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闇の女王1

 クイリザル・カン国の重装歩兵たちは整然と並んで立っている。彼らはみな緊張しており、恐れる。遠くにはベリンウドの城壁があり、その上には魔導士や弓兵が立っている。

 彼らの任務は非常に簡単だ。右側の城壁を何としても占領するということだ。

 銅級の冒険者徽章をつけた男が剣を持つ冒険者のそばにゆっくりと歩いて行き、彼の肩を叩く。

「おい、チャールズ。まさかここに来るとは珍しいな。銀級のお前が何をしてもいいのに、なぜ戦いに来たか?」

「ああ、ピーターか。まあ、仕方ないことさ。今は魔物を狩ってもあまり稼げないからさ。そうでなければ俺も来ねえよ」

「いや、ここの冒険者たちもだいたいそんな感じだね。でもまあ、戦いという仕事があるから、路上で寝ることはないさ」

 彼はタバコを取り出し、チャールズに渡そうとするが、拒否された。

「おい、あのやつを見ろ。あとで突撃するんだ、タバコは吸わない方がいいぞ」

「ふんっ、最後の一本かもしれねえのに。そういえば、お前の魔法加護は?」

「もちろんあるんだよ」

 やっぱりチャールズの言う通り、突撃のラッパを吹く兵士が馬に乗って冒険者たちの前にやって来た。その後、ピーターはタバコを捨て、踏みつける。

 ラッパの音が鳴り響くと、重装歩兵たちは最初の突撃を始めた。彼らは雲梯を組んで、他の兵士たちが城壁を占領できるようにしなければならない。

「おい、チャールズ。死ぬなよ。今夜は一緒に酒を飲むんだから」

「ハハ、まずは自分のこと心配しろ」

 重装歩兵たちは城壁に近づくにつれて、ベリンウド城壁上の弓兵たちが矢を射始める。矢の雨が降り注ぎ、重装歩兵たちに向かってくる。

 盾を持っていても、突撃の途中で多くの兵士が矢に命中され、彼らはドミノ倒しのように地面に倒れ、苦しみながら死んでいく。

 もちろんクイリザル・カン国の重装歩兵たちもクロスボウで城壁上の弓兵たちに応戦し、多くの弓兵を撃ち落とした。

 叫び声と絶望が突撃する兵士たちを覆い、それには経験豊富な冒険者たちも含まれる。

 一匹の魔物や野獣がひとりの人間よりも遥かに強力であることは確かだが、その数や規模は比べ物にならない。

 ピーターとチャールズはようやく城壁の下に到達したが、ピーターの腕には2本の矢が刺さっていた。一方、チャールズには一つも傷がなかった。

 一匹の魔物や野獣がひとりの人間よりも遥かに強力であることは確かだが、その数や規模は比べ物にならない。

「くそどもめ!命中率が高いな、奴らの矢。俺まで当たるとはな!」

「それは対魔力の矢だ。魔法の盾や魔法加護とかでは防げない。それらの矢を見えなかったら、もう死んでいたかもしれねえな...」

 しかし彼らの周りにも多くの兵士が成功して雲梯を組んでいた。

「チャールズ、雲梯が完成した!行こうぜ、上がるぞ」

「ばかものめ!今はまだだ、射殺されるだけだ!しかも上には魔導士もいるぞ、死にたいのか」

「でもここにいても死ぬしかないじゃないか!」

 雲梯を登る兵士たちは次々と射られて落ちっていくから、二人は再びチャンスを待つしかなかった。その間に、多くの攻城塔や破城槌がゆっくりと近づいてきたが、中にいる兵士たちはまったく傷ついていない。

「おい、ピーター。攻城塔を使って上がるのが安全かもしれん」

「わかったぞ!」

 しかし、破城槌が城門に近づくと、城壁上の魔導士が火魔法で攻撃してきた。破城槌の上には対魔力装甲がかけられていたため、魔法攻撃の効果がまあまあだ。

 それにしても、たくさんの魔法攻撃によって多くの破城槌が城門へやってくるときに破壊されていた。

 城門に到達した後、破城槌の中の兵士たちは大声で叫びながら、巨大な鉄のハンマーで城門を叩いている。しかし、城門にはわずかな傷をつけただけで、何の効果もなかった。

 攻城塔も城壁に近づいており、ピーターとチャールズは機が熟したと感じた。彼らは攻城塔のはしごを使って城壁に上り、ベリンウドの城兵と戦う。

 冒険者である彼らは他の兵士よりも強いし、すぐに攻城塔に近づくイビリヤス帝国の城兵たちを殲滅した。

 ピーターとチャールズの手は血に染まっており、彼らは自分たちが何人を殺したかを覚えていなかった。ただ、武器を振り回し、攻撃してくるイビリヤスの城兵たちを全て殺す。

 城壁を守るために、イビリヤス帝国の魔導士たちは力を温存せず、城壁に残っている敵を魔法で殺した。多くのクイリザル・カン国の重装歩兵が魔法によって命を落とし、徐々にイビリヤス帝国の城兵が優勢になっていく。

「気をつけろ!ピーター、魔導士だ!」

「うわああ!」

 ピーターは雷魔法に数度命中され、地面に倒れ、すぐに息絶えてしまった。

「くそっ!不運なやつな...どうやら今夜はお前と酒を飲めないな」

 その後、遠くの弓兵たちがチャールズに向かって矢を放ち始める。彼はすぐに敵の死体を掴んで、矢を防いで生き延びた。

「ん?あれは?」

 彼は空中に異変を察知し、よく見ると、火を噴く巨大な壺が頭上を飛んでいた!その壺は赤い炎を上げ、城壁に命中すると巨大な爆発が起きる。その後、命中したところには漆黒の灰が残り、赤い炎が周囲の兵士たちを飲み込み、一片の骨さえ残さなかった!それらの壺は遠くのカタパルト(投石機)から投げられたものだった。

「ちくしょう!くそクイリザル人め、狂ってるのか、仲間まで攻撃するかいよ」

 でも彼はすぐに問題の所在に気付き、元々生きている仲間たちが今地面に倒れていたのを見た。これがクイリザル人が城壁を攻撃する理由だった。それが最初の突撃は失敗したものだ。

 彼は絶望的に振り返り、十数の攻城塔がすでに炎上していたことに気付く。少しの焦げた残骸がまだ立っているだけだ。

 足元には敵の兵士と仲間の死体があり、生きている仲間はどこにも見当たらなかった...

「はは、今日は酒を飲むこともできないみたいだな...」

 彼は剣を地面に置いて、空を見上げて大声で笑ってしまう。自分を嘲笑っているように。弓兵たちの矢の雨が彼を無情にも襲うまで続いた...

 —カリーナのところで—

 スカエリヤ帝国の軽騎兵たちはすでに準備が整っており、彼らは槍を掲げて遠くのタダルク人の草原騎兵やフリスの騎士を見つめていた。この時、カリーナのそばには斥候が戦況を報告しにやってきて、左側の城壁がカタパルトで破壊されたと述べた。

 彼女は知恵の女神の杖を掲げ、空に向かって大声で叫ぶ。

「スカエリヤの騎士道を示す時が来た!尊敬する騎士たちよ、勇気を示し、敵を打ち破れ!」

「「「北方のために!スカエリヤ人のために!」」」

 指揮官の指揮のもと、多数の騎兵が森から一斉に駆け出し、敵に向かって突撃する。

 しかし、最前線に立っていたはずのフリスの騎士が突然数歩後退し、この時点でタダルクの草原騎兵が最前線に立っていく。彼らはスカエリヤ帝国の軽騎兵に向けて矢を放ち始めてきた。

 スカエリヤの騎士たちは馬に乗ったまま次々と倒れ、馬でさえ矢に貫かれた。

 でも軽騎兵はすぐにタダルク人のもとに到達するが、フリスの騎士が再び最前線に戻り、彼らは重装騎兵ものだ!

 すぐに両軍が激しく戦闘し始め、軽騎兵は重装騎兵には歯が立たず、さらにタダルク人の優れた弓術もフリスの騎士を守っていた。

 スカエリヤの騎士たちは卵が岩にぶつかるように突撃し、最終的には壊滅的な結末を迎えた。

 友軍の惨敗を目の当たりにしたカリーナのもとに、馬に乗った主教が駆けつけてきた。

「女王殿下、どうされますか?ここで死守しますか?」

「わからない。今、ここを放棄して城壁に戻ったとしても、包囲されるかもしれない。でも、戻らなければベリンウドは終わりだ」

「その通りですね」

「仕方ないくここの防御線を放棄するしかないわ...我々は左側の城壁に戻り、そこを守る」

 撤退命令を聞いたスフェヤ・ヴィーナスはカリーナへ来る。

「女王殿下、お許しください。あなたは勇敢なスカエリヤの騎士を捨てるつもりですか?私には受け入れられません!」

「スフェヤ・ヴィーナス、私は女王殿下だぞ!これはすべて北方のため、それを理解してもらいたい。ベリンウドが陥落すれば、フィラも時間の問題はず。そのとき、全北方が野蛮人の手中になってしまう。それを受け入れられるか?」

「それは...」

「しかし、我々は護衛が必要だ。君と魔導士、そして弓兵たちが残り、我々の騎士を護衛し、敵が接近しないようにしてください」

「了解しました!女王殿下、最善を尽くします。しかし、パウロ殿下はどうなりますか?」

「どうでもいいわよ」

 撤退命令を聞いた後、グランはカリーナとルイ主教、そしてコルネルに従っていく。

 しかし、この時、左側の城壁はすでにクイリザル・カン国の重装歩兵によって攻撃されており、彼らは中に入りたい。城兵はいても、敵の数はあまりにも多く、イビリヤスの城兵たちは長く持たないだろう。

 城壁の破壊は想像以上に大きく、ベリンウドを守ることはできないだろう。カリーナはため息をつくしかない。

「ルイ主教... 認めたくはないが、おそらくあなたの助けが必要だ」

「安心してください、女王殿下、僕たちは勝ちますから。今はベリンウドの王宮に入る必要だけです。それで全てが立ち直るし、あなたはそれをよく知っていましたはず」

「うん...」

 カリーナは知恵の女神の杖を握りしめ、グランを見つめる。

「グラン、君にはあの野蛮人を排除し、私たち二人が安全にベリンウドの王宮に入れるようにしてくれ。そして、左側の城壁を守ってください」

「了解しました!」

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