50話 感傷
レストランで手を洗い食事を済ませ、図書館で本を読んでいた。
「この世界は仮想空間だ、何処の誰が関わっている?俺達は何でここにいるんだ……?まるで迷宮の様だ……」
読み終えて本棚にしまう。
「ハァ……手がかり無しか、安達も目覚めてくれないし……」
達之はため息を吐く。床にかがみ込んでいるとメールが入った。
「……木村から?安達に何かあったのか……?」
メールを見てみる。
[押田君、病室に来てください、状態が悪くなっている様です……]
「……何だと!?安達……」
達之は立ち上がって急いで病院に向かう。
病室前まで着いてガラッとドアを開け、安達の元へ向かった。
安達は苦しそうに呼吸をしている、一体何と闘ってるんだ?
不愉快な音は更に不愉快になっていく。
「……おい、ケイとマイ!何が起こってるんだ!」
達之はこわばった表情で呼んだ。
『苦しんでるね、あなたも安達君も』
ケイとマイが出てきた。傍観してんじゃねーよ……。
『私達は直接殺さないわよ、安達君はこの部屋では死なないから』
それだけ喋って、ケイとマイはいなくなった。
「……くそっ」
達之は胸が苦しくなりながら悔しむ。
少し経つと、安達は苦しそうな呼吸はしなくなった。昏睡状態は続いているが、安定はしてきた。
「……さっきより、良くなってきました」
木村は目覚めてほしい安達の手を握りながら喋った。
「……あぁ」
達之も落ち着いて椅子に座った。
椅子に座り少し経つとメールが入った。達之達はメールを見る。
[参加者一名死亡]
「……今度は誰だ?」
友里が殺された、今度は誰かと思いながらメールを見ていく。