番外編 地下迷宮3
バラ仮面はミーノースの頭から飛び降り、再び変な歌を歌い始めている。
その後、ミーノースは俺たちに向かって突進してきた。
くそっ!スピードが速すぎて、避けることはできない……
その時、空を切り抜ける黒い影が現れ、光魔法の一撃でミーノースの胸を斬りつけ、そしてミーノースの拳を避けた。その拳の威力は非常に強く、地面を突き破ることができるほど。
やっとその影をはっきりと見ることができた。
それは女の子で、波打つような茶色の長い髪があり、優雅なポーズで立っており、銀色の細い剣を持っている。その剣には小さな翼が飾られており、とてもかっこいい。
その後、彼女は俺の近くにゆっくりと戻ってきた。
「え!もしかしてレイバウェスさん?」
「うん、もう大丈夫だよ」
どうしてだろう、弱々しく見えるレイバウェスさんの言葉は、俺をとても安心させた……
「ごめん、遅れた」
「ディラン!」
ディランは俺の後ろから走ってくる。
この2人もダンジョンに来たんだね、前の爆発は彼らが引き起こしたのかな?
ミーノースは俺たち3人に向かって唸っている。この音は本当に怖いだし、傷も治ってしまっていた。
ジャクソンくんも俺たちの元に飛んできた。俺たち4人で力を合わせれば、目の前の魔物に勝つことができるはずだ。
「ええ〜仲間がいたんだ。まあいいか。一緒に片付けてやるぞ」
バラ仮面は俺と同じように人を強化する能力を持っている。だから彼を先に倒さなければならない。
「みんな、バラ仮面から先にやっつけよう。あいつ、結構面倒から……」
「いいえ、その必要はないよ」
「えっ⁉」
レイバウェスさんは小さく歩み寄り、何をしているんだろう、早く止めなくちゃ!と思った瞬間、ディランに引っ張られて立ち止まられた。
ディラン、何を考えているんだ、弱そうな女の子を1人で……
「フェリクス、彼女を止めないで。見ていてあげて」
「何を言ってるんだ!ディラン、相手は……」
ディランの目はとても固く、冗談のようには見えない。俺もレイバウェスさんを見る。何が起こっているんだろう?
弱そうな彼女が自信に満ちた強者のように……
「ああ〜お前は頭がおかしいのか?俺たちに挑戦するつもり?マジがっかりだよ。フェリクス・ウルド・フォスコーロ、てめぇは女を先に死なせるような最低の男なんて」
「……」
反論のしようがないが、レイバウェスさんは動じなかった。前に進んでいく。
「見ていられねえ、彼女を殺せ!」
俺はもう見たくない……
ミーノースは叫びながらレイバウェスさんに向かって殴りかかったが、彼女は軽々と避け、ミーノースの腕に飛び乗り、華麗に左腕を斬り落とした……えっ⁉
学年トップだけど、こんなに強いの?すばやい動きは余計な動きがなく、瞬時にミーノースの腕を斬り落とすという……どうやってやったのか、全然わからない。
「チェ,なかなかやるじゃん……これどうだ!」
バラ假面が歌を口ずさみ、レイバウェスさんの頭上に小さな骸骨のマークが現れた。え?それは何?
「全く意味がない」
「何だって⁉」
レイバウェスさんはミーノースの連続パンチ攻撃をかわしながら、あまりにも素早くかわすので残像が出現している。そして、またミーノースの右腕を瞬く間に切り落とした。
ミーノースは驚いて後退していく。
ただし、ミーノースの両腕は再生中で、左腕はすでに修復されていた。
「どうやってそれをやったのかは分からないけど、ミーノースの再生能力はかなり強力だから、今すぐ降参したほうがいい……」
ミーノースの頭も切り落とされ、地面に倒れました……
「まだ何か言いたいことがあるの?」
レイバウェスさんはバラ仮面を剣で指差している。それに彼はとても緊張している。
彼のマイクはコウモリのように変わったが、すぐに魔法で取り戻った。
「あの……申し訳ありません。すぐに降参します」
バラ假面は先程と同じように、地面に跪いて、両手を上げていた。ただ、今回は従順に降伏することができるかどうかはわからない。
その後、俺たちは魔法の縄で彼を縛り上げ、後で拷問することにした。
レイバウェスさんの手にあったクールな剣は光に変わり、小さな女の子になる。とてもかわいらしい感じがした。
「イリヤ、お疲れ。戻ろ」
「はい、ご主人様」
あのクールな剣はレイバウェスさんの使い魔だったんね。すごいと思う。
ハルカちゃんと同じように、人格を持っているんだね。
その後、ジャクソン君はバラ假面を縄で吊り上げ、その様子は野ブタを拘束しているように見える。
「邪教の一員だが、お前の名前は何だ?このダンジョンには何人いるか?」
ジャクソン君は彼を尋問し始めた。そこで俺はジャクソン君の治療をしている。
「うーん、自分の名前を忘れてしまいました……」
ジャクソン君はため息をつき、雷魔法でバラ假面を何度も電撃した。バラ假面は大声で叫んでいる。
「ごめんなさい!ごめんなさい!言います!言います!もう電撃しないでください……」
「お前の態度は改善する必要があると思う、邪教徒」
ジャクソン君は再びバラ假面を電撃した。今度は皮膚が焦げるほどだった……俺は少し彼に同情を感じ始める。
なんだかんだ言って、ジャクソン君は軍人出身で、拷問の技術は本当にすごいな。
「じゃあ、もう聞くぞ、お前の名前は何だか?」
「マカーリオ ・アンブロシオ ・サストル!マカーリオ ・アンブロシオ ・サストル!」
「一回答えるだけでいい」
かわいそうなバラ仮面はまた電気ショックを受けた……
もし悪いことをしなければ、このような罰を受ける必要はないだろう。
「邪教徒はこのダンジョンに何人いるんだ?」
「俺と、レオンス・フォルタンというやつだけです」
「ええ!廃屋の外のキャンプは君二人のものだったのか」
そのとき、廃屋の外でレイラちゃんが見つけたキャンプを思い出した。
「そうです!俺立ち二人のもの……最初は廃屋が見つからなくて、迷ってしまいました」
「黒い六芒星の旗のある建物は何だか?」
「ハンターが最初にこの古代のダンジョンを発見した。俺たちの情報員はバーで彼を見つけたので、我々このダンジョンを探し当てられました」
「ダンジョンの入り口付近に停まっている馬車は? お前たちのマークがついているぞ」
「俺たちの一部のメンバーは、最初にこのダンジョンを攻略するつもりでしたが、失敗しました。その後、俺たち2人が見に来るように言われました。あの馬車は彼らに捨てられたものかもしれませんし」
「この地下ダンジョンには守りがいるのに、お前たち2人はどうやって入った?」
「レオンスがこのダンジョンの鍵を持っているからです。なぜ彼が鍵を持っていたのかは知りません」
「じゃあ、失踪したハンターはどうなったか?」
「俺たちは彼を殺し、口封じをしました。ここでの秘密は他の人に知られてはなりませんからね。あ!いたた!」
ジャクソン君はバラ假面に電撃を与えていた。
その言葉を聞いて、俺は心が不快で、怒りを感じる。本当に邪教徒らしいな、と感慨深い思いになった。
その時、ディランが俺の肩を叩いてきた。
「心配しないで。そのハンターはただ傷ついて森の中にいただけで、死んでいないよ。僕とルーナが最初に見つけたから、今は救警察に救われたはず」
「ああ、そうなんだ……本当に良かった」
不快感と重苦しさが俺から消え去った。
すると、天井から突然爆発が起こり、岩が落ちてきた。
「危ない!」
この時レイバウェスさんがみんなに叫ぶ。
岩は非常に大きく、地面に重く落ち、大量の塵が舞い上がって視界が遮られている。
しかし、俺たちは全員無事だった。気がつくと、バラ假面はすでに誰かに救出されていた。
それは巨大な黒い鳥で、巨大なくちばしを持っている。上にいた人はおそらくレオンス・フォルタンで、そして横には縛られたバラ假面マカーリオ ・アンブロシオ ・サストル。
「なんでこんなに遅いんだよ!遅過ぎた!情報も漏れたじゃないか」
「それはてめぇのせいだろ!まあいい。今回は俺たちが計算ミスしたけど、欲しいものをもう手に入れたんだ」
彼は俺たちに向かって見る。
「もうすぐ再会するだろう、うわははは!わははは‼」
彼らはそのまま逃げ去った。まるでクラシックな物語の悪役のように……
「もう歩けないよ……」
レイバウェスさんは、その場に座り込んでいた。
魔物と戦ったことで、魔力の消耗が激しかったのだろう。
彼女のことをとても心配している。
俺は小走りで近づき、彼女を背負ってここから離れようとした。 すると、ディランがすでにそこに立っていた……




