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邂逅ー宿命の螺旋

―転生してもこの記憶が消える事がないのは、あの時の罰だと思っていた……。




××××







 深夜――




 地上が最も月の影響を受ける満月の日、陸火りくほは一人、街の中に在る闇に立っていた。

 その手にはサイレンサーがついている小型の拳銃。

 本来彼の得手とする武器は剣や槍などと言った中距離系の武器だったが、如何せんこの世界ではこちらの方が都合が良かった。

 入手するのも、そして所持しているのも。


 陸火はそのピストルを武器に、たった一人で戦っていた。

 月からの侵入者、月のあやかし月妖族げつようぞくと。



カチャ



 妖気とでも言うのだろうか―通常、人間には感知しえないなんとも不快な空気が漂ってきたと同時に、陸火はピストルを構えなおした。



 戦いが、始まる。



 それは狩るものと狩られるもの、一方的な。



 辺りが緊張に包まれ“それ”が陸火のいる路地に現れた瞬間、その真横―“それ”がいる横の細い路地―から“何か”がそれに向って放たれた。



「不浄のモノよ、生まれ出でた闇へと還れ」



 それはけして強くない―けれどその場の空気を引き締めるような凛とした声に、陸火は驚いて動きを止めた。



「……まさか、キラ?」

 しばらくの沈黙の後暗がりからかけられた名前は、陸火が以前、確かに呼ばれていた名前だった。

「誰、だ……?」

 絞り出した―押し殺したかのような低い陸火の声に、一人の少女が姿を現した。



 漆黒の長い髪に、黒曜石のような双眸。



 外見は変わってしまっていたのに、なぜか確信に近い思いを抱いた。

「……レオ? まさか……獅子導ししどう妖水あやめ?」

 陸火の言葉に漆黒を纏う少女は微笑み、口を開いた。

「久しいわね、天秤遣てんびんづかきら





 目の前にいたのは獅子導 妖水――


 陸火の前世の同胞の一人だった……。







 そしてこの出会いが、また新たな運命を巡る……。







 この時はまだ。

 そう、本人たちですらそれに気づいてはいなかった……。

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