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苦悩のローラーコースター  作者: 立蛇志九絢子
57/65

57話 ??

 ……暗闇の中に俺はいる、ここは何処なんだ?

 闇の中で浩輝は歩いている。この暗闇は永遠に続いているみたいだった。

 どうすれば良いのか分からない、何が起こっているんだ?

 浩輝は歩いていると、ある光が見える、その光に近付いてみる。

 学ランを着ている男が見える、顔までは分からない、誰かと言い争っている様に見える。何で言い争ってるんだ?

 浩輝がこの映像を見て悩んでいると、また元の暗闇に戻った。

「何だったんだ?あの映像は……」


 浩輝はまた歩き出し、別の場所に光が見える、その光に近付いてみる。

 一人の男が教室の席に座っている。周りには人がいっぱいいる。

 ……周りの人間が冷たい視線で見ている、何を言ってるか分からない、けど悪口を言ってきてる様な感じがする。

「……止めろ、そんな目で俺を見るな、そんなに俺を責めないでくれ……」

 映像を見ているにも関わらず、浩輝は自分の事の様に感じてしまい、苦しくなり頭が痛くなる。

「この映像を止めてくれーー!!」

 浩輝は頭痛がし、苦しくなりながら、両耳を両手で塞ぎ、目をつむりながら必死に叫んだ。

 目を開けると、映像が終わり暗闇に戻った。

「ハァハァ……止めてくれ……何でこんなの見なきゃいけないんだ……?」

 浩輝は姿勢が崩れ、地面に膝をつく。

 苦しく呼吸をする、少し経って頭痛が治まったので、ゆっくり立ち上がって、少しフラッとするが歩いて行く。


 歩いて行くと、少し違う場所に来たみたいだ。

「さっきの暗闇と違う……?」

 進んでいくと、突然上下左右血だらけの場所に迷い込んでしまった。

「……何なんだよここ……何なんだよ!?」

 浩輝の鼓動が速くなる、膝がガクガクする。しかし、抜け出すには歩き続けるしかない。浩輝は血だらけの壁に左手を置きながら、ゆっくりと歩いて行く。

 ゆっくりと歩いて行くと、道に血だらけの死体が出てきた、それも一体だけじゃない、五体以上はある感じだった。

「……俺は何処に向かおうとしてるんだ……?」

 死体を見てみると、大人や子どもがいろいろな死に方をして倒れている。

 比較的きれいな死体に、頭部が無くなっている死体等いろいろある。

「……何でこんなに死んでるんだ……?」

 浩輝は血だらけの壁に左手を置きながら、よろよろと足を引きずりながら、死体を避けながらまっすぐ歩いて行く。


 ふらふらの浩輝はある場所に着き、少し立ち止まる。

「……ハァ、さっきの通路より広い場所だ」

 地面が金網の広い場所だった。この場所を歩いていると、突然誰かに押し倒され、浩輝は金網の地面に倒れてしまう。

「何だ……?突然……?」

 顔が見えない男が浩輝に襲い掛かってきた。右手には刃物を持っている。まるで、あの時のようだった。

 突然の事で、浩輝は抵抗できなかった。

「……止めてくれ!」

 浩輝は顔が見えない男の頭部を右手ではらい除けようとした。

 うまく当たってくれたのか、男の顔が一瞬だけ見えた。

「……え?俺?」

 男の顔が浩輝が高校時代の時ととても似ていた。

 男は消えていなくなった。

 浩輝は立ち上がったが、肺が締め付けられる様な感じで息苦しくなり、倒れてしまい意識が無くなった。


「今回はどうなるかしら?」

「またうまくできるはずだ」

 若い男女の声が聞こえる。浩輝はこの声を聞く事はできるが、後は何もできない状態だ。

 何もできない、どうすればいいのか分からない。この暗闇の中で声を聞く。

「安達浩輝、いくぞ」

「ゲーム、楽しみね」

 浩輝の名前を喋って意識が無くなった。

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