三重県議の「汚点」ツイート騒動が気になったので男性同性愛者の当事者が議事録を読んでみた
はい、というわけで何があったのかをざっと説明しますと昨年10月に行われた「三重県 差別解消を目指す条例調査特別委員会」で、同性パートナーシップ反対派、LGBT活動反対派のLGBT活動家の方が参考人として呼ばれました。
その時の態度や発言内容がひどいと動画付きで一般の方がツイートして、そのツイートを同性パートナーシップ賛成派の県議が「三重県議会の汚点ですね」と引用リツイートした。
これに活動家の方が名誉毀損だ!と訴えた。
ざっくりですけどこんな感じです。
汚点ツイートに関しては裁判で決着が着くでしょうから何も言いません。
ただ、その日「三重県差別解消を目指す条例調査特別委員会」でなにが話されていたのか、議事録を読んで突っ込みたくなったのでこのエッセイを書いています。
議事録を読んだ感想としては「この人LGBT活動家がとにかく嫌いなんだろうなぁ」でした。
例えば問題になった昨年の『足立区が滅びる』発言や新潮45での杉田議員の『生産性』での炎上などを「大した問題でもないのに活動家が無理やり炎上させて問題を大きくした。これでは相互理解など得られない」と解説してみたり、LGBT活動家の方が推進している同性パートナーシップ制度を「法的根拠の無いただの紙切れ」と言い放ってみたりしていることからもおそらく間違いないと思います。
活動家嫌いから出たであろう発言にはそれぞれ、問題発言に怒って無い当事者も確かに居ましたし、パートナーシップ制度以外の方法を使っている同性カップルもいるのでちょっと無理をすればまぁ1つの意見としては分からなくもないのですが(かなり無理して好意的解釈をしています。)さすがに無茶苦茶だろうと思ったのが
「差別を禁止することは、禁止の対象となる差別が必要ということでもある。差別を必要としない、差別のない社会をつくることが理にかなうのです。差別のない社会にするためには、差別をしないことが必要」
読んでてゲシュタルト崩壊するほど差別って言いまくっているわりによく意味が分かりません。
そもそも罰則をつけて差別を禁止するのって差別が起こることに対する抑止力の意味合いが強いんじゃないでしょうか。
これは差別に限った話でなくて殺人であろうが窃盗であろうが別にそんなもの必要とされていないわけですからかなりの屁理屈ですよね。
よくこれを三重県民の税金で開かれている「三重県 差別解消を目指す条例調査特別委員会」でプレゼンしたな~と思います。
そんな話をするくらいなら法的根拠のある方法でどうやって自分とパートナーとの生活を守っているのか具体的に聴いてみたかったです。
自分が知っている限りだと公正証書か、養子縁組しか思い当たらないんですけどね。
ただ、その2つも万能ではないんです。
異性愛者のカップルが結婚する場合婚姻届を出すだけで済みますし、そんなに費用も手間もかからないんですが
公正証書だと約25万円くらいかかりまして、申請を初めてから最長1ヶ月近くかかってしまうらしいんですよね。
養子縁組だとそもそも『ふうふ』じゃなくて親子関係になっちゃいますし、強制的に年下が姓を変更しなければならなくなります。
滅多にいないでしょうけど生年月日が全く一緒だとそもそも使えません。
このように制度の不備で中々に不便なことになっているのに、この方LGBT活動家嫌いをこじらせているようで、幸福か不幸かのニ元論で理論を組み立ててしまっています。
確かに活動家と呼ばれる人たちの中には不便よりも不幸なことを殊更に強調する人もいるんでしょう。多分
その意見に引っ張られて自分のことを不幸だと思い込む当事者もいるかもしれません。
そんな当事者にたいしてはこの方のおっしゃる
「LGBTだからと言って不幸なんかではない。LGBTでも幸せになれる」
というメッセージはとても良いものなんでしょうけど、そもそも差別的状況があるかどうかと幸せか不幸かはイコールで繋いで良いんでしょうか?
例えば1945年まで女性は選挙権がありませんでした。
そんな男尊女卑な女性差別的な状況でも当然幸せに人生を送った方もいるはずなんです。
でも、幸せな女性がいるからといって選挙権が無くても良いとはなりませんよね。
同じように幸せな同性愛者がいるからといって同性愛者にたいして差別的(不便な)な状況を改善する必要が無いとはならないと思うのです。
個人に対して言うなら素晴らしいことでも、この状況をどうするかを決める議会で発信することでは無いんではないでしょうか。
不幸だと思い込んでいる当事者には幸せになれる方法を、行政には不便を解消する制度又は、不公平な制度の改正を、では駄目なんでしょうか?
他にもトランスジェンダーの方に対するそれってどうなのよ!?って思うような発言もあったりするのですが、すいません。その辺りは不勉強ですのでもっと詳しい方にお願いしたいなと。
個人的には異性愛者であろうが同性愛者であろうがトランスの方であろうが、皆がフェアな状況で生きていけたら幸せな人が増えるんじゃないかなと思います。
そんな時代が早く来ることを祈っています。
このエッセイは三重県の
「令和2年10月14日 差別解消を目指す条例検討調査特別委員会 会議録」
を読んだ感想です。