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夕日下の葬儀

 液体に包まれながらも、オエリはロランドの言葉に従い呼吸をしないようにしていたが、自分の肺も限界に近づく。しかし、これが最も恐ろしいことではなく、視界は真っ暗で何も見えない。

 オエリは本能的に魔力を使い、凄まじい魔力で自身を包んでいる液体を一瞬で振り払う。

「ホッ…もう少しで窒息するところだった…」

 彼は封鎖された空間にいて四方は明るく照らされ、奇妙な石のレンガでできた壁に囲まれると気づいた。

 ついに束縛から解放されたオエリは一時的に息をつくが、敵は彼に一切の機会を与えない。

 高温の拳が彼に向かって激しく振り下ろされるが、幸いなことにオエリはその拳を避けた。

 でも高温は地面の岩やレンガを溶かし、熱い溶岩が飛び散う。

 よく見ると、それは溶岩巨人だった。その化け物は巨大で、全身が高温の溶岩と漆黒の玄武岩の鎧に覆われていてその姿はとてもかっこいい。

 再び勇者を攻撃する溶岩巨人が咆哮するが、オエリは回避せずに直接剣風を使って反撃する。しかし、硬い岩の鎧は剣風を防ぎ、いくつかの砕けた岩がオエリに命中した。

「痛い…しまった!」

 次の一撃を避ける時間もなかった。オエリは一拳で壁に吹き飛ばされ、巨大な衝撃力が周囲に深い穴を残していた。

 オエリは軽い傷を負ったが、ゆっくりと立ち上がり、溶岩巨人に向かって立ち向かう。

 その時、もう一体の溶岩巨人がゆっくりと仲間の方へ移動している。二体の巨大な溶岩巨人が勇者を睨みつけ、拳から溶岩が溢れ出ていく。

 その溶岩が溶岩巨人の体とパンチから絶えず流れ落ち、地面に落ちると火花が散るのが見える。

 オエリは空中に小さな金髪の女の子がいるのに気づき、彼女の周りにはビリビリと音の電光が回っている。

「ええ〜、勇者ってそんなもんですか〜。じゃあ、これはどうだ!」

 5号が言い終わると、巨大な雷銃がオエリに向けて発射され、通過したところはすべて高圧になり、そこには電気が充満している!

 オエリの瞳には勇気の印が浮かび上がり、全身から巨大な魔力が放出され、彼は雷銃に向かって一撃を加えた。

 巨大な剣風と魔力が海嘯のように地面のレンガや木の根を巻き上げ、瞬く間に目の前の溶岩巨人と雷銃を全て消滅させた!

「これはなんの魔力だよ!」

 5号は怯えて自らを液体で包み込み、迅速に地面に潜り込もうとしたが、もう手遅れだった。

 5号から身に付いた液体が蒸発し、彼女も大きなダメージを受けた!不死者である彼女は痛みを感じず、再び死ぬことはない。そしてボロボロの体が再び集まり、元通りに復活し始める。

「ロサナ様から聞いたことはあるが、勇者の力は想像以上に強力だな…魔王ですら対抗が難しいのは納得だ、こりゃまずい…」

「甘すぎる…勇者様の魔力は直接世界樹から得るのよ。それに女神アニナ様からも直接授かった力もあるぜ。今降伏すれば、お前を見逃してもいいぞ」

「黙れ、女」

「お前も女じゃないか?それに、今の勇者様には勝てないわよ!諦めなさい!それにお前の命を助けたぞ…あっ、ごめんなさい…」

 7号が剣をロランドの首に突きつけて、口を閉ざさせる。そしてオエリは既に白い剣を持って7号に向かっていた。

「彼女を放せ!」

「いいよ、貴様の命を代償にしろ!」

「神行!」

 オエリはため息をついた後、翼を広げ、一瞬で7号のそばに飛んでいた。

「速い!」

 彼は拳で弱い7号を痛烈に打ち、彼女を一撃でぶっ飛ばす。ロランドを救ったものの、彼女はオエリに怒った。

「勇者様は女神の力を使う必要なんてないわ!それは寿命を削るだけよ。それは魔王と戦うときに使うべき力なの。わかったの?」

「わかりました…」

 彼女の不平を聞いた後、オエリの翼は羽に戻り、瞳の勇気の印も消えていく。

「未熟者だけど、それでも…助けてくれてありがとう、勇者様」

「ロランドさん…」

 二人は遠くにいる5号を見つめ、彼女はまだ体を修復していたが、ほぼ完全に回復した。

「まだ終わってないわ、おのれ勇者め!」

 5号はすぐに灰色の液体で自分を包み込み、すぐにアメーバのような生物が現れた。

「これからが本番よ、全力でてめえを倒す!えっ、なんでこんな感じ?この場面、なんだか変…」

 5号は何かを思い出したようで、少し動揺している。不注意のため、オエリは彼女のそばに来た。

 慌てた5号は仮足でオエリに連続攻撃したが、攻撃は彼に当たらず、逆に白い剣に切り裂かれ、地面は灰色の液体で覆われていた。

 オエリの連続攻撃は5号を弱らせ続け、彼女はすぐに距離を取り、巨大な魔力球で反撃しようとする!

「勇者様!この技を使うとき、彼女は身動きが取れません。今です!」

「了解しました!」

 オエリは再び翼を広げ、5号が魔力を集中させている間に剣で彼女の体を切り裂いた!その魔力球は消え、5号を包んでいた灰色の液体もすべて消失ていく。

「なぜあたしの弱点まで…あの女はどうやって知ったのよ…」

 女神の浄化属性を持つ魔法攻撃により、5号の傷は再び回復するのが難しくなった。彼女は地面で苦しんでいるが、まだ勇者を倒すことを試みる。

「もう十分だろ…昔と同じ、何をしても無駄だ」

「えっ?何を言ってるのよ?」

 ロランドはゆっくりと5号の前に歩み寄り、彼女の金髪を撫でて、その目は悲しみに満ちていた。その時オエリは後ろに退く。

「だって、お前はあたしの友達だし、あたしの心を救ってくれた人でもあるわよ。もう忘れたの?アリシア…」

「アリシア…その名前…ああ、頭が痛い!」

 5号は頭を抱え、その名前が彼女に苦痛をもたらしているようだ。

「ロランドさん、これは何が起こっているのですか?」

「やっぱり、あのロサナという奴は、彼女の魂が世界樹に戻ることを阻止するために、彼女の魂に呪いをかけ、しかも改造した。それによってアリシアは永遠に死ぬことができず、苦しみ続けているのよ」

「では、どうすればいいのですか?」

「勇者様、あなたの力を必要としています。この子の魂を救ってください」

「わかりました」

 ロランドは勇者の手を取り、彼の手を5号の頭に置く。しかし、5号は抵抗して触らせたくなかった。

「勇者と聖女は女神の使者であり、世界樹を通じてこの世界で休むことのできない魂を追跡できるはずだ」

 それとオエリは心の中で感受し、手の甲にある勇気の印が光り始める。

 5号の束縛された魂を成功裏に顕現させた。

「勇者様、お見えになりましたか。それが束縛された魂です…」

「それが…感じが悪いな…」

 5号の上方には、極度に歪んでミイラ化魂がある。その魂はずっとに動き、鎖から解放されようとしている。

「あの鎖を勇気の印で解除してください、勇者様」

「承知しました」

 オエリは発光する勇気の印を使って近づき、ミイラ化魂はさらに苦しんでいたが、彼は鎖を解除した。

 やっと魂は自由に戻った、ミイラ化魂は人間の姿には戻っていない。

「次はあたしに任せてください」

 ロランドは地面に魔法陣を描き、摧残された魂を再び浄化し始めた。

 この時、ミイラ化魂が光り始めた!

「最後はあなたとこの世界の媒質もの…」

 ロランドは火魔法で一通の手紙を燃やし、魂の名前を大声で呼び始める。

「これがあなたがこの世界に存在する証です。思い出して!アリシア!」

 ミイラ化魂は苦痛の叫び声を上げ、彼女は死ぬ前の姿に戻った。

「アリシア…」

「ありがとう…ロランド。あたしを覚えていてくれてうれしいわ。思い出させてくれてありがとう」

「うん、もう自由だ。約束を果たして葬儀を手配するね…安心して世界樹のもとに戻ろ」

「はは、本当に面倒をかけたわ。でも…まだ一つ言わないことがあるわ」

 アリシアの魂は耳元でロランドにささやいて、ロランドの瞳は驚きで大きくなった。

「もう時間がないの…あなたと再会できて嬉しい。無料の葬儀はあなたにお任せするわ、本当にあたしのためにしてくれてありがとう…ロランド、さようなら」

「うん、さようなら」

 アリシアの魂はゆっくりと消えていき、ただの死体が残る。その時、上から音が聞こえてきた。四人の仲間が駆けつけて助けてくれたようだ。

「おい!大丈夫?」

「フェリクス様!」

 フェリクスは使魔デュークから飛び降り、オエリとロランドを抱きしめる。

 みんなが無事であることを確認しあっている最中、転送門が開かれる音が聞こえる。

 どうやら7号はすでに転送門を通って逃げていった。フランドはすぐに近くの装置を調べていく。

 その時地面が崩れ、振動が始まった、どうやらここも迷宮の一部だね。

「この場所も崩れてる。あいつ位置を設定したから、行こうぜ!」

 ジャクソンとディランはアリシアの遺体をデュークに乗せ、魔王の迷宮を出て行く。転送門を抜けた後、ここはオランスド帝国の領土であることがわかった。

 高い塔にはオランスドの赤い旗が掲げられているし、周りは広大な葡萄畑だ。

 アリシアの遺体は藁の山に置かれ、ロランドは手に持った松明を投げ入れる。みんなは祈りながら炎を見つめている。

「あなたは今後どうするつもりですか、ロランドさん?」

「勇者様、アリシアの遺灰を故郷に持ち帰り、彼女が生前達成できなかったことを成し遂げたいと思っています」

「わかりました…」

「本当に申し訳ありません、勇者様。わたくしだけでは勇者様をサポートできません。代々勇者と聖女を守る聖剣騎士団だけが最も信頼できる仲間ですし、彼らを探してみよう。彼ら、きっと勇者様とルーナを探しているはずです」

「聖剣騎士団ですか…」

 最後にアリシアの墓は葡萄畑の遠くの丘に設置された。ロランドは簡素な墓碑に花を手向け、手には彼女の遺灰袋がある。

 夕日がゆっくりと沈んでいき、みんなは神官の孤独な姿が丘を下りていくのが見えるだけだ。

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