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 レイラとルーナは階段の前で立って、上の様子を警戒している。そしてレイラは点灯していたたいまつを全部消して、見られないようにした。

「ルーナ、何が見える?邪教徒か?」

「レベルとマークだけ見える。相手を直接見ないと、属性やスキルはわからない」

「そうか……」

 二人は頷いて別々に行動を開始し、暗闇の隅に隠れる。ルーナは剣を出現させ、レイラはすでに魔法を準備していた。

 その時、薄暗い灯りが徐々に階段全体を照らし始め、金属の輪の音とブーツの歩く音が聞こえてきた。手に持っていた灯りがすぐに地下牢全体を照らす。

「わあ、アンデッドいっぱいだな…情報通りだね」

 声は若い女の子のもので、自信と力に満ちている。

 レイラは雷魔法の縄を使って相手を捕らえようとしたが、相手は身のこなしが素晴らしく、転身して避けた。

 手に持っていた灯りも地面に落ちたが、割れなかった。

「ルーナ!彼女はただ者じゃない!」

「彼女の属性高い過ぎた、本気でやろう!」

 不利な位置にいながらも、その女の子は慌てずに腰から精巧なシャムシールを抜いた。ルーナが先に突進して彼女と交戦するが、暗い地下牢で火の光がちらつく中、ルーナは彼女を直接倒すことができなかった!

「厄介なやつね!」

 ルーナが相手をなかなか倒せないのを見て、レイラは土魔法を唱え、六つの巨大な手がその女の子を捕らえようとしているが、やはり逃げられた。

「魔導士か、お前から始めよう」

 女の子は素早い速度でレイラの前に現れ、すぐにレイラの腕を切り落とした。でもそれは土で作られた像だった、本物のレイラはすでにルーナのそばにいる。

「反応が早いな、向こうの魔導士の女の子」

「ええ、こんな状況は既に経験済みだわよ。近接戦が強い相手には油断しない」

 地面の灯りが広い範囲を照らす。三人はお互いの顔をはっきりと見た。

 身のこなしが素晴らしい女の子は、遊牧民特有の服を着ていた。白いフリルのスカートと淡い青のコート。彼女の顔立ちは精巧で自信に満ち、茶色の髪は美しかった。

「殺す前に、お前らが誰か教えてくれるか?こんな場所に人間の女の子が来るとは思えないが」

 レイラは彼女の服を見て何かを理解したようだ。

「クイリザルの服だ!あんたはクイリザル人?」

「うん…どうした?おかしいのか?ここはクイリザル・カン国の領土だからな」

「え⁉…」

 レイラはそっとルーナのそばに来る。

「あの子はアンデッドか?」

「違うわ、彼女は属性が高い人間。でも、そんなに戦闘能力がいいのは普通の人間じゃない。多分、魔王教の手先だろうね」

 クイリザルの女の子は聞こえたらしく、シャムシールを持って二人を指す。

「逆にお前らはどうやってアンデッドじゃない、または魔王教の信者じゃないと証明する?それに、魔王教の信者がこんなにズボンも履けないアンデッドを何に使うっていうんだ?」

 アンデッドは鉄の扉を叩いたり、壁にぶつかったりしているが、反応はなかった。いくつかのアンデッドは彼女たちを見ていたが、多分ただ食べたいだけだろう。

 ルーナは魔法を解除して、両手を上げて敵意がないことを示した。

「ごめんね、敵だと思ってた。私たちは転送門から来たから、ここがどこか分からないんだよ。あ!北から来たんだ、ここは本当に北じゃないのか?」

「北から来た二人の若い女が、普段誰も見てない墓地を転送門で訪れて、下は真っ暗でアンデッドだらけの地下牢で、しかもその腕前も魔法もすごいって、信じろっていうの?」

「ええと…そう言われると怪しいよな…あはは…」

 レイラはため息をついて、高そうな指輪を取り出した。

「これで証明できるかな?これはオランスド帝国フェリウェム伯爵家の指輪で、亡くなった母の名前が刻まれてるし」

「ちょっと!レイラ。そんな大事なもの!」

「大丈夫」

 そう言って、その女の子の前に指輪を投げて、ルーナと同じように両手を上げる。

「分かった…」

 クイリザルの女の子はシャムシールをしまって指輪を拾い、じっくりと見た後、レイラの前に戻って指輪を返した。

「それはお前の母さんの形見だろ、大事にしろ。それにお前らさ、あたしを盗賊だと思ったの?そんなもんはいらないから、持って帰れ」

「えっ!はい…ありがとうございました」

 でもクイリザルの女の子は振り返って二人を見る。

「ちょっと待って、あたしと一緒に来い。お前らはあやしいから、地元の警察に協力してもらう必要がある」

「「はい……」」

 レイラはその女の子とすぐに行く気はなかった。まだやるべきことがあるからだ。

「この機械を壊してから行くんだ、いいか?」

「レイラ、それじゃあ任せた。先に上に行くぞ」

「えー…」

 クイリザルの女の子は驚いたが、手を出さずにルーナと一緒に上に行った。その後、レイラは火球を使って周りを燃やし、機械も壊した。

 レイラが上に来た時、二人はすでに教会の中で待っていた。その戦争の女神の教会はボロボロで、頭を上げると空が見える。

 その時の天気はとても晴れていて、太陽が眩しい。下の暗くて恐ろしいダンジョンとは全く違った。

 その女の子が言った通り、ここは墓地だ。外には墓地が広がっていて、たくさんの鮮やかな花が咲いていた。墓地全体がとても心地よい。

「お前らが魔王教の人間じゃないのは分かった。ザーラだ。お前らは?」

「ルーナ・レイバウェス」

「レイラ・フェリウェム」

「じゃあ、行こうか」

 ザーラは青い竜馬に乗って、二人について来るように合図する。

「ええ?私たち歩いて彼女は馬に乗るの?」

「もうルーナ、文句言うな。実際に飛んで行けばいいんだから」

「そうだよね」

 ザーラは笑って、何か信じられないことを見るような顔をする。

「ここは人里離れてるからな。竜馬でも三日は走らないとユルトが見えない。飛んで行ったら、きっと疲れ果てて死ぬだろね」

「「……」」

 -王都フィラ-

 オランスド帝国は独立記念日を迎えたけど、街中はピリピリしてて、店も開いてないし、露店も出てない。

 クイリザルの大軍がいつ侵攻してもおかしくないって噂が広まって、みんなイライラして王都の広場や通りに集まってる。

 お年寄りはクイリザルに征服された暗い日を思い出したくないってため息ついてるし、若者は広場で旗を振り回してる。

 でも今日は大事な客が来るんだ。

 女王カリーナがおしゃれな服を着て、広場の中央の演壇に現れる。近くには彼女を守る王宮騎士たちがいる。でも騎士たちが守ってるのは他にもいて、その中の一人は高級な服を着て王冠をかぶってる若い男。

「皆さん、こんにちは。炎天下にもかかわらず私のスピーチを聞きに来てくださり、本当に感謝しています。今や私はこの土地の新しい主、新しい女王ですが、皆さんの支援であっての今日の私がいる。その支援と励ましにより、前進し続けることができます。しかし、今日は独立記念日で祝うべき日なのに、祝うことができません。皆さんもご存知の通り、野蛮な南方の異教徒たちが再び北方の神聖な土地を踏みにじり、知恵の女神の神聖さを汚そうとしています。帝国の新しい主であり、グレーオ大帝の後継者である私は、そのような野蛮人たちが好き勝手に振る舞うことを決して許しません!オランスドの人々が暗黒時代に戻り、野蛮人に奴隷として扱われる日々を望むはずがありません。私たちは最後まで抵抗し、南方の野蛮人に頭を下げることは絶対にありません!知恵の女神が我らを守りますように!」

「「「知恵の女神が我らを守りますように!」」」

 カリーナの演説で、みんなの愛国心が燃え上がって、オランスドの人々のスローガンを叫んで、赤い煙が上がって、敵との死闘を示してる。

「皆さんの熱意と愛国心を感じていますのよ!さて、ここで重要なゲストを紹介させてください。彼はイビリヤス帝国の若き国王、パウロ三世です、彼はすでに私の夫となりました。時間が迫っているので、ここで重大な発表をします。イビリヤス帝国はオランスド帝国と統合し、新しい国家——オランスド・イビリヤス連合を形成します!東オフリック王国のイビリヤス帝国と西オフリック王国のオランスド帝国は、グレーオ大帝以来の長い分裂を終わらせました!スカエリヤ帝国もこれに続き、真の統一を実現するでしょう」

 広場のみんなは拍手して、その決定を支持している。

 グレーオ大帝はオフリック帝国を全北方に広げたけど、死んだ後、帝国は東オフリック王国、西オフリック王国、南オフリック王国の三つに分裂した。それから北方は統一されてなかった。

 すぐに二国の君主が新しい国家建立の協定書にサインして、正式に合併した。

 新しい王国ができて、カリーナは演壇に戻って、もう一つの大事なことを宣言する。

「私たちは正式にクイリザル・カン国に宣戦を布告する!南方の異教徒の挑発と侵略を阻止するためです!北方の尊厳を守るために戦え!」

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