44話 頭痛
……誰かがいる、多くの人間に絡まれている、誰だ? 何故一人をそんなに責めるんだ? 分からないまま浩輝は目を覚ます。
「……はっ」
「……前回みたいな夢だった」
布団をはがし、常夜灯を消し一階に下りる。
いつも通りの事をやり朝食を食べ、着替え、掃除をして物入れにしまう。
テレビを点け天気を見て、晴れる様だ。
「天気は大丈夫……、誰かが死ぬかもしれない……」
昨日は四人死んだので、浩輝は怖かった。自分が死ぬ事ではなく、自分以外の生きてる人達の事を思いながら。
十二時までまだ時間がある、二階に上がってベッドに寝転がろうとしたら、
「うっ……」
急に頭痛がした、立ちくらみ床に膝をついて右手で頭を支える。
「ハァハァ、何だ?頭が痛い……」
浩輝はめまいがする、ベッドに寝て少し安静する。
「……木村に心配掛けたくない……」
頭痛と闘いながら木村の事を思う。
しばらく浩輝はこの頭痛と闘っていた。
謎の頭痛が終わり、浩輝はゆっくりと携帯の時間を見る。
「……いけるかな、木村が待っている」
浩輝は日本刀と鞄を装備し一階に下り、靴を履き外に出る。
鍵を閉めて木村のコテージに向かう。幸いさっきの頭痛は無くコテージに着き、チャイムを鳴らす。
少し待つと木村がドアを開けて、
「待ってましたよ、安達君」
木村が笑顔で喋ってくれた。
浩輝は体の調子がおかしいと思われない様に、
「おじゃまします」
木村に笑顔を見せながら喋り、コテージに入って行く。