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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
9/65

9話 謝意

 今が何時か分からなかった。浩輝は携帯を手に取り時間を見ると、

「嘘だろ!?五時二九分!?、こんなに経ってたのか」

 雅也と色々な漫画を見ていたから時刻に驚く。

 浩輝は立ち上がり漫画を棚にしまい窓を見る。

「外は少し暗くなっているな」

 雅也は浩輝の近くに行き、

「兄ちゃん、俺腹減った!」

「よし!夕食食いに行こうか」

 浩輝は雅也と一緒に一階へ下りて図書館の外に出る。


 浩輝と雅也はレストランへの道を歩いて行く。すると人の姿が見えた。

「達之ー、どうしたんだ?」

 浩輝は呼びかけてみると気付いた様で浩輝の元へ来た。

「安達!俺は夕食食いに行こうとした所だ」

「何だ、じゃあ雅也と一緒に行こうか」

 浩輝は達之と雅也と一緒に歩く。人影が無い道を進んでいく。

 誰もいないはずの道だが何かが飛んできて浩輝の左腕をかすめた。

「イタッ!」

 急に左腕に痛みがでる。何が起こったのかが分からない。

「どうした!?安達!」

 浩輝の左側にいる達之が声を上げた。

「兄ちゃん……左手、血が出てるよ……」

 浩輝の右側にいる雅也が震えながら喋る。

 浩輝は自分の左手を見ると何かがカスッた様で血が出ていた。

「嘘だろ……」

 傷はそこまで大きくは無いが急な事に驚きを隠せない。

 浩輝は左手を押さえて血を止めようとする。

 押さえつけていると木村が浩輝の元へ駆けつけてきた。

「一体どうしたんですか!?嫌な感じがしたからここに来て見たら……」

「俺達にも分からない……、銃声なんかはしないまま安達が負傷したんだ……」

 達之が木村に説明する。状況を理解すると、

「私が応急処置をします」

 浩輝と木村は地面に座り木村は鞄から消毒液やガーゼ、包帯等を取り出し浩輝の傷の手当てを始める。

 負傷したのは左手の甲であり血が流れている。木村はガーゼで血を拭き取り違うガーゼで消毒液を染み込ませて、

「少し滲みるかもしれませんが……」

「あぁ、大丈夫だ」

 浩輝はうなづいてから木村は処置をしてくれた。包帯を巻いて応急処置を終わらせた。血のついてる右手の血も拭いてくれた。

「ありがとう、木村」

 浩輝は負傷してない右手で木村の手を優しく握った。

「いいえ、看護学校生として当然の事をしただけですよ安達君」

 木村は微笑みながら浩輝の右手を優しく握る。

 二人の場は少し不思議な雰囲気だった。

「兄ちゃーん、何かあったよー!」

 雅也がさっきまで静かだったが急に大きな声を出した。二人はそっと手を離し、

「どうした?雅也」

「さっき兄ちゃんの左手をカスめたのこれじゃないかなー?」

 雅也は小さな矢を持っていた。

「クロスボウの矢か?それなら銃声が出ないから納得できるな」

 達之は雅也の持ってきた矢を手に取って喋る。

「ではこの矢で安達君を殺害しようとしたのでしょうか……?」

「その可能性は高いが、少し遠くから撃ってきたと思う、殺害と言うより負傷させる事が目的かもしれん。あるいは試し撃ちで安達を狙ったもありえる」

 色々仮説を出すが答えは分からない。

 浩輝はゆっくりと立ち上がり、後から木村も立ち上がった。

「まぁ、俺は大丈夫だから皆で夕食食いに行こう」

 少し悩んでた達之は浩輝の声に安心した様だった。

「安達が元気そうで良かった、レストランへ行こうか」

 浩輝達は一緒にレストランへ向かった。レストランに着き店内に入る。


 店内には野村さんと長岡と友里ちゃんがいた。偶然殺し合い反対派の人達が集まっていた。

 友里ちゃんが浩輝達の姿に気付きかけ寄ってきた。浩輝の左手に包帯が巻かれている事に驚く。

「お兄ちゃんどうしたの左手!?」

「レストランに来る前に誰かに襲われたんだ、でも傷は大きくないから大丈夫だよ友里ちゃん」

 友里ちゃんと話してると野村さんと長岡が浩輝達の元へ来た。

「大変だったね安達君」

「はい……、でも木村が傷の手当てをしてくれました」

 長岡は浩輝の左手をじっと見ている、心配してくれていた。

「僕達これから食べる所だったんだ、一緒に食べる?」

「はい是非、達之達も良いか?」

「俺達も良いぞ安達」

 浩輝はレストラン内の大きなテーブル席に行き男女別に席に座った。

 メニューを見ていき一人ずつ注文していく。

「俺!お子様ランチにする!」

「私はキッズカレー」

「エット、ワタシコメコパントコーンスープ」

 長岡の注文品に木村は少し驚いた。

「えっ、これだけで良いのですか?」

 長岡は木村に頷く。木村は心配していた。

 浩輝はハンバーグステーキを、達之はまぐろたたき丼を、木村はミートドリア、野村さんは豚ロースのとんかつ和膳を注文した。

 全員の注文ができ約一分で机の上に品が出た。長岡だけはかなり驚いていた。

「じゃあいただきます」

 全員で自分のペースで食事を始める。食べていると野村さんが話す。

「この注文が出てくる事やこの世界には僕含めて十八人しかいない事はたぶんここは現実では無いのかも知れない」

 突然の発言に全員の手が止まる。

「え?どういう事ですか?」

 木村は質問する。

「僕の武器のリボルバーで初日に地面に一発だけ撃ってみたんだ、銃弾は本物だった、リロードはしないまま今日の朝調べてみると弾が補充されていた。朝食もコンビ二で商品を持って店を出ても罪に問われ無かった。そしてこの約一分で品が出る現象も現実ではありえない」

 野村さんの話を聞いて達之は喋る。

「リボルバーの予備の弾から補充したは?」

「それも無かった、あの二人が補充したなら別だけど」

 野村さんの話を聞きながら食べていく。

「現実じゃ無いという事はここは何処なんでしょうか……」

 木村は小さな声で質問する。

「それは僕にも分からない、この殺し合いで亡くなった人達は本当に死亡したと思う」

 謎が出てきて答えを探していかないといけなくなった。

「僕の話は終わり、食べよう?」

 話が終わり食べていく。先に雅也が食べ終わる。

「ごちそう様、兄ちゃん俺帰るね!」

 雅也が立ち上がろうとしたが浩輝は止めた。

「少し待つんだ雅也、携帯で連絡先を登録しときたい」

「いいよ!これ携帯、登録お願い!」

「じゃあ、僕の連絡先も交換しよう」

 連絡先を交換していき、雅也は店内を出た。反対派の人達の連絡先は全員登録できた。

 長岡と友里ちゃんが食べ終わって店を出る。

「ではお先に失礼します皆さん」

 木村も食べ終えて店を出る。

「じゃあ二人共気をつけてね」

 野村さんが店を出て、浩輝達は食べ終え、

「俺達も行こうか安達」

 浩輝達はレストランを出る。

ゲーム参加者武器

不明:クロスボウ

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