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山のふもとのロジナ城を守っているのがはっきり見える壮大な城。そして美しいアゴスト湖がこの町の近くにある。
街がかなり暗いので、月明かりが一層明るく見える。
海風がみんなの顔を吹き抜け、アゴスト公国の港は特に静かで、兵士さえいない。遠くの黒い大木が特に目立つ。
フランドとオエリは海風に吹かれながら、遠くから腐敗の木を見ている。
「あれが腐敗の木か。お嬢様からそれが大地と空を侵食する瘴気の集合体だと聞いたことがある」
「そうだね。ただ、500年ぶりに再び大地に現れるとは思わなかった…魔王の降臨も近いな」
「うん…もう時間がない。ロジナ城の住民は逃げられたのかな」
「難しいだろうな。急がないと…あれ見て、船着場も近づいてきた」
「フランド、前に沈没船があるんじゃない?」
「うん?確かにそうだな。見たところまだ新しいし」
沈没船は一部と高いマストだけが見えているが、露出している部分がまだ新しいことがはっきりわかる。古い沈没船のようには見えない。
その時、船が突然揺れ始め、激しい揺れでみんな立っていられなくなった。 ジャクソンが海面を指さして叫んだ。
「気をつけろ!」
その時、多くの巨大なイカの触手が突然船全体を抱きしめた。船をしっかりと掴んでいるのがはっきりと感じられ、船が沈み始めてきた!オエリはマストを抱きしめてフランドに尋ねる。
「これは何の魔物?」
「とにかくこいつを倒さないと、沈むぞ」
フランドとジャクソンは剣で触手を切り始めたが、魔物の皮膚は硬く、傷も小さい。最悪なのは、魔物の傷が再生することだ。
先生とほかの生徒たちも魔法で攻撃したが、全く効果がなかった。船はすでに浸水しているし、もう時間がない。
危機的な時、美しい歌声が聞こえてきて、みんなの体がとても軽く感じられ、力が湧いてきた。ジャクソンはすぐに火魔法を剣に付加し、全力で触手を切り落とした。
他の人たちの魔法も効果を発揮している。
痛みのため、イカ魔物の触手があちこちにぶつかり、船のマストや帆を破壊した。触手に打たれて床に倒れる人や海に投げ出される人が続出した。
「こいつ本当に手強い!」
「ジャクソン!こいつの本体はここだ!」
ジャクソンはすぐにフランドのところに走り、巨大なイカ魔物の頭を見つけた。巨大な目が三人を見つめている。
「オエリ、ここで勇者の力を使うなよ。俺たちに力を貸すのもやめて。その力は魔王を倒すために取っておけよ。ここは俺たちに任せろ」
「でも!」
フランドはオエリの背中を叩いてから、ジャクソンと一緒に飛び降りて戦う準備をする。
しかし、イカ魔物は何かを感じ取ったのか、突然怒り出し、巨大な触手でオエリを攻撃した。幸い、フランドが水魔法の盾で強引に防いだ。水の緩衝作用のおかげで攻撃をうまく防ぐことができた。
ジャクソンとフランド、そして先生たちが反撃しようとした時、イカ魔物は深海に潜り込み、姿を消した。
「逃げられたか」
「いや、ジャクソン、まだいるぞ」
船体が揺れながら沈んでいく。ジャクソンもマストを掴んでバランスを保たなければならない。
「下にいる!」
イカ魔物は諦めず、水中に潜り、触手で船底をしっかりと掴んでいた。どうやら戦いを避けるために賢く動いているようだ。
「くそ!潜って引き出さなきゃ」
「でも、お前みたいの貴族坊ちゃんは泳ぎが得意じゃないだろう」
その時、一人の先生が立ち上がり、杖を使って魔力を凝縮する。
「そんな必要はない」
フォスタンイーンの先生たちは風魔法を使って船全体を持ち上げた。これには多くの魔力を消費するが、これ以上の戦いは無駄だ。
「頼む!シスネロス、アゴスト」
「先生たち、ありがとう!」
フランドはすぐに飛び降りてジャクソンと合流し、二人で剣を使ってイカの魔物の触手を激しく切りつけた。魔物の透明な血が傷口から噴き出した。
しかし、力が足りないようで、完全に切り落とすことができなかった。二人が魔物を倒せないのを見て、フェリクスが再び歌を歌ってみんなを強化する。
残りの触手が襲いかかり、ジャクソンとフランドはイカの魔物の体の上で触手の攻撃を避けながら剣を振るった。
最終的にイカの魔物は全身傷だらけになり、船を放して海に落ちていく。しかし、フランドが船に戻ろうとした時、触手に打たれて一瞬で飛ばされ、船尾にぶつかった。
「フランド!大丈夫か」
「オエリ、大丈夫だ。でも、さっきの一撃は全然痛くなかった」
フランドは遠くを見て、ディランが使い魔を召喚して石の加護を使ってみんなを守ってくれたことに気づいた。
無事を確認した後、先生たちは船をゆっくりと海面に降ろした。 今、港まで非常に近づいている。
「これで無事に港に停泊できる」
「でも…さっき見たところ、港の近くには魔物がうろうろしてて」
「マジ最悪だな…」
-クイリザル・カン国境内-
「みんな、戦争女神の祭典にようこそ。参加者はこちらへ」
カン国各地から優秀な騎士たちが集まってきた。勝者には領地と大量の金貨が与えられると言われている。
街道には祭典の横断幕があちこちに掲げられ、祭りの雰囲気が漂っている。会場の周りにはテントが立ち並び、中には弓や武器、補給品が置かれていた。
兵士たちは馬に乗って巡回し、厳重に警備している。
ルーナはこの祭りの由来に興味を持ち、ザーラに尋ねた。
「この祭典って何のためにあるの?戦争女神の祝福を求めるため?」
「そんな感じだな。最初は勝利を祈る儀式だったけど、大規模なイベントに発展したんだ。最初の試合は馬に乗って弓を射たり、剣で道のかかしを切ったりして、その後に競馬が行われる」
ザーラはルーナの竜馬を軽く叩いた。
「竜馬はリラックスしているみたいだな。装備は全部持ってきたか?」
「もちろん」
「じゃあ、計画通りに始めよう。行こう、レイラ。レイラ?」
ザーラはレイラを一瞥して、彼女はぼんやりしているようだった。 「うん…」
「調子が悪い?」
「はは、大丈夫だよ」
その後、ザーラとレイラは会場の外でルーナが竜馬に乗って会場に入るのを見ていた。会場の中は観客と各地の騎士がいる。
「ごめん、運動は苦手だからあまり役に立てない」
「大丈夫、優秀な魔導士も必要だから。次はルーナが優勝するのを待つだけだ。これから暇になるから、まずは屋敷の方を見てきてくれ。見つからないように気をつけて」
「気をつけるよ」
屋敷の近くにはプルシアルから来た魔導士たちがいて、レイラでも直接入ることはできない。
彼女は周囲をうろつきながら様子をうかがっていた。その時、街道で多くの人々が驚いて会場から逃げ出し、屋敷の外の魔導士たちも会場に向かっていた。
「何が起こったんだ?でも、これはいいチャンス」
レイラは飛んで屋敷の中に入ると、そこは巨大な庭園で、多くの噴水があり、豪華な別荘があった。
中には魔導士や兵士が少なく、最終的に内部に潜入することができた。
ザーラの手描きの地図に従って領主の被害を受けた部屋を見つけた。入ると中はすごく上品なものに装飾されていた。
柔らかく精巧なペルシャ絨毯が敷かれ、壁には様々な動物の標本が飾られている。
その時、背後に他の人の気配を感じ、レイラが振り返ると肩に短剣が刺さってしまった!
「この短剣…まさか!」
「待ってたよ…」
スタチュートが彼女の背後に立っていて、彼の手は黒くねじれた枝に変わっていた。




