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革命軍3

 前線の戦場は非常に激しい。イビリヤス帝国が正式な部隊を派遣して革命軍を殲滅しようとしている。正規軍に敵わない革命軍は占領していた農村を放棄して山に退いた。

 でも、今の山でも安全ではないだろうね…

 このとき、山中は穴と死体だらけだ。敵方の魔導士が火魔法で攻撃し続けて、革命軍は森の隠れ場を失って陣地を放棄する。

「ロランド!何をしてるんだ!早く戻ってみんなを連れて行け、ここはもう守れない」

「だめだ!あたし神官だから!」

 革命軍の長官は彼女に村に戻って村人たちを逃がすように言った。でもロランドはまだ負傷者を救おうとしている。長官は彼女の手を振り払って押しのけた。

「早く行け!ここで死んだらあの村人たちを救える者はいなくなるぞ!」

 素朴な村人たちの顔を思い出して、ロランドは拳を握りしめて決心したようだ。

「…じゃあ、気をつけて…」

「うん」

 神官であり医者である彼女は、仕方なく患者を見捨てて逃げることを選んだ。彼女は心の中で自分を嘲笑する。

 馬に乗って陣地を急いで離れて振り返ることもなかった。なぜなら、彼女はまだ助けるべき人がたくさんいると知っていたからだ。

 しかし、帝国の騎士たちはすでに陣地に突入していた。ロランドの後ろには飛んでくる矢があった。

 ロランドは後ろを振り返って追っ手を見る。彼らは弩矢を持っていて馬の後ろには帝国の旗が目立つ。

「くそ!もっと!」

 ロランドは帝国兵士たちを村に引き込まないように、森の中で追っ手を振り切ろうとする。

 そして、全く違う道に逃げて、ついに森に入った。

 勿論帝国兵士たちは二手に分かれて神官を包囲しようとした。

 そのままでみんな一緒に森の中に入った。

 でも森の中の小道は狭くて、腐った枝や散らばった葉っぱがいっぱいだ。

 相手は剣を抜いて、加速する。ロランドの馬は倒れた大木を越えて、険しい道で互いに追いかける。

 帝国兵士たちの姿は森の木々の間を通って、互いの距離はとても近かいし、まるで彼らの息づかいも聞こえるかのようだ。

 時々、後ろから弩の引き金の音が聞こえてきた。意識的に上半身を伏せて避けて常に警戒を保っている。さもなければ命なし!

 でも、このままでは追いつかれるのは時間の問題だ。しかし、一本の弩矢がロランドの馬に当たった。馬は空に向かって鳴いて咆哮した。最後には力尽きて倒れてしまった。

 そのせいでロランドは馬から落ちて転がって顔中が泥だらけだ。

「いてぇ!めちゃ痛いよ…」

 五人の帝国兵士が馬から降りて、ロランドを斬り殺そうとしたとき、別の影が現れて帝国の追っ手たちを撃退した。

「大丈夫か!神官様!」

 ロランドは聞いて、団長だとわかった。彼女は飛び降りて帝国兵士たちと対峙している。両者は距離を保つ。

「団長様!なぜ?」

「偵察していたときに、あなたが追われているのを見たからさ…」

「今目の前の敵に集中しよう」

「そうだな」

 この機会に、ロランドは団長に加護を授けて力を強化した。でも団長本人はすでに魔法の加護を持っていた。

 帝国兵士たちは簡単にはやられなかった。奴らは団長を囲んで剣を振り回す。団長はやはり百戦錬磨の戦士だぞ、この程度は防げられるはず。

 帝国兵士の剣は雨のように団長に振り下ろされてこれだけで防ぐのは相当大変だった。

 団長はまだゆっくりと後退した。魔法の加護は魔力を必要としたからだ。

 帝国兵士は徐々に優勢になってついに団長の腕に刺さった。彼女はロランドのそばに退いた。

「くそ!鉄級以上の精鋭兵士だよな、一人倒すのも大変だし…しかも、奴ら魔法の加護も必要としないなんて私たちを見下してるのか」

 これが最悪の状況ではなかった。森の中にはますます多くの帝国兵士が現れてしまう。彼らは抵抗する団長とロランドを見て、さらに包囲を狭めてきた。

「もう逃げられない…」

「神官様…死んでもあなたを逃がしますから…」

「そんなこと言うな!」

 二人が終わりだと思ったとき、突然地震が起きた。遠くの大地が裂けて、地面の泥と巨石が滑り落ちて、地面に落ちて煙を巻き上げる。

 煙の中には山がゆっくりと動いている。黒くて巨大な影が地面の全ての人に覆いかぶさって、見ているだけで息が詰まってしまう。

 煙が晴れてみると、それは巨大な石の亀だった!まるで山のように大きい!革命軍の魔導士はロランドにそれが古代兵器だと教えてくれたが、自分の目で見るのは初めてだ。

 体型はあまりにも巨大すぎて、場にいた全ての人は自分の目を信じられない。

 亀の四肢は前に動き続けて一回動くたびに巨大な振動が起きる。

 空から雷が落ちて、団長とロランドを囲んでいた帝国兵士たちを倒した。彼らはめちゃいいお香りを放った…

 上を見ると、巨大な亀の足はまるで要塞のようで上には革命軍の兵士と魔導士がいる。

 巨大な亀はゆっくりと前に進んだ。大地も震える。亀の上には革命軍の兵士だけでなく、いくつかの魔法武器もあって例えば火砲などだ。

 火砲と巨大な亀を使って、すぐに道を切り開いた。帝国軍は崩壊していく。

 ロランドと団長は革命軍の協力で亀の甲羅に来た。それは小山と不平等な道の群れだった。小山には花や草や木がある。

 団長は人に休養室に連れて行かれて、次の行動を準備する。ロランドは革命軍の仲間の案内で亀の頭に来た。そこには革命軍の金級魔導士――火の子が座っていた。

「前方は帝国軍の陣地だな。陣勢は大きいな、六万人以上だろう」

 彼は前方の戦況を視察していた。ロランドが来たのを見て立ち上がって二人は遠くの帝国軍の陣地を見る。

 火の子の隣には帝国の高級軍官もいるし、この前の戦えで彼は捕まっていた。戦争捕虜なのに、とても傲慢。

「そうだぜ!あっちはまだたくさんの兵士がいるぞ!今なら降伏すれば一縷の生きる望みがあるぞ!それをよく分かっておけ、それに、あっちには一人……」

「黙れ!」

 でも、ロランドは彼を蹴り倒し、口を閉じてしまった。

「あの子は結局これを起動したんだな。死ぬのに…」

「神官様、私たちも仕方なかったんですよ。帝国軍の人数と実力は革命軍より遥かに上だから。言ってみれば、アリシア様がいなければ革命軍もなかっただろう」

「今どこ?会いに行く」

「亀の体の中心にいるよ」

 ロランドは制御センターに来た。それは亀の内部の中心。

 ここには革命軍の人が行き来して、帝国軍に対処する方法を話し合っていた。

 中には円形の透明な球体がある。アリシアは来たロランドを見てすぐに元気になった。

「ああ、神官さん~よく来てくれて。逃げたと思ったよ」

 彼女の顔には汗がたくさんついていて、息を切らしていた。この古代兵器を操作するのにかなりの魔力を消費したのだろう。

「このまま王都にいって、奴らを一気に片付けられるのに」

「神官さんもそう思ってるんだよね」

「そうだよ、でもこれは無理…」

 二人は静かに前の画面を見る。そのとき、アリシアは突然血を吐いて、ロランドは急いで彼女に止血と治療をした。周りの人たちも仕事をやめた。

「心配しないで、続けろ。よかったね、あんたがここにいる…」

「まずは話すのをやめて、ところで魔力を使いすぎたんじゃないの」

「まあ、この古代兵器は意外と魔力を消費するんだよ、一つ言っていい?」

「うん?」

「あたしのために葬式をしてくれるか?」

「安心して、無料だぞ」

「ああ、安心した。お金はまだ少し貯めてあるんだよ、え!!本当に無料なの!!」

「そんなに驚くことないでしょ…」

「それはあんただぞ!神官さん」

「もう一言言ったら有料にするよ」

「はいはい」

 ロランドもこれが最後の会話だと分かっていた。時間が経つにつれて敵軍の抵抗は完全に消えていった。

 しかし奴らは陣地の近くに集まって最後の抵抗をしている。巨大な帝国軍の中には一群の人の服装が全く違う。一目で帝国軍の人ではないと分かる。

 彼らは黒いマントを着て、奇妙な仮面をつけて、それにその中の一人、赤い髪の奴が特に目立っている。

 でも、あの人が誰だろうと、敵全員やっつければ革命軍の今までの成果は守れられる!

「よし、最終レーザーを発射できるぞ」

 亀の口が徐々に開いた。画面を通しても熱くて危険な光が集まっているのが分かった。

 しかし、赤い髪の男はゆっくりと帝国軍の陣地の前に歩いていって関節を動かしている。

 それは奇妙な紫色の巨大なレーザーで温度が高そうだ。だって周りの背景が歪んでいる。それは空気が大きく揺れていたのだ。これ一発で陣地を破壊できるだろう。

 でも画面の中の彼は袖をまくって、戦闘状態をとった。あいつは本当にレーザーを防ごうとしているのか⁉あんな細い体でどうやって防げるというのだ⁉

 みんなは息を止めて少年を見ている。

 少年は素手でレーザーを防いだ。レーザーはまるで越えられない壁にぶつかったかのように四方に散らばって、近くの土地を焼き尽くした。

 土地が焦げて、硬い石が溶けてしまった…

 レーザーが焼き尽くしたところは彼の前に広がって、溶岩の海となる。

 熱い岩溶が波打って、泡を上げる。一つまた一つの溶岩の波が飛び散って、忘れられない光景になった…

 彼の後ろには兵士たちは声を上げて応援している。

 まさか両手であのレーザーを防いだなんて!あれは相当なエネルギーのレーザーだぞ!でも、一番怖いのは彼が何もなかったことだ…

「チェ!魔力が…」

 アリシアはレーザーの出力を止めてしまった。この技はかなり魔力を消費したのだろう。彼女はもう疲れていて話すのも震えていた。

 赤い髪の少年は残ったレーザーを一拳で打ち飛ばし、巨大な空気の渦が目の前の全てを吹き飛ばして目の前の溶岩の海を巻き上げる…

 彼の後ろには兵士たちの驚きの表情と歓喜の表情と恐怖の表情が入り混じっていた。

「あれは何だ…」

「信じられねえ…あの怪物め…」

「嘘だろ…」

 革命軍のみんなは呆然としていて、もちろんアリシアも驚いて言葉が出なかった。

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