた。地面には10体のロボットの残骸だけが残っていた。


『また、つまらぬ物を斬ってしまった』


 武器になった使い魔も魔法で回収できるんだ。

 使い魔を回収したルーナは髪をかき上げて、「私はもう無敵よ」という表情をしている。

 それは何かチートな力だよ!あの三人も呆然として、ずっとあの女を見つめていた。

 この技は私もよく知ってる。極光巨剣斬、聖女の血筋を持つ女性しか使えない光魔法の技だ。

 それにある程度の熟練度が必要だ。 ゲームの設定では、彼女はまだそんな高度な技は使えないはずだ。


 聖女の力の20パーセント以上解放しないと覚えられないんだから。 しかもゲームになかったサークルを作って邪教団と戦おうとしてるし、もしかして彼女も私みたいに転生者なのか?

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