救出作戦6
「お前を生き延びさせてあげる代わりに私たちに転送門を開いてくれ。これが私とお前の間の取引だ」
ベアベルはあの怪物を一瞥した後ルーナを見て再び立ち上がる。
「残念だけど、生き延びたいと思っても教団を裏切ることはしない」
「それで意味のない死を選ぶのか?」
怪物はすぐに手を再生させて、二人に向かって吠えながら突進した。
巨大で力強い拳がすべてをなぎ倒し、枝を舞い上がらせる。
二人は拳を避けながら距離を保ち、互いに不信感を抱き、突然の攻撃を警戒している。でも現実はそんなことを心配する余裕はなかった。
怪物の拳はどんどん速くなって、ベアベルは一発で殴り飛ばされ、木に激突して身動きが取れなくなった。
ルーナは一人で怪物に対峙しなければならない。彼女は剣を振って怪物の拳を必死に防いだが、怪物の一拳一拳の力は驚異的で、ルーナは苦戦しながらも最後は打ち飛ばされた。
彼女は翼で空中で急停止して木にぶつからないようにした。
「なんて力だよ…しかも盾とかを無視するスキルのせいで全然防げない…」
怪物はルーナが遠すぎると見て、近くのベアベルに狙いを変えた、その時ベアベルはやっと意識を取り戻したところだ。
彼女は目を開けると怪物が自分に向かってくるのが見える。長年の戦闘で培った技術と戦士の本能で彼女は再び剣を出して攻撃を阻もうとする。
彼女は魔力を集めて剣から剣風を放ったが、怪物は彼女の剣風をかわすとともに、彼女の首を掴んだ。ベアベルは痛みで唾液を垂らすとともに、窒息で苦しみ始めてきた。
ルーナは飛んできて、剣で怪物の背中を刺し、強大な魔力で怪物を引き裂いて怪物は真っ二つになった。
ベアベルは救われ、怪物の手を切り開いて逃れたけど彼女の首には鬱血ができて、自分も大きく呼吸する。
「大丈夫か!」
「はあ…はあ…死ぬところだった…」
「これでわかったか、お前と戦うつもりはないの…ん?」
ルーナが言い終わらないうちに、怪物は尾で彼女を打ち飛ばした。真っ二つになってもまだ戦えるとは、隣のベアベルはすぐに怪物の死体から離れ、ルーナの位置を確認する。
「聖女!死んだのか」
「いててて…もちろん死んでない…」
「さっきのは子供の遊びだったんだ、今からが本番だぞ」
怪物の死体は魔物の結晶にならず、さらに巨大な紫黒色の肉塊に凝集し始める。徐々に中から竜のような爪と竜のような胴体が出てきた。
「どう言ったらいいのかな、僕たちの運は本当にいいね、まさか魔竜に出会えるなんて…」
「もう見てたわよ」
元々大きかった怪物はさらに巨大になった。巨大な翼と雪白な爪は竜の強さを際立たせ、巨大な尾は木幹を巻き付け、翼を扇いで強風を起こす。
魔竜は貪欲な目で二人をじっと見つめていた。もしかしたら彼女たちだけではお腹が満たされないと思っているのかもしれないしな。
それは二人の聖女に向かって大声で吠えて怒りの咆哮は迷宮の森に響き渡り、近くの魔物たちはさらに近づかないようにした。
ルーナは万物透析というスキルで相手のステータスを細かく見て、急に不安になった。
「なんで奴だ。だから変身スキルまで持ってるのね、嘘だろ!数値がこんなにも上がってるなんて…チェ!さすが魔竜ね、本当に厄介な奴だな」
「目は便利だね、でも悪いこともある。それは絶望を見ることだ」
「今そんなこと言ってる場合か?こいつはやばいぞ!」
「そうだね、なんとなくここで死にたくない気がする」
「それなら感謝してるよ」
ベアベルもルーナも翼を広げて、二人の聖女は左右に分かれて魔竜に警戒する。
魔物の中にはたまに魔竜のような化け物が生まれることがある。魔竜はこの世界では魔族大将に次ぐ存在だ。動物の本能しかないけど、非常に手強くて、数人の金剛級の冒険者でもなかなか倒せない。
「クソ7号、お前は先に死ぬなよ」
「安心しろ、貴様が死んだ後に僕が死ぬさ」
二人は見つめ合って笑った後、戦闘態勢に入って共に強敵に向かう。
その向こうの魔竜は口を開いて、二人に向かって灼熱で恐ろしいビームーを放って、ビームーの高温で漆黒の根っこが焼き穿たれた!
-制御室-
(ルーナのバカ!勝手に出て行っちゃって、これじゃあお兄ちゃんとフェリクスは誰かが守ってくれるの?あのボロボロの石レンガの扉じゃあ、あの魔物たちを防げないわ、どうしよう…)
レイラは足元に何かが自分に向かって高速で近づいているのを気づいたが、もう遅かった。
スライムのような灰色の液体が地面から浸み出してきて、レイラが飛び上がろうとしたときにはすでに両足がくっついてしまった!
彼女は水魔法で足元の粘性の液体に攻撃したが、全く効果がなかった。
しかも液体はどんどん増えて、レイラを包み込んで呼吸も魔法もできなくなった。
突然その灰色の液体に地面へ引きずり込まれて、彼女は真っ暗な中に落ちていった。
光が見えるようになったとき、身体から変な液体が消えていって気づいたら変な場所にいた。
周りは乱雑な根っこで、明るい灯りが照らしてここは明らかに人がメインテナンスして、それに迷宮の入り口のように見える。
レイラは大きく息を吐いて、ゆっくりと立ち上がってそのとき、背後に人がいるのに気づいた。
「誰!えっ⁉」
彼女の後ろに現れたのはハルカだった。でも彼女だけじゃなくて、金色の魔女の印を持つ女の子と長髪の美少年もいる。
「5号に彼女を連れてきてもらったのよ、レイラちゃん。今は彼女を苦しめる絶好の機会じゃないか?」
長髪の美少年はハルカの髪を撫でながらレイラを見ている。レイラはハルカの様子が変だと感じたが、何と言っていいかわからない。
「レイラちゃん、目の前の人が大嫌いでしょう、彼女は君のすべてを奪った悪女だぞ。しかも君の大好きなお兄ちゃんを、君の身分や地位や家族を、彼女のせいでもう君のものじゃなくなったんだよ。どう?すごく憎いでしょう」
(このクソ野郎は嫌いだけど、言ってることは全部正しい。私はどう反論したらいいかわからない、というか私が口を挟む余地なんてないわ…でも…)
「ハルカ…違う!…私…」
「黙れ!」
ハルカの大きな怒鳴りにレイラはびっくりした。
「お前はただの偽物!今からお前をぶっ潰す!」
ハルカは魔法を使ってレイラに攻撃を繰り返す。ハルカは全力を出していなかったが、魔法の威力は十分に人を傷つけるもんだ。
レイラは反撃もせず、魔法で防御もせず、ハルカの攻撃を受け続けているだけだ。そのせいでレイラは重傷を負って肋骨が折れる音が聞こえたし、彼女の口角からも血が流れる。
そばにいた5号も見ていられない。
「おい!3号!これは最初に言ってたことと違うだろ、部長が怒るのよ」
「黙れっ!今は最高の演出だぜ、こんなに素晴らしい瞬間はめったにないんだからよ」
「ひどい趣味の奴だな…」
さっきの攻撃でレイラはついに倒れて起き上がれなくなった。そこでハルカも止まった。地に横たわるレイラを見て、ハルカは少し正気に戻ったらしい。
「お前はバカか?なんで反撃しない…魔法の盾とかも使わないなんて…」
「だって…私…あんたのすべてを奪ったのは事実だから…」
「……」
3号はまずいと感じて、ハルカの肩を叩いて、彼女に洗脳を続けようとする。
「あいつの言うことを聞くなよ、あの言葉に惑わされるなよ。君は君だ、君こそが本物のレイラ・フェリウェムだよ。あの偽物があんなことを言ったのは…うん?」
ハルカは力強く彼の手を振り払って彼の言うことは全く聞いていなかった。
「それはお前に関係ない、これは私と彼女のことだ」
「そうか…残念だな、お兄さんはただ助けてあげたかっただけなんだけど」
ハルカはレイラのところに走っていって、彼女に治療をしている。
でも3号が彼女の後ろに現れて、さっと手を振って、ハルカの頭を切り落とした。
ハルカは最後に液体になった。
「もう飽きた、つまらないよ。さあ5号、魔女候補を部長に渡してくれ」




