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ベルゴの軍隊はイビリヤス帝国の辺境を襲撃し、近隣の村を焼き払い、南部地域の多くを占領していた。これにより、イビリヤス帝国の軍隊は直接この強大な軍隊と対峙せざるを得なくなる。
彼らはまず、3000人の部隊を南部の大都市に派遣し、クイリザル人による襲撃を防ごうとするが、3000人のイビリヤス正規軍は途中でベルゴの巡回部隊に見つかれ、1万人のクイリザル人に追い打たれている。
絶体絶命に追い込まれた3000人の軍隊は、森に隠れるしかなかった。平原の中、イビリヤス帝国の魔導士が戦況を観察する中、ベルゴの軍隊も向かい側で彼らを観察していた。
山坂に広がる騎兵たちが見え、ベルゴの背後には槍を持った草原騎兵や黒いライオンの魔物に乗った魔導士たちもいる。
この時、黒髪の若い騎兵がベルゴの近くにやってきた。
「ベルゴ様、俺に対魔力重装騎士たちを率いて突撃させてください!すぐにあの魔導士どもを討ち果たし!」
「ウラン、そうやって獲物を捕まえられねえんだ。お前焦りすぎだた。よく見ろ、相手の重装騎士はまだ木の中に隠れてるぞ」
ウランは不服そうにシャムシールを抜き、敵を指しながら叫ぶ。
「我々クイリザル人が木陰に隠れる臆病者を恐れるとでも?今奴らを全部殺して、我らの女神に勝利の生贄を捧げる!」
「俺の命令に逆らう?」
「いいえ…」
「ファルザード! こっちに来い!」
ベルゴは手を振って彼が呼び寄せた人物に合図する。
ウランは不服そうに退き、手に持っていたシャムシールもしまった。この時、奇妙な服装の男が近づいた。
彼はペルシャ風の衣服を着て、杖を持ち、白いベールと帽子を被っており、非常に神秘的に見える。特に彼が乗っているのは凶暴な黒いライオンだ。この魔物は他の者よりも大きく、強い。
「命令をください」
「お前の魔導士を連れて、あいつらを片付けろ!」
「了解しました!」
ファルザードは手を振り、後ろにいる魔導士たちを指揮して出撃させ、瞬時に多数の魔導士が魔物に乗って動き出した。
空中にはさまざまな魔法が現れ、火と雷の魔法が相手に向けて放たれ、空は火と雷の光で満ちる。この光景はまるで終末のようであり、魔法の雨が絶え間なく飛んできた!
「敵が動いた!攻撃!」
イビリヤス帝国の魔導士たちも相手に魔法を使用し始め、両者の魔法が空中で衝突し、爆発し、致命的な魔法が相手の陣地を襲った。魔法の盾はありながらも攻撃の密度と強度が高すぎて、魔法の盾はまったく役に立たない。
多くのイビリヤス帝国の魔導士が魔法攻撃で倒れ、向こうも魔物から落ちていく。その場面は非常に血みどろだ…
イビリヤス帝国の指揮官は逃げることができないことを知り、全員に向かって叫んだ。
「時が来た! 国のために! イビリヤス人のために! 全員、突撃だ!」
森から激しい突撃の号角が聞こえ、騎士たちを前進させる励ましとなる。次々と騎士が森から出てきて、叫び声が耳をつんざく。
イビリヤス帝国の重装騎士たちは敵の魔法攻撃を冒して突撃し、彼らの身につけている唯一の魔法攻撃を防ぐものは対魔力盾だけだ。でもこの盾は魔法攻撃を無効化できるが、彼らの身につけているのは普通の鎧であり、魔法に当たれば死ぬ。
突撃の途中で多くの犠牲者が出たが、騎士たちは敵の魔導士の封鎖を突破して突進した。敵のレベル低いの魔導士は空間魔法を持たないので、騎士たちの突撃には対処できない。
この状況に対して、ベルゴはシャムシールを振り上げ、背後の重装騎士たちに出撃を命じ、対魔力装甲の騎兵たちはその場にとどまった。
「お前の出番だぜ、ウラン。兵士たちとともに勝利のために戦おう」
「了解!」
ウランは草原騎兵たちを指揮して突撃し、山の斜面にいる大勢の騎兵がイビリヤス帝国の魔導士の攻撃を受けていた。対魔力装甲を持たない草原騎兵たちはすぐに多くが馬から転落し、火や雷によって焼かれたり電撃を受けたりしている。
イビリヤス帝国の魔導士たちは土の壁を作って草原騎兵たちを阻止しようとしたが、ファルザードの魔導士たちは魔法で新しい道を開き、草原騎兵たちはすぐに通り抜けた。
その後、両軍の騎兵が激しく戦い、塵と血が舞い上がった。多くの者が踏み潰され、または斬り殺されて馬から落ち、場面は非常に暴力。
血と暴力に満ちた長い戦いの後、現場は荒廃し、四肢や残骸が散乱していた。イビリヤス帝国の魔導士たちは大きな損失を被り、風魔法を使って逃げ出し、後ろはファルザードの魔導士たちが追撃している。
勝利後、ファルザードとウランは再びベルゴのもとに戻り、ウランは男の首をベルゴの前に投げつけ、馬から飛び降りて騎士礼をする。
「ベルゴ様、敵の首級をお贈りします。戦士たちは異教徒の血を我々の女神に捧げました」
その後、ウランは馬に乗り、ベルゴのそばに戻ってくる。
「ベルゴ様、なぜ攻撃を続けないのですか?奴らの王都ベリンウドを包囲すれば、イビリヤスの臆病者どもは自然と降伏するでしょう」
「狩人としては忍耐が必要だ。イビリヤス人はまだ抵抗する力がある。焦ることは獲物を捕まえられねえからさ。今調整に戻って攻城兵器が揃ったらベリンウドを包囲する。お前は勇敢だが、まだ学ぶことがたくさんあるぞ、ウラン」
「ベルゴ様、了解しました」
この時、ファルザードもベルゴのそばにやってきた。
「よくやった。ファルザード、お前の魔導士たちは素晴らしい」
「くっ、北方の魔導士もたかがそれだけか。もっと強いと思っていたが、どうやら期待はずれだったようだな。カン、遠慮せず俺たちがいる限り、北方の魔導士はただのゴミに過ぎない」
ベルゴは驚いた様子だったが、すぐに笑い出した。
「本当に面白いね、俺をカンと呼ぶようになったな。それが何を意味するか知ってるか、ファルザード?」
「ハハハ、大地の女神が見ていますよ、僕はうそをついていません。カン、誰もがあなたがイム・カンよりも優れていることを知っていますから。この帝国のカンは遅かれ早かれあなたのものでしょう」
「はあ、兄は手ごわい相手だぞ。彼とは長い間一緒にいたからさ…彼にはあまり勝ったことがない」
「カン、そんなに慎重でいる必要はありません。北方を手に入れれば、充分な数の魔導士と資金が得られますから、それだけでイム・カンと対抗できるでしょうね」
「北方を手に入れたら、その時に考える。もしできたらきっとお前の報奨がある」
「楽しみにしていますね、カン」
-オランスド帝国辺境-
オランスド帝国とイビリヤス帝国の国境を越えて、多くの騎士と魔導士がイビリヤス帝国の王都ベリンウドに向かっている。
彼らは最強の遊牧帝国に対抗するために派遣される。
カリーナ女王とパウロ三世も行軍中。
カリーナは桃色の竜馬に乗り、パウロ三世は白い竜馬に乗っていた。それにカリーナの周りには王宮騎士団とイビリヤス帝国の軍の高層たちが戦略を練っている。
この時、長髪の美しい男性がカリーナのそばにやってきた。彼はパウロ三世を見て、目差しで彼を呼びかける。パウロ三世はすぐに近づいてくる。
「主教様、僕の行動は正しいでしょうか?女神たちの意志に反しているでしょうか?」
主教は微笑みながら答えました。
「あなたは素晴らしい仕事をしていますよ、殿下。女王陛下の指示に従ってくださいね。彼女は北方の未来のためにすべてを行っていますから」
パウロ三世は頷いた。
「主教様、理解しました。必ずやり遂げます!」
ベリンウドの主教は馬に乗ってカリーナに近づき、お互いに挨拶する。
「女王陛下、こんにちは。僕はベリンウドの主教ですが。うわさ通り、あなたは本当に美しい方ですね」
カリーナは微笑みながら答えた。
「3号…いいえ、ベリンウドのルイ主教、お会いできて光栄です」
「僕たちの女神教会は、南方の野蛮人に対抗するために貴国と合併できることを喜んでいますよ」
「あなたの助けがなければ、私たちはこれを成し遂げることはできませんでした。ありがとうございます、ルイ主教」
「どういたしまして、女王陛下。これは僕たち共通の教団のためですから」




