46/65
46話 俺は……大丈夫だから……
時間が経ち、映画も終わり二人はレストランへ向かおうとしていた。
「今日は楽しかったです、安達君と一緒にいる事ができて」
木村と手を握りながら歩いている浩輝は、顔を赤くしながら、
「俺もだ、君と一緒に居れて楽しかった……」
互いにドキドキしながら喋る。
歩いている途中、嫌な感じがし、浩輝は立ち止まり日本刀を構えながら後ろを向く。
「?どうしました?」
木村も立ち止まり浩輝の横顔を見る。
「いや、気のせいだった様だ」
浩輝は構えるのを止めて、再び二人で歩く。
レストランまでもう少しの所、忘れた頃に朝の頭痛がする。
「うっ……」
朝よりも酷く感じる。右手で頭を支える。
「安達君!どうしました!?」
木村の声が震えている、心配掛けたくない……、俺は……大丈夫だから……。
心の中で必死に喋るが声に出せない、浩輝は地面に倒れてしまい、意識が無くなった。