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52話 憂愁
達之達は夕食を食べ終え、自分のコテージに戻っていた。
風呂等を済ませ、寝る準備ができ、寝室にいる。
達之は棚に飾っている家族写真を見る。
「父さん、母さん、優衣……、俺は現実ではどうなってるんだ?俺が家に居なくなっている事は分かってるはずなのに」
達之は悲しく写真に独り言を言った。
「……優衣、俺な、この世界で友達できたんだ。いつか、お前に会わせてやりたい、と言ったんだ。けど今、眠ったままで起きてくれない……」
達之は写真の妹に今の自分の事を喋った。
写真を見るのを止めて、ベッドの上に寝転がる。
「安達……目を覚ましてくれ……、また一緒に喋りたい……」
達之は病室で眠っている安達の事を思いながら常夜灯にし布団に入る。
ケイとマイからのメールが入る。
[今日の犠牲者は渡辺友里さんと西岡文恵さんです。お休みなさい]
「友里……」
達之は殺された友里の事を悔やみながら携帯を戻し目をつむり眠る。