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17親切でフレンドリーなダンジョンの守り

「行ってみようか」

「ええ、ハルカもう疲れたよ……行方不明のハンターを探しに来たんじゃないの?」

「そうだけど、行方不明のハンターはこの場所と関係があるかもしれないから、ここで探してみないと」

「えええ……やだやだやだ!」


 ハルカは本当に悪意のあるお嬢様だね、文句ばかり言って、根気がない。もしかしたら私と交換した方がいいのかも。


「ハルカちゃん、これは人の命に関わることだから、俺たちの力になってくれない?」

「ハルカは疲れてるけど、がんばってみる」

「ありがとう、ハルカちゃん」


 フェリクスの言うことを素直に聞くなんて、信じられない。

 道を歩き続けたけど、ここには人も動物も住んでいない。魔物の気配もなく、不気味な静けさだ。

 近くの部屋を探したけど、中は空っぽだった。


「ここは広すぎて、探すのが大変だね。ハンターは閉じ込められて行方不明になったのかもしれない」

「待って!レイラちゃん。何か来るよ」

「え⁉あれは」


 私たち三人の目の前に現れた巨大なロボット、身長は四メートルくらいかな、ずっと私たちを見ている。

 金色の盾と白色の鎧を持っていて、とても先進的に見える。これは私たちの国や人族が作れるものじゃない。

 体から不吉な気配がする、これは魔物?それとも構造魔法で作られた魔物かな?


「レイラちゃん、俺たちを歓迎してくれると思うかな?」

「うん、多分しないよね……」


 すると、ロボットの目が緑色から赤色に変わった、やばい感じだ。


「未承認の侵入者発見。敵対生物と判断。即刻排除」

「ほら!フェリクス兄ちゃん、ダンジョンの守衛は私たちを歓迎してくれない」

「レイラちゃん……今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ」

「お前たちは何をしてんの!ハルカ先に逃げるぞ!」


 ハルカのやつ!私とフェリクスを置いて逃げたなんて!

 ロボットは強烈な拳を振り下ろしてきたけど、魔法盾で簡単に……防げる?


「え⁉」


 私は空中にいる?ロボットに吹き飛ばされたの? さっき反応できなかったけど、ああ、私の盾が割れてしまった、どうして?

 違う!私の魔法盾は一瞬で壊された感じだった、これはまるで……


「くそ!レイラちゃん!」

「フェリクス兄ちゃん?」


 フェリクスが飛んできて私を受け止めた、えええ⁉顔が近い!私のメイクが落ちてないかな。

 ああ本当にかっこいいよ、フェリクス兄ちゃん、見飽きない美しい顔だね。

 花びらが舞い落ちる中、フェリクスは私を抱きしめて白い鐘楼の上にゆっくりと降りた。


「大丈夫、レイラちゃん」

「大丈夫」

「レイラちゃんが吹き飛ばされるなんて、本当に驚いたよ」

「さっきの私はちょっとダメだったかも……」

「大丈夫、レイラちゃんは私の心の中ではいつも一番強い人だよ」

「やだやだ!フェリクス兄ちゃん~何言ってるの!」


 今鐘楼の上に立っていて、フェリクスは私を下ろした。フェリクスの抱擁から離れるのは少し寂しいけど。

 ロボット守衛がやってきて、私たちに大声で叫んだ!


「許可されていない風紀崩壊行為を発見!」


 その後ロボット守衛はすぐに戦闘態勢に入り、全身がさらに変形した。


「えええ~~あれは何?ちょっとカッコイイね。ええと、レイラちゃん?」

「私だけの幸せな時間を壊すなんて、地獄に落ちろ!大蛇炎!」


 この無礼者には魔法で滅ぼすしかない! 蛇の形をした炎が空から降り注ぎ、ロボットを攻撃し続けた。炎は地面に広がり、周囲の白い建物を焦がした。

 でも、ロボット守衛は溶けなかった… 私はやめざるを得なかった。もう魔力を無駄にする必要はないから。


「嘘だろ!」

「レイラちゃん、なんかやばい気がするよ、逃げようか」


 大蛇炎がロボットを溶かせなかったし、さっきの魔法盾もそうだった。もしかしてロボットは魔法に耐性があるの?

 ロボットは火炎魔法が止まったのを見て、両腕を上げて、腕からミサイルを発射した。


「あれは!」


 急いで風魔法で私とフェリクスを弾き飛ばして、ミサイルに当たらないようにした。

 その後地面に着地して、隠れざるを得なかった。白い石で作られた家の中に隠れたけど、中には何もなかった。魔法が効かないなら、とりあえず隠れるしかない。


「ダンジョンの守衛は強すぎるね、レイラちゃん。何かいい策はない?」

「恐らく魔力耐性のスキルや仕組みがあるんだと思う。私の魔法が効かないなら、勝つのは難しい」


 実はもう対策は考えていたけど、この方法はちょっと危険だし、もし失敗したら……


「困ったね。早く行方不明者を見つけたかったのに、結局俺たちはここで倒れるのかな」

「フェリクス兄ちゃん……」

「冗談だよ!フェリクス兄ちゃんは絶対にレイラちゃんをここから連れ出すよ」


 その時、屋根から大きな音がした。強烈な拳が私たちのいる場所に落ちてきたけど、音が大きすぎて、事前に避けることができた。

 私はもう隠れているのに飽きた。そしてフェリクスを振り返って言った。


「安心して、フェリクス兄ちゃん。絶対勝つよ」

「待って!レイラちゃん、危ないよ」


 ロボットに走って行って、強化魔法を自分にかけて、速度も上げる加護も使った。

 ロボットは私に拳を振り下ろしてきたけど、全部私が簡単に避けた。


「くらえ!」


 今度は私の番だ!魔法じゃダメなら、拳でやるしかない!

 力一杯ロボットの頭に殴り込んだ。やっぱり私が予想した通り、

 ロボットの頭部の鎧が割れてしまった。すぐに裂けてしまった。やっぱり魔力耐性の鎧は打撃耐性が悪いんだ。


「本当に効いたよ」


 でも私の手がちょっと痛い……

 やっぱり普段から甘やかされすぎてるんだ。

 頭部の鎧が壊れた後、そこに雷魔法を使って破壊した。

 ロボットの頭部が雷撃を受けてから、暴走し始める。拳で周りの建物を無差別に破壊していた。

 ん?もしかして行動を制御する魔法装置を打ったの? すぐに、ロボットの頭部が爆発して、煙がモクモクと出てきて、もう動かなくなった。


「やっと片付けたよ。手がまだ痛いけど……」

「おお!レイラちゃん本当にすごいよ、でも、ごめんね。何も役に立てなかった……」

「フェリクス兄ちゃん、大丈夫だよ」


 どうせ私は普通の人よりもずっと強い力を持ってるから、私にとってこのロボットは簡単な守衛だけど、フェリクスやお兄ちゃんにとっては一人で勝てないかもしれない。


「そうだ、ハルカちゃんを探そうよ。もう安全だから」

「でもあの子は連絡がつかないし、どこに行ったかもわからないよ」


 その時、私とフェリクスは大きな振動の音を聞いた。ロボット守衛の足音みたいだけど、すごく大きい。

 もしかして……音の方を見たら、一群のロボットがハルカを追っていた。

 え!あのバカは何をやってるの!

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