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世界は私の我儘で出来ている。  作者: ツクヨミ
我儘に生きるって大変です。
4/35

3歳。我儘に農地改革。

この世界にも時間や曜日のようなものは存在していた。

陽の日とは日曜日のようなもので、基本的には休みの日というものだ。

陽の日の他に、風の日、音の日、水の日、光の日、月の日、地の日がある。

そんな約束の陽の日は、朝から動きやすい軽い布地で丁寧に仕立てられたワンピースをマーシャに着せられ、背中まである髪をハーフアップに纏められた私は、甘々な表情を浮かべる父親に抱かれ馬車に乗せられた。


「お父様、今日はどこに行くのでちか?」


ニコニコと私を抱いている父親の顔を見上げ尋ねると

「領主の仕事だよ。」

と微笑み、教えてくれた。


成長とともに色々と分かってきたことがある。

私の住む、カリミット王国は世界的には中規模な国で、父親の話によると南西部の川を挟んだ隣に大国であるソマール王国がある。カリミット王国は北東部を海、南西部が川という恵まれた立地にあるため、『農業』と『貿易』がこの国の主要産業だとのこと。

上級貴族であるクランべナー家は、王都からほど近い農村数か所と商店街が立ち並ぶ繁華街数か所を所有している。マーシャの実家が営むお店もその繁華街にあるのだとか。


クランべナー家の家紋が入った、小回りが利くのに品の良い馬車に揺られること1時間。

父親が私を連れてきたのは、広大な麦畑が青々と茂り、風に揺れて緑の匂いを巻き起こす長閑な場所だった。


「麦…」


父親に抱き抱えられ馬車を降りた私は、その光景に目を見開いた。

どこまでも続くような麦畑と、青い空との境界線に大きな1本のポプリの木。

前世の記憶の中の海外の絵葉書のような、誰が見ても美しいと思える景色だった。


思わず前世で何度も耳にしたCMソングを口ずさみたくなるその光景は『圧巻』であった。


「お父様、キレイでちね。」

思わず口から出た溜息に、父親は目を細めて答える。

「ここの民たちが愛情を込めて守ってくれている土地だからね。」


しばらく二人でぼうっとしていると、背後からおずおずとした声がかかる。

「領主様、この度は…」

この辺りを取り仕切っている町長である下級貴族だろうか。

彼の丁寧な挨拶を、父親は片手を上げて遮ると、娘の私から見ても眩しいくらいの笑顔を彼に向けた。

その仕草は『優しくて頼もしい領主様』という雰囲気を纏っていたため、思わず母親の口癖を思い出す。


―――ゼイウス様は無意識の人たらし。―――


町長の後ろでこちらを伺っていた民たちの間から小さな吐息が漏れるのを聞き、思わず口元が緩む。

お母さまの仰っていたのはこういうことですね。


目を引く美しい容姿に、物腰低く雰囲気が柔らかい父親は、青い目にはいつも未来を見据えているような強さも兼ね備えており、領主としては申し分のない存在として映るだろう。

そんな彼が実は「無駄な挨拶を長々とする時間があったら、自分の好きな人たちと話す時間にあてた方がいい」だとか「挨拶された所で、相手も私も仕事以上の付き合いを持ちたいとは思っていないのだから、その仕事を早く終わらせて家に帰りたい。」だとかを常日頃から思っているとは思うまい。


案の定、挨拶を遮られた町長も目をキラキラとさせて、領主である父親を崇拝するように見上げている。

これは、人たらしを通り越して宗教団体の教祖のような存在ではないだろうか。

帰ったら母親とその辺りの話をしてみようと、町長に案内されるまま歩き出した父親の腕の中で、私は考えていた。


近くにあったお邸がこの町長の家らしく、門を入ってすぐのところにある納屋には不思議な魔道具が並んでおり、それらは農作業に使う物だと説明を受ける。

本邸へと続く小道にはハーブや草花が色とりどりに花を咲かせており、淡い甘さが一面に広がっていた。

「これはラベンダーでちね。こっちはマリーゴールド、こっちがローズマリー。どれも可愛いでちね。」

私がそんな花々の様子を見ながらウキウキと歩いている様子を、周りの大人たちがニコニコと見つめていた。

「アテーナイエーお嬢様は植物に興味があるのですか?」

久しぶりの初孫に会った祖父のような表情で、尋ねる町長に私は胸を張る。


「私、うちの植物図鑑に載っているお花たちは全部覚えまちたから。」

「それはなんと、とても優秀ですね。」

彼の言葉に嘘はないと分かり、私は少しだけ調子に乗った。

「お父様とお母様の役に立てるようになるのが、私の使命でちからね。」

舌っ足らずに貴族令嬢らしく振舞う子供の頭を、父親が甘い笑顔を向けて撫でまわす。

「アテーナは私の宝物だからね。例え相手が王様であろうと、私の娘を手放したいとは思わないよ。」


貴方の幼馴染の国王には、私とそう年の変わらない子供が3人ほどいたはずです。

さすがに他人の子供より、我が子のが可愛いだろうと思いますよ。


それでも父親からの無条件の愛情は、私の心を温かく包み込んだ。


9回目の人生では、私に父親はいなかった。

自称父親はいたが、本当の父親は死んだと聞いていたのだ。

母親は女手一つで私を育てていたが、無理がたたったのか私が高校を卒業する直前に倒れ、亡くなった。そんな母親が倒れた時点で自称父親も姿を見せなくなった。

肉親を亡くした私を支えてくれる大人はなく、戸惑いと不安の中で生きていた。

そんな私の憧れだった『両親の愛情』を手に入れている今の生を、私は大事にしないと罰が当たる。


嬉しいは長くは続かないのだから。


父親は「ちょっと仕事をしてくるよ」と言って町長とともに執務室へ入っていったため、残された私は応接室に通され、お茶を飲んでいた。

庭で採れたというミントの茶葉を使ったお茶は甘く、後から鼻を抜けるような清涼感が癖になる美味しさで、ローズマリーを練り込んで焼かれたクッキーとの相性が抜群だった。

「おいちい」

ニコニコと味わう私を屋敷のメイドたちが優しく見守っていた。


仕事の話を終えた父親が応接室に姿を現し、町長がその後に続いて入ってきた。

「一部分だけが乾く土地か」

「はい、どういうわけか、その一帯だけは乾いてしまうため、作物が育ちにくいのです。」

「原因は分かっていないのか?」

「それが…数か月前に、たまたま通りかかったという王都に住む専門家の話では『呪い』ではないかと。」

「呪い?」

「西の森では小物ではあるものの魔獣が出ます。その悪さをした魔獣は成敗するのですが…その亡骸を埋める場所が近くにありまして。」

「魔獣の呪いだって?」

「専門家の方はそう仰っておりましたが」


なんとはなしに聞いていた会話はとても物騒だった。

魔獣は増えたり、森にある食料が尽きたりすると、町に下りてきて、農作物を食べてしまう。

丹精込めて育てている作物がダメになるくらいならと魔獣を狩るわけだが…前世でも山から下りてきて農民を傷つけた熊や猿を猟師が狩っていたわけだから、同じことなのだろう。

魔獣がいる森ということは、それだけ自然豊かだという証拠でもあるのだが。


呪いねえ…


王都の専門家ということは、王都にある植物研究所の研究員か何かだろうと推測できるわけだが。

なんとも非科学的な見解だ。


…あ。そういえば。

「トマトなら育つのではないでちか?」


ふと、昨日読んでいた本を思い出して口に出した。

この辺の他の作物はスクスクと問題なく成長しているのだから、土に含まれる雨からの栄養分などに問題はないと考えるのが常識的だ。

ならば、土そのものが水はけのよい素材なのではないだろうか。

そんな土に適した植物があった。


飲み干したお茶のカップを戻しながら発した私の言葉に大人二人が目を丸くした。

「アテーナ?」

「図鑑にも、お母さまの文献にもあったのでちが、トマトって乾いた土地の方が甘くなるんでちって。」

「…トマトが甘くなる?」


悲しい話だが、この世界のトマトは高級品なのだ。

前世では簡単に食べられていたトマトが食卓に並ぶのは稀なこと、しかも、記憶にあるトマトよりも酸っぱくて青臭いことが寂しかっただけに、小さな希望を提案してみた。

前世のスーパーでは小銭何枚かで買えた立派なトマトが、今世では高級腕時計並みの値段で取引されているなんて…

いや、ミニトマトに至っては、ベランダ菜園でも簡単に育てられたものだぞ。この世界のトマトは一種類だけだけど。(今のところ)


この世界で、そんな簡単に上手くいくとは思ってはいないが、前世の記憶の中ではベランダ菜園で、家計の出費を抑えていた経験がある私は、トマトが出来る可能性を低いとは思ってはいなかった。

そもそも、呪いで土地が乾くっていう考えが理解できない。

百歩譲って『呪い』を肯定したとしても、亡骸を埋葬した場所ではなく、その近くというのは意味が分からない。

畑や田を作る際には、盛り土をした小径を作って、区画した上で作物を育てるものだろう。

そんな区画から外れた場所の『呪い』が侵入してきて土を干からびさせるとか…有り得ない。

この世界では『有り得る』のかもしれないが、私の常識では『有り得ない』のだ。


「駄目で元々だ。やれることはやってみてもいいんじゃないか?バシュッツ。」

父親に名前で呼ばれた町長は、少し考えた後、力強く首を縦に振った。

「そうですね。トマト以外にも枯れた土地に強い作物があるかもしれません。試すだけ試してみましょう。」


父親が苗などを仕入れる為の必要経費は出すことを町長に約束している隣で、「ついでに」と口を挟む。

「それなら、芋類も強いと思いまちよ。甘芋は腹持ちも良いし、甘くて美味ちいでちよ。それと、もしトマトが出来たら、私に一つくだちゃいまち。」

痩せた土地では頻繁に作られるという芋を提案しつつ、トマトを手に入れる約束を取り付けた。


「ええ、その時は一番にアテーナイエーお嬢様にお持ちしましょう。」

「約束でちよ。楽ちみでちゅ。」

「はい。約束です。」


頭の中はトマトを使った料理でいっぱいだ。

トマト煮、ナポリタン、ミートソース、ポトフ、ケチャップ、クッキー…

ああ、でもまずはそのまま生でサラダがいい。

塩を少しつけて、次は味を変えて…。


こうはしちゃいられない。

帰ったらドレッシングができないか考えなきゃ。


町長の屋敷を後にして、今度は繁華街へ向かう。

「アテーナのお陰で展望が開けたからね、なにかお礼をしよう。」

と言い出したのだ。


初めて見る商店街は人が沢山行き来しており、客も商人も活気がある雰囲気だった。

あちらこちらから客寄せの声が聞こえ、頭上には色とりどりの旗が風に舞っている。

店の看板は一件一件趣向のちがうデザインがされているのに、全体的に統一されている不思議な感じを、私は馬車の窓から眺めていた。


「この街はいつも賑やかだからね。元気になるよ。」

父親の言葉に頷く。


「ああ、そこの角で停めてくれないか?」

父親が示した場所は、お洒落な外装の飲食店のようだ。


「お前の好きなパンケーキをご馳走するよ。」

「わあ!パンケーキ!」

父親に抱えられ馬車を降りると、一帯に甘い香りが充満している為に、私のお腹が鳴った。






パンケーキは美味しかった。

さすが、小麦領地だけある。

良い小麦で作られ、焼かれたのであろうパンケーキは、ふわふわで熱々で、上に乗ったクリームとベリーが美味しくて。

私は至福のひと時を過ごしたのだ。


「お父様、ごちちょうちゃまでちた。」


父親にお礼を言うと、なぜか「いや、まだ足りない」と言い出し、今度は高級そうなアクセサリーが並ぶ貴金属店へ入ったのだった。


「アテーナ、この髪飾りなんてどうだ?」


父親は店主となにやら話し込んでいたため、私はケースの中に綺麗にならんだ宝石たちを見て過ごしていたが、父親に呼ばれてそばに行くと、(おもむろ)に髪に付けられたそれを、鏡でのぞき込む。


私や父親の瞳と同じサファイヤブルーの小さな石の周りをダイヤモンドが花びらのように並ぶ小花が数個くっついたそれは、とても綺麗だが、とても高そうという印象を受けた。


「お父様。私には高い買い物でち。」

「いや、お前の未来への投資だから、決して高くはないよ。」

「…投資でちか。」


確かに今の私にこの髪飾りは背伸びをしている感が否めない。

だが、あと10年…いや15年もすれば似合うようになるだろうか?


「これにしよう。お前が社交パーティーにデビューする時に着けてくれ。」

「ずいぶん先でちね。」

「きっと、あっという間だよ。」


店主が丁寧に梱包するのを待つ間、父親は真剣な顔で何やら選び出したのが見えた。

見ている商品は、落ち着いた淑女が相応しいデザインの物ばかりだったため、母親へのプレゼントだろうと察する。


私はふと、さっき見ていた方のケースに近づき確認する。

何気なく見ていて「お母様に似合いそう」と思ったネックレスがあったのだ。


「お父様!お母様に差ち上げるなら、これはどうでちか?」


私の言葉に驚いたような表情を一瞬見せた父親が、見る見る顔を赤らめるのが分った。

お父様はお母様に対しては初心なんですから。


そんな父親の様子に気付かないフリをしながら、お目当てのそれを指さす。

「ほら、お母さまの目の色とお父様の髪の色が一緒になっているんでちよ。」

大きなエメラルドの周りに散りばめられた、ブラックダイヤモンドが綺麗なネックレス。

酸いも甘いも経験してきた大人の女性にのみ、身に着けることを許されていると言わんばかりのそれは、幸せな家庭を守り続けている母親にこそ似合う一品ではないだろうか?


私と同じことを思ったのであろう父親は、すぐに店員を呼び「これも包んでくれないか?」と依頼した。


「ふふ。お父様、今日は良い買い物ができまちたね。」

「ああ、アテーナのお陰だよ。」

馬車の中で親子で笑いあって帰路についた。


社交パーティーデビューは、15歳の成人の儀の頃である。

王家主催のパーティーでデビューするのが貴族の間では慣例で、私はそれまでの12年の間に女を磨くという使命を、今日授かったことになる。


この髪飾りが似合う女性にならなくちゃ。


小さな包みを握りしめて、将来の目標が増えていくことに、心が躍る思いがした。

夕日が辺りを赤く染め始めている。

道行く人たちも家路へ急いでいるように見えた。


ふと商店街の通路脇に見覚えのある姿を見つけ「マーチャ!?」と叫んだ。

私の声に父親が反応し、窓から外を確認した後、馬車を停めさせた。


馬車の扉が開くと、私のメイドがとても良い笑顔で木箱いっぱいのオレンジを差し出してきた。

「実家で商品代金の代わりに受け取ったらしいんですけど、流石に食べきれないんです。」


貴族に対する平民の感覚とはズレたその言葉に、私と父親が吹き出す。

御者は怪訝な表情を一瞬浮かべたものの、私たちの様子を見て溜息をついていた。


「マーチャ、それは平民の食べ残しを、貴族である私たちに下さるということに取れまちゅよ?」

私が指摘すると、マーシャは分かりやすく顔を青ざめさせて、フルフルと首を横に振った。


「そんな!私はそういうつもりで言ったわけではありません。」

「知っているわ。だから、こういう時は嘘でもいいから『いつもお世話になっているのでお土産です。』と言うべきね。」


私の言葉に、納得が出来たのか

「いつもお世話になっているのは本当です。はい。お礼代わりのお土産です。」

と元気に言ったので、父親が優しく笑うと

「ありがとう。邸のみんなで頂こう。」

と受け取りを許可した。


ほっとしたように息を吐くマーシャに「貴方も乗って帰りまちょう」と告げると、今度は挙動不審になり、「ちょっと待っててください。私の答えで正しいのか判断できないので、父に相談して参ります。」と言って、すぐそこのお店…何屋なんだろう?に入っていった。


そんなマーシャの背中を見ている私に、父親が口を開く。

「あのメイド見習いを一人前に育て上げることが、お前に出来るのかい?」

「大丈夫です。マーチャはとても素直でちから、ちょっとだけ不器用が目立つけれど、根性もあるので…きっと近いうちに優秀なメイドになりまちよ。なんでも、『そつなくこなす人よりも努力てち覚える人の方が、成長ちゅる』って。メイド長のリーンが言ってまちた。負けず嫌いのマーチャなら、大丈夫でち。」

「…そうか。」


しばらくして店主である父親や義母らしき両親と一緒に走ってきたマーシャは「お願いします」と頭を下げた。

その様子を見て慌てた店主が「言葉が足りないだろう?この馬鹿!」とマーシャを小突くと、慌ててこちらに向き直り

「この度はこのような平民の娘が領主様の馬車にお邪魔するなど、恐れ多いことなのですが、娘たっての希望もありまして…もし、お邪魔でないのであれば、荷台にでも積んで行ってくださいますでしょうか?」

丁寧に頭を下げる両親に、父親が領主の笑顔で答えた。

「うちの愛娘がマーシャを気に入っていてね。荷台ではなく、ここに一緒に乗って欲しいのだが、構わぬかい?」

「そんな!なんて寛大な!ありがとうございます。」


「さ。マーチャ乗って。」

私がニコリとマーシャを招き入れると、マーシャの両親は私を目を見開いて見つめた後、拝むように

何度も何度もお礼を言ってきた。

そんな両親に構うことなく乗り込んできたマーシャは「じゃあ、行ってきます!」と元気に別れを告げて、扉を閉めたのだった。


再び動き出した馬車の中で、私は隣に座ったマーシャに疑問を投げた。

「ねえ、マーチャのおうちって何屋なの?」


「ああ、ネジ屋です。魔道具や普通の機材など、どんな物にも対応できるような沢山のネジを売っています。私はそれらを判別することが出来ませんでしたので、こうして奉公に出させて頂くことになったのです。」


ネジ…それはまた、面白い。


ふと目の前を見ると父親も同じことを思っているのか、ニヤリと笑っているのが見えた。

私と父親の感覚が似ていることを思い出し、はっとする。


「お父様、マーチャは私のメイドでちからね。あげまちぇんよ。」

「なんだ…狙っていたのがバレたか。仕方ない、今回は諦めるよ。」


父親がふっと笑い出し、私は膨れっ面を作って見せる。

そんな二人の様子を見ていたマーシャは「仲の良い親子ですね。」と笑った。


「それにちても、マーチャのご両親は常識的でちたね。」

と私が呟いたのを聞いたマーシャが、顔を赤らめて

「私をメイドとして扱える技量があるご貴族様は領主邸くらいだと言われました。」

と告白した。


…。

なるほど、良く出来た親である。

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