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13遠足と人探し?

 -ウルスクリン山の麓-

 その後、私たちは警察が一時的に借りたという勝利旅館の大きな倉庫に連れて行かれた。そこでは捜索隊の警官たちや他のボランティアたちに会った。

 ボランティアは地元のおじさんやおばさんなどで、私たちのような若者は少ない。

 今は捜索隊の一行がウルスクリン保護区の入り口で指示を待っている。


「レイラ、荷物は全部持ってきたか」

「お兄ちゃん、昔みたいに忘れることなんてない」

「そうか」


 お兄ちゃんは相変わらずだな。


「昔は四人でピクニックに行ったりしたよね。今回はオエリたんが来られなくて残念だね」

「フェリクス兄ちゃん、もう言ったでしょ。ピクニックじゃないんだから……」


 その後、捜索を担当する警察が来て、私たちにグループ分けをするように言った。

 できるだけ広範囲に探せるようにするためだ。


「みんなも聞いたと思うけど、俺とディランが一組、女の子二人が一組、猿とフォスコーロが一組だ」


 私とルーナは互いに目を合わせて、礼儀正しい笑顔で返事をした。


「誰が猿だよ!バカ筋肉男!」

「猿、人間の言葉が分からねぇのか?」


 ああ、この二人また始まった。ゲームの中では面白いけど、現実では本当にうるさいよね。


「おい、二人とも。ここは人を探すために来たんだぞ、喧嘩するな。わかってるな!」


 お兄ちゃんはめったに人に怒鳴らないから、これはお兄ちゃんも怒ってるってことだ。お兄ちゃんの言葉を聞いて、あの二人も素直に口を閉じた。

 横にいたフェリクスもグループ分けの話に加わってきた。


「シスネロス君。こんな感じでどうだろう。くじ引きで決めるのはどう?」

「いい提案、それなら納得できる」


 フェリクスの提案でくじ引きでチームを決めることにした。

 ええ~私とフェリクスが一組か。そしてお兄ちゃんとルーナが一組か。残りの二人はもう喧嘩してる。


「嘘だろ……絶対にバカ筋肉男と一緒になりたくねぇよ!」

「こっちこそだ!」

「「やり直せ!」」


 でも、お兄ちゃんとルーナがそれぞれシスネロスとフランドの頭を手刀で叩いて、あの二人を静かにさせた。彼ら本当に幼稚だからな。

 その後、私たちはそれぞれ警官の指示に従って、違う方向に向かう。

 ところで、久しぶりにフェリクスと二人きり。


「空気がすごくきれいだね。こんな感じで二人だけってのは、もうずいぶん前のことだな」

「うん、そうだね」


 え?どうしたんだろう、なんか緊張してきたような。違うよ、絶対にデートみたいなことじゃないから。

 それに私が何を考えてるんだろう!落ち着かなきゃ、ただフェリクスと一緒に任務をこなすだけだ。

 人命がかかってるんだから。自分の頭を叩いて、我に返った。自分は立派な淑女ということを思い出せ。


「え?レイラちゃん、どうした?」

「あ、なんでもない」


 フェリクスの横顔がかっこよすぎるなんて言えるわけないじゃない。


「あ、そうだ。レイラちゃん。あの子はどうしたの。召喚してみようよ」

「ええ……あのバカはすごくやかましいのよ」

「まあまあ、大丈夫だよ。もう一人いた方が早く行方不明者を見つけられるかもしれないじゃないか」

「うん、分かったよ」


 普段は見えない召喚陣だけど、魔力を注ぎ込むと魔法陣が現れる。みんなも美的感覚のためにそうしてるんだから。


「出てきて」


 召喚陣からあのバカを呼び出した。

 白くてぽっちゃりした可愛らしいスライムが私の手の中に現れた。このままでいてくれたらいいのにな。

 でも、あのバカはすぐにフェリクスの手に飛び移って、嬉しそうにしてる。


「ははは、すごく懐いてるね。そうだレイラちゃん、この子に名前はつけたのか」

「ハルカ」


 もうずっと前から考えてたんだ。名前なんてもう決めてたし。この名前をつけるのは前世の私への記念だから。


「おお、それはいい名前だね。よかったね、ハルカ」


 ハルカはフェリクスの手から飛び降りて、とても興奮してる様子だった。この子は本当にこの名前が好きみたいだ。

 私の魔力を吸収した後、ハルカは光り始める。


「わああ~主人の姿に変身できるなんてすごいね。不思議だな」

「やかましいけど」


 ハルカは四肢を動かしてから喉をクリアした。


「ハルカ元気満々。魔力も十分」

「それは私の魔力だからよ。今回ちゃんと私の命令に従ってくれ」

「ふん!」


 ハルカは私に舌を出した。今怒ってるけど、表に出さないことにした。フェリクスが横にいるから、怒った顔を見せたくないんだ。


「俺の名前はフェリクス・ウルド・フォスコーロ。レイラちゃんと同じでフェリクス兄ちゃんって呼んでくれていいよ」

「はい!フェリクス兄ちゃん」

「うんうん~ハルカちゃんはいい子だね。俺たちは行方不明になったハンターさんを探さなきゃいけないんだよ。手伝ってくれるかな」

「ハルカ、手伝う!」


 なんでだよ……

 ハルカは意外とフェリクスの言うことを聞くみたいだ。私の言うことは聞かないけど。

 その後、私たちは三人で山の中に入っていく。ここにはほとんど道がなくて、森林官が残した標識だけがある。あちこちに雑草や高い木が生えてる。

 国の保護区に入ってる。普通は一般人は入れないところだ。

 中には野獣や魔物がうろついてて、とても危険だ。だからこそ、早く人を見つけなきゃいけない。

 どれくらい歩いたか分からないけど、太陽がどんどん暑くなってきた。もう正午近くかな。

 ああ、帰りたいよ。精神力は豊かな暮らしにすり減らされてしまった。

 こんな感じで帰ったら話にならないよ。仕方ない、頑張らなきゃ。人の命がかかってるんだから。


「レイラちゃん、見て!」


 急いで近づいて確認した。え⁉これは、人の足跡?

 フェリクスが偶然見つけた足跡は人間のものみたいだ。厚手の靴を履いてる。

 足跡は湿った泥の上に残ってる。だからこんなに長く残ってるのかもしれない。

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