45話 二人だけの世界
浩輝は椅子に座っていた。緊張していると同時にまたあの頭痛が起きるかもしれない恐怖と闘っていた。
「お待たせしました」
木村の料理が終わった様で、オムライスを作ってくれた。机の上に置いて、お茶も準備してくれた。
「ありがとう、美味しそうだ」
浩輝は木村の手料理を見ながら喋って、木村も椅子に座る。
「いただきます」
浩輝達は食事を始める。オムライスを一口食べると、
「美味しい……」
木村が作ってくれた料理はとても美味しかった。
「ありがとうございます……!」
木村が嬉しそうに浩輝に微笑んだ。今の所浩輝の体の異変は無い。
「料理が好きなのか?」
口に入って無い状態で質問する。
「そうですね……、母が料理が好きな人でしたので」
浩輝は木村の答えに少し罪悪感があった、早くに亡くなった母の事を思い出しながら喋ったから。
二人は食事を終えて、浩輝は皿とコップをキッチンに置いて洗う。
「あ、ありがとうございます。料理を食べてくれた人に食器を洗わせてしまって……」
木村は気まずそうに謝った。
「いや、俺がやりたかった事だったから、気にしないでくれ」
浩輝は木村の顔を見ながら笑う。
洗い終えてタオルで手を拭く。
手を拭き終えリビングに戻ると、木村が浩輝の右手を引き、
「一緒に映画見ませんか?」
木村が映画を一緒に見ようと、微笑みながら誘ってくれた。
「あぁ、見ようか」
浩輝も微笑みながら喋り、椅子に座った。
木村は、映画のDVDを用意し、テレビを点け再生させる。
木村は浩輝の隣に座り、二人で映画を鑑賞していった。