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8 監督官、本気出す

今回は監督官視点です!



「フブキさんは先に行ってて下さい。僕は先に用事を済ませてきます。」


「分かったわ。なるべく早く済ましてきてよね〜。せっかくの休みなんだから。」


「はい。なるべく早く終わらしてきます!」


 そう言って僕はホテルを出た。

 大通りは到着した時よりも沢山の人で賑わっている。

 いくつもの蒸気車がけたたましい音をたてながら走り去っていく。

 しばらく歩くと、その賑やかさも落ち着いてきて、僕は路地裏に入った。


「人ばらいはしました。出てきて下さい。」


「チッ、監督官様はいろいろ鈍いと思ってたんだがな〜」


 どこからともなく声が聞こえたと思うと、フードで顔を隠した男達が次々周りを囲んだ。


「そんなに殺気を振りまきながら尾行されたら、嫌でも気付きますよ。

 で、目的はなんですか?」


「教えるわけないだろ!

 観察だけの予定だっただが、バレちまったなら殺すしかないな……」


「ざっと見たところ人数は30人と言ったところですかね……。

 1人1秒。計30秒で終わらしましょう」


「ほざけ!」


 その一言を合図にフードの男達は襲いかかってくる。

 術式を使わないところを見ると相手もあまり目立ちたくないみたいだ……。

 1人また1人と戦闘不能にしていく。

 もはや流れ作業。


「37秒……。僕も鈍りましたね……」


「こんなに強いはずがない……」


「何を見て強くないと勘違いしたのやら。

 それとなぜ、学園内のことを知っているんですか? あの創作空間に部外者は入れないはずですが……」


「俺がそんなこと教えると思って聞いてるのか?

 それこそ勘違いだなっ!」


 男は虚勢を張った笑い声をあげる。


「なら良いですよ。その体に聞きますから。」


 そう言って男の腕を切り落とすと、路地裏に大きな悲鳴が響き渡った。

 男は腕を押さえながら悶えている。


「もう一本残ってますね。腕。」


「や、やめてくれ……

 ただ上からの指示に従っただけなんだ。

 どっからか、学園内に術がかけられていて……それに干渉したんだけなんだ……

 あの大柄の男がおかしくなったのも、そのせいなんだよ!」


 大柄の男というのは、多分クラウスのことだろう。

 聞いてないことまでペラペラと。


「なぁ、知ってることは全部話した……

 頼む見逃してくれ……

 家には子供も妻もいるんだっ」


「分かりました……」


「本当か……ありがーー」


ーーブシュ


 血の吹き出る音とともに、地面が赤く染まる。

 あんなに意気がっていて、しまいには命を請う。哀れだ。

 僕の生徒に殺気を向けた時点で、生きて帰すはずがないだろ。



 もう二度と、僕の生徒に手出しはさせない



「さて、対処できたし皆の所へ戻りますかね!」


 そう呟きながら、フードに書かれている山羊の刺繍を破りとった。



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