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闇の女王2

 戦いに大勝した後、フリス人とタダルク人はゆっくりと後退し始めた。彼らは敵の魔導士たちがまだ森の中に潜んでいることをよく知っており、対魔力重装騎兵を持っていても油断できない。

 騎兵たちが退いた後、地面には手足が切断された死体と泥まみれのスカエリヤ帝国の旗だけが残される。

 スフェヤは紫水晶でできた単眼鏡を通してこれを見ているが、彼女の魔導士部隊はすでに怒っていた。仲間たちの死体が敵に踏みつけられ、侮辱されるのを黙って見ていることはできない。

「ヴィーナス様!攻撃を開始させてください、スカエリヤの戦士たちのために復讐を!」

「絶対にダメだ!敵には射手だけでなく対魔力の騎士もいるのだぞ。ここにいる限り、相手は私たち魔導士を見ることができず、攻撃してこない」

「でもここに留まっていたら包囲されてしまいますよ…」

「私たちの任務は女王殿下のために時間を稼ぎ、敵軍が左側の城壁に行くのを阻止することだ。」

「でも、女王殿下は何をしようとしているのですか?どうやって勝つのですか?」

「それは気にすることではない。女王殿下は私たちに背中を預けているのだから、その信頼を裏切るわけにはいかない」

 その時、別の部隊が遠くから飛んできた。それはロスフドの魔導士たちだった!スフェヤは単眼鏡を下ろし、全員に叫ぶ。

「もうこれ以上は続けられないだろ。みんな、森を利用して攻撃しろ!弓兵たちも準備しろ!」

 果たしてロスフドの魔導士たちは魔法攻撃を開始し、火魔法を使って攻撃を始めてきた。

 空に現れた火球が流星のように森に落ち、大きな爆発と炎が森を徐々に破壊し、熱い火が枝葉を飲み込む。一方、オランスドの魔導士たちも魔法で反撃し、一発また一発と魔法攻撃がお互いの陣地を吹き飛ばし、土と煙を巻き上げる。同時に、森も徐々に焼かれて隠れ場所を失っていく。

 血みどろの魔法戦闘の中、次々と魔導士が烈火に飲み込まれたり、他の魔法で命を落としたりしていく。全員が鉄級の魔導士ではあるが、北方の魔導士たちは明らかに強く、すぐに優位に立った。さらに、北方の魔導士の一部は使い魔を持っていた。

 ロスフドの魔導士たちが劣勢に立たされると、一番後方に隠れていたフリスの対魔力重装騎兵がすぐさま隊列を飛び出し、他の普通の重装騎兵たちとともに叫びながら燃える森へと突撃する。彼らが掲げるフリス王国の旗がひときわ目立つ。

「今だ!」

 普通の魔法攻撃は対魔力装甲に当たると無効化されるが、オランスドの弓兵たちはこの瞬間をずっと待っていたのだ。彼らはクロスボウを手に、迫り来るフリスの対魔力重装騎兵に向けて矢を放った。

 一瞬にして無数の矢が柔らかな対魔力装甲を貫き、騎士たちを射殺した。

 道中、次々とフリスの騎士たちが馬から落ち、死体の山が築かれた。それでも、騎士たちの突進は止まらなかった。フリスの騎士たちは死体の山を越えてさらに突き進み、弓兵たちの陣地に迫っていく!

 最終的にフリスの騎士たちは森に突入し、剣を振るって弓兵を斬り伏せ、大きい馬が弓兵たちをおもちゃのように弾き飛ばして、兵士たちの血が周囲の木々を赤く染めた。

 スフェヤと魔導士たちは土魔法を使って巨大な城壁を作り、騎兵の突進を防ごうとした。また、使い魔を送り出して騎士たちを攻撃させる。しかし、タダルク人の対魔力の矢は魔法の城壁を突き抜け、中に隠れている魔導士や使い魔を射殺した!

 次々と魔導士が射殺されていくのを見て、スフェヤのそばにいた魔導士の一人がすぐに駆け寄った。

「団長!すぐに逃げてください。ここは俺たちに任せろ!」

「そんなことできるわけがないだろ!ここで戦っている北方の仲間たちを見捨てるわけにはいかない!」

「団長…」

 最終的に、城壁は対魔力の矢の雨によって崩れ落ち、スフェヤは残った魔導士たちに飛行しながら魔法で敵を攻撃するよう指示する。

 こうしてオランスドの魔導士たちは後退しながら、追撃してくる騎士や魔導士を魔法で撃退し続けた。

 しかし、このような戦い方は体力の消耗が激しく、多くのオランスドの魔導士がしばらくすると飛べなくなり、騎士に斬り殺されたり、タダルク人に射殺されたりして、持ちこたえることができなかった。ましてや、敵の魔導士もいるのだ…

 徐々に、スフェヤ一人だけが残されることになってしまった。しかし、彼女も体力が尽き、次第に飛行速度が落ちていく。

 およそ三十人の騎士たちが彼女を包囲しようとしているが、スフェヤはすぐに空間魔法を使って身をかわした。彼女は空中で巨大な洪水を召喚して騎士たちを押し流し、彼らを引き留めようとする。しかし、森を離れるとすぐに魔法弾の攻撃を受け、地面に落下してしまった。

 幸いなことに、魔法盾を展開しており、そうでなければ彼女は粉々になっていただろう。

 スフェヤは痛みに耐えながらゆっくりと立ち上がったが、彼女の魔力はほとんど残っておらず、彼女自身も自分がどれだけの人を魔法で殺したかを覚えていない。おそらく、彼女は今まで一度たりともこんなに多くの人を殺したことはなかっただろね...

「まだ死ねない...たとえ私だけが残っていても、ここを守らなければならない...でないと亡くなった仲間たちに申し訳ない...使い魔を持っていればよかったのに」

 そう言って、スフェヤは苦しみながら魔法の杖を持ち、それに頼りに一歩一歩で逃げ出す。その時、一本の矢が彼女の背中を射抜いた!すぐに数十本の矢がスフェヤの背中に突き刺さり、彼女は血を吐きながら泥の地面に倒れた。

「ごめんなさい...女王殿下...グラン...私は役立たずでした。北方にも...申し訳ない...」

 彼女は悔しそうに最後の涙を流し、その後はもう呼吸をすることもなく、死んでいった。彼女が最後の瞬間に見せた目はただただ悔しさだった。

 ―ベリンウドの左城壁―

 グランは騎士たちを率いてクイリザル・カン国の重装歩兵の中に突入し、高温の水流を使って彼らをやけどさせ、鋭い長槍で彼らの鎧を貫いた。高温の水竜巻が敵軍を襲い、クイリザル・カン国の兵士たちはパニックに陥りながら死んでいく。

 グランの実力と騎士たちの勇気により、すぐに安全なルートが開けた。

 バティスト、カリーナ、そしてコルネルはこの機会を利用して城壁の内部に突入した。

 主教の帰還を見て、ベリンウドの兵士たちは自発的に三人に通行路を開け、彼らの目的地は王宮のだ。

「やっぱり金級の実力を持つ団長は重要だね、さもないと中々入れないものさ」

「ルイ主教、グラン・ナハティガルのことですか?そうだわ!ちなみに、イビリヤス帝国にも金級の実力を持つ団長がいますよね?彼らはどこ?」

「ああ、彼らの中には僕が殺した者もいれば、火の子や迅雷のように革命軍に寝返った者もいるさ。本当に困ったものだな…」 「あはは...」

 道中にはベリンウドに逃れてきた貧民や難民の姿が見られた。彼らのほとんどは路上で眠り、その顔には飢えと絶望の表情が漂っている。

 しかし、彼らはバティストとカリーナが通り過ぎるのを見て、一瞬希望の光を見た。しかし、難民があまりにも多く、バティストとカリーナの道を阻んでいた。

 カリーナは長い鞭を振り回して前方の人々を指す。

「ああー、この愚か者どもは本当に邪魔だわ。まだ重要なことがあるのに!奴らはこの状況を理解しているのかしら?」

「安心しろ、カリーナ、この愚かな民衆は僕に任せてください」

 コルネルは剣を抜いて、道をふさいでいる難民を一撃で殺した!人々は一斉に驚き逃げ出した。

「さすがコルネルだね、君を暗殺者として育てたのは間違っていなかったよ」

「冗談はやめてください、バティスト様」

「さて、僕たちの勝利を迎えろ」

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